文)No.39「タイの屋台」

 タイには、屋台がつきものだ———。


 まっ、タイに限らず、アセアン諸国ではこの屋台が路上のあちらこちらで店開きしているのが馴染み深い光景なのだが。

 はじめてタイにやってきた時、小生はこの屋台の列と人気に圧倒されたもんだ。

 まずは、屋台飯。タイ人にはなくてはならないものだろう。売ってる品も様々で活気と熱気、そして食べ物を煮る、焼く、炒める——ことにより出る匂い。

 それはもう、激烈な印象として残った。


 数年前の軍事クーデターで軍政権になって、いまだ民間政権には移行していないのだが、この「軍事政権」が掲げた目標に、路上屋台営業の禁止、もしくは昼間の営業禁止というものがあった。

 屋台営業主には死活問題であったが、軍事政権には逆らえず、徐々に姿を消し、頑なに抵抗していた者も強制撤去されたりと、すっかり昼間のバンコク市内から屋台営業が消えてしまったのだ。


 これは、「路上クリーン作戦」「タイ国イメージアップ戦略」というのが絡んでいるのだが、バンコク市内から屋台取り去ったら「バンコク」じゃない——

 って思うのは小生だけではあるまい。

 

 タイ人にとっても、休日や仕事帰りの「屋台巡り」は娯楽であり細やかな楽しみであったのだ。

 99バーツ、199バーツ、399バーツ、そんな格安の衣料品や雑貨、化粧品、カバン、時計、靴、etc それらを見て回り冷やかして歩くのが面白いのだ。


 確かに路上(歩行者道)に屋台が立ち並ぶと雑踏化して安全上、治安上よろしくないのはわかるのだが……

 今では、こうした屋台営業していた人々は政府主導の、「屋台村」みたいなとこで営業を余儀なくされている。ショッピンストアに隣接する広場や、政府が指定する広場での営業に移行している。


 確かに、こざっぱりした感はあるのだが、やっぱり、ごちゃごちゃしたカオス感がタイ——なのであって、綺麗な街並み、綺麗な道路は似合わない気がするのだが、それは日本人のエゴなんでしょうかね———。



【駐在員心得】

 ちょっとした雑貨や衣類なら、デパートやショッピングストアで買うよりも屋台で買うことをお勧めする。選んで歩く楽しみあるし、なによりも安いんで。

 ひところ昔、日本のスーパーの値段付けで、九百八十円とか、千九百八十円とかあったでしょ?あれが、タイでは99バーツ(約300円)199バーツ(約600円)の値段付けなんです。お安い感な「値段付け」は世界中どこも同じかもしれませんね。



           

    |..........λ    では、今日は、この辺で


                         by ピエ太 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る