祝福に薔薇の花束を

作者 秋保千代子

65

24人が評価しました

★で称える

レビューを書く

ユーザー登録(無料)をして作者を応援しよう! 登録済の方はログインしてください。

★★★ Excellent!!!

――

悩める娘ちゃんも、一途なお父さんも、お父さんが愛する人も、誰もおかしくなんかない。
おかしいのは、偏見だらけの、この世界だ。
愛さえあれば、それでいいじゃないか。
読み終わった後、そんなことを熱く語りたくなる一作です。

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

★★ Very Good!!

――

同性愛に関する理解度と世間のギャップは往々にして深いテーマとなり得ますが、その辺の繊細な取材をばっさり切って随分ストレートな筆致をしたなぁと感心しました。

序盤の、率直に「キモい」と断じてしまう表現は、世相はともかく世論の実態としてはそう感じる人が多いのが事実ですからね。そうした嫌悪感も、言論の自由であるべきです。そこをしっかり書いたことに評価したいです。

すぐ差別だの何だのと反発する団体が居ますけど、受け入れられないものを拒否する権利は誰にでもあるわけで。

それでも頑張って少しずつ理解しようと努める主人公、第一歩を踏み出して幕を閉じますが、安易に迎合するのは(主人公の心境の変化を表現するためにあえてギャップのあるキャラ付けにしたのだとしても)序盤の反骨精神の良さを殺してしまわないか、バランス取りが難しいなぁとぐるぐる一人で考えてしまいました。

あと、やはり異性の目から見た同性愛論って、BLもそうですけど、ポルノなんですよね。どこまで行っても。
作中に出てくる女友達は、同性愛をBLとして、娯楽として、おのれの「性欲の解消手段」として「消費」しているだけなんです。あたかも理解があるような台詞を吐いているけれども、現実の同性愛を掌握しているわけではない。創作上の「綺麗な妄想」を楽しんでいるだけでしかない。

そこを履き違えず、もっと突っ込んだ筆致が出来ていればさらに輝けると思いました。

★★★ Excellent!!!

――

 ささやかに添えられた花言葉と共に、密やかに育むマイノリティの愛の形。
 世界を生きる上での常識なんてものは、その人が生きて、知って、吸収してきた偏った生き方であって、共通の認識なんかじゃないのかもしれない。

 それでも、誰かが我が物顔で言う――お前は、間違っている――と。
 花を摘む鋭利な刃のように、誰かの心を、傷付けるのだ。

 私達は知っている。
 愛という言葉が、全てを解決するなんてことはない。
 で、あろうとも。
 棘があると知ってても、鮮烈な色を放つ花弁に触れずにはいられない生き物でもあるのだ。
 その行いを間違いと断罪する前に。
 どこかで誰かが頷き、手を叩き、笑顔を、祝福を授けてくれるなら。

 私は、それを愛と呼ぼう。

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

★★★ Excellent!!!

――

お父さんが再婚相手として連れてきたのはハスキーボイスの美人、男性だった。

こんな風に自分の父親にカミングアウトされた主人公はどうしてもそれを受け入れられない。亡くなった母親のことを考えるとなおさらだ。

反発を覚えながらもこの状況に向き合っていく主人公の気持ちの変化が実にリアルに描かれています。

性別なんてささいなもので想い合う気持を差別することなんでできない。そんな風に思ってしまうような素敵な作品でした。

★★★ Excellent!!!

――

いろいろなことを理解できる年齢になったし、どんなこともある程度は受け入れられるくらいには成長したし。
そんな主人公の愛咲にとんでもない試練が。
複雑な心境がポップに描かれたこの作品。でも、その根底には揺るがない愛がある。

突然のカミングアウトに戸惑いながらも選ぶ彼女の未来を応援したくなる。もちろん、その他二名も。

愛はすべてを乗り越えてって…そんなこと突然言われても、そんなことわかっているけど、受け入れるのは大変なんだから!!

悩める女子の揺れ動く心をそっと覗いてみてください

さんがに★で称えました

★★★ Excellent!!!

――

出なくていい腹は出て、整えられていた頭は寂しくなってきた中年親父が今後を共に生きて行きたいと連れてきたのは薄く髭のある美人(つまりは男)だった。衝撃的な告白に拒絶を示す愛咲だったが、少しずつ、その心に変化が訪れる。
随所に散りばめられた花言葉が愛咲の心情を揺れ動かし、表し、そして行動へと変わって行く。
ハッピーエンドが大好きな私からすれば、この物語はきっと素晴らしい。この先も、ずっと幸せがありますよう、私はサルビアを贈りたい。

さんがに★で称えました

★★★ Excellent!!!

――

同性愛って、少なくとも自分のまわりでカミングアウトしてる人はいないから別世界の話だと思っているけれど、もしかしたら意外と近くにもいるのかもしれない

そんなくらいナチュラルに描かれていて

でもって、それは語り手である主人公の気持ちの変わりようがとてもすとんと腑に落ちたから

さんがに★で称えました

★★★ Excellent!!!

――

母と死別した父が、再婚したいと連れてきたのはオネエさんだったという衝撃から幕が上がる本作。

最初は拒否を通り越して呆然とした娘も、二人の関係を徐々に受け入れて行きます。
でも、死んだ母の存在が家から薄れていく描写は少し切なくもあり。

読了後は優しい気持ちになる良質な短編です。

★★★ Excellent!!!

――


思春期の愛咲ちゃんにとって、父親と薫さんの関係は衝撃的。
彼女の心が少しずつ素直になって、同性の恋愛についていろんなことを考える様子が自然に描かれています。
作中では、花と花言葉が彼女の気持ちを効果的に表していて、作品にふわりと春らしい彩りを添えています。
心の中では父親を大切に思っていて、薫さんとのことも幸せを願っているのだと感じられ、読み終わったあともあたたかい気持ちが残りました。
たくさんのかたに読んでいただきたいと、心から思っています。

★★★ Excellent!!!

――

父親の再婚相手は、まさかの男性……、から始まる短編小説。ギャグではなく、きちんとした人間ドラマ。LGBTは13人に1人、左利きと同じくらいの割合、と聞いたことがある。今は表に出ないだけで、こういう恋愛が普通になる日が、日本にも来るのかもしれない。

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

★★★ Excellent!!!

――

父親から、同性の美しい恋人を再婚相手として紹介された娘。
そんな娘が受けた衝撃と、少しずつ変わっていくその思いを爽やかに描いた、素敵な作品です。

父から恋人を紹介された娘が最初に発した「変態」という言葉。
近所の奥様たちがヒソヒソ話す、父親と恋人との陰口。
強い違和感があるのは、よくわかる。けれど、それは決して「変態」ではない。それは、あなたが異性に抱くものと全く同じ「愛情」なのだ——。
亡くなった母親への複雑な思いを抱きつつも、次第にそのことに気づいていく娘。彼女が父と恋人を認めていくラストは、爽やかでとても素敵です。

一般的な愛とは違う形の「愛」を受け入れる難しさと、大切さ。そのことを改めて考えさせてくれる物語です。