第30話 おっさん再びあの場所へ

休憩後 3階に降りジャングルMAPに突入する


「きてしまった」

「ここが・・・・」


リオンがあきらめの表情でいい、リドリーが唾をゴクッとならしながらあたりを見まわす


「ここは足場もぬかるんだところがあるから注意してついてきてねぇ~ん」


とライネルさんが軽い感じで注意を促し 俺らが了承の頷きをするのを確認すると1・2回より少し

ペースを落として進んでいく きっと慣れていないリドリーのためだろう。


まっすぐ次の階への道を進んでいくと俺の探索に気配を察知し前方を確認したときにはもう

ライネルさんが走り出していてポイズンフロッグを3匹 パンッ!という音とともに破裂させていた


それをみたリオンとリドリーが ひぃぃぃぃ と口元を抑えて顔面蒼白になっている


「こんくらいでそうなるなら二人とも冒険者向きじゃないね」


とリーネさんがいうと 二人はキッ!と目つきをきつくして さも平気ですから という感じを醸し出しつつ足早にかけていく。


そのやり取りを見た俺とライネルさんは やれやれ といった感じでポーズをお互い決め ため息をついて先に進んだ。


その後もなにごもとなく順調に進み しいて言うならリドリーが沼地に足を取られステンっと転んで

うぅ~ 気持ち悪い と言っているくらいである。


そして進むこと2時間くらいかな やっと4階への階段の場所に着き4階の入り口で一度休むことにし

さっさと皆で次に進んだ。

4階におりると


「うわぁ 随分古い街並みだねぇ」


ジャグルよりずっといいね とリドリーがいい 皆が笑った。

先にどんどん進んでいくと開けた場所にでた。

リオンが


「ここ!鳥の魔物が出た場所ですよ!」


といい高い天井をあちこち見回しながら言ってきた。

すると 遠くのほうから


「クエェェェェ!!!」


と鳴きながらでかい鳥の魔物ヘルカスコンドルが2羽こちらに飛んできた俺は鉈を折った苦い思い出を思いだした。


「あいつ風を纏うから厄介なんだよなぁ」


と俺が言うとリオンが 今日は遠距離攻撃持ちが居ませんし さらにやっかいですね といってきたので

そうだな どうやって落とすかな と考えていたら


「ここも私にまかせてもらおうかしらっ!」


とライネルさんが言ってきた リドリーが あれだけ高く飛んでいる鳥どうするの? と問うと

まぁ見てなさい と意味深なことをドヤ顔でいってきた。

そして


「はあぁぁぁぁぁっ! 燃えろ我が清き紅い魂よっ!今こそ!!!我が奥義を見せるときぃぃぃ!」


と叫びながらしゃがみ込むとライネルさんの体を澄んだ紅い炎のようなもが包み込み とぅっ!!!

という掛け声で独楽のように回転しながらものすごい速さと勢いで錐揉みしながら上に飛びあがった

そしてヘルカスコンドルと同じ高さにまで到達した


ヘルカスコンドルがあまりの出来事に硬直しライネルさんを茫然とみているようだ


「くらいなさい! 奥義!!スゥーパァー・ウルトラァ!ゴージャス・エレガントファイヤーァァァ!

ナッコゥ!!!!」


「なげぇ!?」


ライネルさんが奥義スキルの名前を若干早口でいい、俺は名前の長さについツッコんでしまった

肝心のスキルはどんなものかというと 空中で普通に正拳突きみたいなパンチを思いっきり速く繰り出しただけだったがパンチを打った直後、拳から最大幅直径3mほどの澄んだ紅い炎のようなものが発せられ

横一列に並んでいたヘルカスコンドルの胸から上を2羽まとめて焼失させた。


俺たちが色々な意味でライネルさんのインパクトにあてられて硬直しているとヘルカスコンドルを瞬殺したライネルさんが シュッタっと新体操女子選手着地ポーズのようなものを取りながら華麗に着地を決め


