第6話
8月3日の夜だった。
「お腹が空いちゃった。」
布団に入ってから、修さんに言った修子さん。
「何か食べようか。」と聞いたら、小さく首を振って、修さんの腕に自分の腕を絡ませた。
「明日、美味いもの食おうなぁ~。」修子さんの頭を撫でながら、修さんは言い、二人はいつものように眠った。
目が覚めたのは修さんだけだった。
救急車がやってきて、隊員の人がせわしなく動いてる横で、私たちは何もできなかった。
誰も、何も言わず、涙さえ出なかった。
だって、修子さんは、いつものように眠っているだけだったから。
「静かにしてください、その人眠ってるだけなんです。」って隣でミカが呟いた。
修さんは、倒れそうなミチさんを支え、強い、とても強い瞳で修子さんだけを見つめていた。
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