国)No.31「タイという国」変わらない良さ
タイ王国—————。
この国に十年以上居て思うことがある。
——この国って、いい意味でも悪い意味でも、変わらないなぁー
である。
いい意味から行こうか。
南国らしく、ゆるくて、寛容で、心地よくて……。きっと私は日本に帰ったら第一線では働けないだろうと思う(多かたのタイ駐在経験者はそう思ってるはず)
それは、日本の規範規律への厳格さや、成熟した資本主義の国らしく、実力のあるものだけ付いておいで——、みたいな冷たさは、この国にはまだ無いからかもしれない。
許されること、寛容に受け入れられること———。
この国では、それはまだある気がする。それは表現を変えれば、いい加減だし、甘い、っちゃ甘い。でも、それでもこの国はあるし、ここの人々は生きてるんです、ちゃんと。
格差や、貧困という「宿命」に諦めの微笑みを浮かべつつも、なんとか一攫千金夢見るもの、家族親戚を養うために、身体を売る女性たち。スキをみては仕事をサボろうとする若い男。女のヒモになって、毎日、女が職場に行くのをバイクに乗せて送り、その際に今日の飯代、タバコ代と女から100バーツ紙幣一枚を受け取る男たち……
それでも、みんな生きてる。必死で(うまい表現が見当たらない)。
こんなだから、窮屈な背広姿の国から来たものには、なんとも居心地がいいのだ。
このまま、ずっと、変わらないでほしい(先進国の人間のエゴ)——。
悪い意味では——。
この国に来て、日本人である我々が、彼らに一目を置かれ、自動車だ家電だ、半導体だと、先進資本主義な国にしか作れないものを引っさげてやって来た異国の人間に、彼らは羨望な眼差しでしか、我々を見れない。
かつての韓国や、中国のように、どうして、自国オリジナルの物を作ろうとやっきになって、しゃかりきに、追いつけ追い越せ、頑張らないのか——。
だから、タイはいつまでたっても「中流国」「二流国」から抜け出せないのだ。
日本が、あの戦後の焼けの原から、世界に冠たるブランドの数々を生み出し成長してきたのは、国民性の違いだけなのだろうか……。それは日本人というブランドに胡座をかいたエゴかもしれないが、少なくとも、我々日本人が、ココで偉そうな顔をしていられるのは、彼らのこの「怠慢」のおかげなのだと、私は思うのだ。
でなきゃ、いまだ日本との賃金格差の優位性を保つこの国が、ちょっと本気で頑張れば、日本なんてあっと言うまに追い抜かれてしまうのだから——。
だけど、まだ大丈夫。
なぜなら、タイは、タイのまま、この十年という歳月を、タイのままで無為に時間を消費して来ただけに見えるから————。
【駐在員心得】
この国に赴任して長くなれば、長くなるほど、日本に本帰国した時の自分の体質変化、順応出来ない自分になってしまっていることが多い。従って、短期(3〜五年)で帰ることが決まっている諸兄は、夢々、この国のやり方に馴染もうなんて思わないことだ。でなきゃ、あなた、仕事失いますよ。
|..........λ んじゃ、今日は、この辺で、
by ピエ太
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