「ふぅ まだまだ感が戻らないわねぇ 歳かしら?」


いやぁん と言ってきてショック療法なのかあまりの威力に全員我に返る


「ヘルカスコンドルが動きを止めてましたが!?スタン攻撃をいつ!??」


というリオンの問いに 


「いや あれはライのあまりのインパクトに魔物もドン引きしてただけだ」

「ナチュラルスタン!!??」

「失礼ね!!」


リーネさんが魔物がドン引きしたと答え リオンが慄きながら変なスキル名をいいライネルさんがツッコんでいた


「あんな長いスキル名があるなんて知らなかったよ!」

「あれは獣王烈震だよ」

「ちょっとリーネ! 私の奥義スーパーウルトラローリングエレクトニックファイヤーアタックはそんな野蛮な名前じゃないわっ!!」

「さっきと名前ちがうじゃねぇかっ!」


リドリーが素直な気持ちでいったことにたいしリーネさんが冷めた目でため息交じりに本当の名前をいい

ライネルさんがもう気持ち悪くて つい俺がツッコんだ。


「しかし上空に飛び上がる前に体を包んだ光は・・・あれはなんなんですか?」


というリオンの問いにライネルさんが


「あれは 優しい心と獣のような強さを併せ持つスーパーパーフェクトな私だから発することができる

エレガントオーラよ!」

「化け物の顔にケダモノの体の変態オーラの間違いだろ」

「さすが 腐乱の唇フランルージュ・・・・」

「ちょっと!字!」


というライネルさん、リーネさん 俺 ライネルさん というもはや定番になりそうなこの流れのまま

この後もちょこちょこ沸いて出たボーンナイトを倒しながら5階への階段をくだった


5階も先ほどの階と同じ遺跡の階で入り口付近で小休憩をとり各自 携帯食や水分を取っていると


「なぁ? アマガイ あんたここで別部屋にとばされたんだろ?どのへんだい?」


とリーネさんが言ってきたので俺は自分たちでマッピングした地図をみせながら


「このあたりにある壁を触ったら転移陣がでたんですよ」


と説明し他にもいくつかリーネさんの質問に答えた。

あらかた話を聞いたリーネさんが少し考え 考えがまとまったのかライネルさんをみて俺を見ながら


「なぁ アマガイ もう一度 その場所に入る気はないかい?」


という言葉にリオンが真っ青な顔をして


「なっ!? 何をおっしゃってるんですか!!!!?」


と少し怒気をはらんだ声で叫び リドリーが そうだよ!お母さん!!!女神像取りに来ただけじゃん!

とリーネさんを非難ぎみに怒鳴った。

リーネさんはそんなことは無視して真剣な目で俺を見ながら俺の回答をまってる

俺はライネルさんに目線を飛ばすとライネルさんは まかせるわよ と珍しく真剣な目をしながら

一言いってきた 歴戦の冒険者で信頼できる二人が真剣に俺にあの場所に行け といっているように感じる。

だったら俺の答えは


「わかりました 行きます ただその間ライネルさんとリーネさんはリオンとリドリーを守ってくださいね」


と二人に言う リオンとリドリーは なんで!? と俺に向かって言ってくるが俺は リーネさんもライネルさんも信頼できるからだ と真剣に答えた。


「よしっ!よく言った!! それじゃぁ 早速行こうか ライ 二人を頼んだよ?」


とリーネさんがライネルさんに言うと ライネルさんは しかたないわねぇ あまり時間かけないでよ?

と軽い感じで答えた。


「え? リーネさんも行くんですか?」


と俺が答えるとリーネさんが 当り前じゃないか あんたに見せたい事があるのさ と言ってきた。

リドリーは 俺とリーネさんに お母さんまでいくの!? と泣きそうになりながら聞いてきた


リーネさんはリドリーの頭をなでながら 大丈夫だよ 聞いた話じゃ ボーンナイトがたった200体

沸くだけの部屋らしいからすぐ戻ってこれるさ というが、リドリーが顔を蒼くしながら 200体もでしょ!? とさらに叫んだ。


「リドリーちゃん大丈夫よ リーネは私より速くて強いからEランクの魔物200体くらいならスキルを使わないでも10分もかからないわ」


とリドリーの頭をなでながら それにリドリーは冒険者になりたかったんでしょ?それくらいで動揺しちゃだめよ と優しい眼差しでリドリーを諭すように言うと リドリーは わかった と力なくうなずいた。

それを見た俺とリーネさんが頷きあい飛ばされた場所に向かおうとしたとき


「あ・・・あのっ! 私も・・・・私も!連れて行ってください!!!」


とリオンが言ってきたがリーネさんが一言 今のあんたじゃまだ早いよ とばっさり拒否した。

リオンは悔しそうに拳をにぎり俯いていた。

ライネルさんがリオンの背中にそっと手を当て 悔しい?なら強くならなきゃね? と優しく言い

リオンも悔しさで震える声で はい と答えた。

それをみて俺とリーネさんは それじゃ行ってくる と転移陣へと向かった。


二人で転移陣まで向かう道中 ステータスやスキル・属性攻撃などについて軽いレクチャーを受けた。

そして俺は職業のLVが10になったが経験値がたまりさらに侍(EX)となってLVがふたたび2になったことを伝えるとリーネさんが驚いた顔をしこちらを見ながら


「それはエクストラLVだ 極まれに才能あるやつが取れるとは聞いていたが・・・・私が生きてきて今までお目にかかったことがないくらいだ」


まぁそれくらい珍しいのさ と教えてくれた。

その後も魔物を倒しながら話をしつつ先に進む今後EXLVがMAXになったら次は剣士のLVをあげてみることを進められてそうすることにすると伝え 次にチームでいくダンジョンの情報を少しもらいつつ

転移陣の場所についた。


「ここの壁に転移陣があります」


と俺がいい お互い頷き俺が転移陣に触れるとあたりが光りだしたリーネさんもその光の中に入ってきて

まぶしい光に包まれ 目を開けると あの倉庫というか体育館というか出入り口のない部屋へと俺は再び帰ってきた。


リーネさんの話ではこういう部屋の魔物は一度部屋の中の魔物をすべて倒すと倒した人が部屋から出るまで沸いてこない、そして部屋から出てある一定の時間が経過するとまた沸くそうだ。

沸く時間はその部屋によって違うらしい。


「まず 私が倒すところを見ておきな」


と次々沸きでてきたボーンナイトを無視しながら俺のほうをニヤリと見ながらいい

槍を構え俺に


「身体強化にも属性は乗る!そして属性は複数を組み合わせることができる!!」


と はぁっ!! と気合をいれるとリーネさんの体が透明感のある綺麗な紫色に光った

よく見るとパチッ!パチッ!と静電気みたいなものにみえる


「そして私が得意としているのは光属性の火と風の複合! 光の雷さ!!!」


といい俺の眼ではとらえられないほどの速さで消えた。

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