第23話 おっさんと信者2号

ギルドにつくと他のメンバーがいつものテーブルに全員そろっていた。

そして、今後の予定を決めるミーティングをした。


今後の予定として、次はここジャスニアの南のほうに15㎞ほど行った場所にあるもう1つの小ダンジョンの攻略を2週間後に行うということ、それまでに各自ギルドの依頼をこなしたり武器・防具を整えたり等それぞれ準備期間とするということだ。


ちなみに

ライルとニーニャはレオンのプレイヤーと剣士のLVをあげるのを手伝いがてらギルドの依頼をこなすそうだ、俺も誘われたが俺は少しやりたいことがあるので断った。


ブルーノさんは、次のダンジョンの情報をあつめたり、他の街にいるであろう転移してきたプレイヤーの情報をあつめたりするそうだ。


リオンはヨーコさんたちの手伝いをすると言っていた。

一番意外な回答をしたのはリュートでこの2週間職業を僧侶にかえてメイちゃんと一緒に教会でヒールなどをかけて過ごすそうだ。

本人曰く


「きっと剣士LV10、僧侶LV10で俺は聖騎士パラディンになれるはずだ!」


と根拠のないことをいっていたが一応 がんばれ とだけいっておいた。


それぞれ予定を決めて解散し俺は今日はギルドの仕事をせず体を休めることにした。

すこし必要な消耗品を買い宿へともどると


ずいぶん早い帰りだね とリーネさんに言われ 今日1日ゆっくり休むことにしたことを告げると

普通ならダンジョン1つ攻略したら最低3日休むもんだと教えてもらった。

それだけやすむと宿代がなくなりますよ というと 若いうちは馬車馬のように働けと手のひらを返されたので、苦笑いしながら部屋に行くと


「あれ?アマガイさん 早い帰りですね」


とリドリーが俺の部屋のシーツなどを交換しているところだった。

早すぎたかと リドリーにあやまると 気にしないでください と笑顔でいってくれたので礼をいい

部屋に入る・・・・・リドリーが俺の部屋の椅子に座ってこっちをみているので

他の部屋の掃除はいいのかと聞いたら俺の部屋で最後だったそうだ


「アマガイさん、ダンジョンの話をきかせてください!」


夕食の買い出しまで時間があるんでとリドリーがいうので簡単に話し、だいたいのことを話し終えると

リドリーが無言でうつむいたまま動かなくなった。


「リドリー?・・・・どうした?・・・・寝てるのか?」


ガタッ!!!


俺が話しかけるとリドリーは椅子をふっとばしながら急に立ち上がり俺の手を取って


「・・・生きてて・・・・本当によかったですね・・・」


と涙ながらに言ってくれたので俺はリドリーの頭を撫でながら ありがとう と素直に言えた。

思えばこちらに転移させられてから俺は人に対して素直に礼を言えるようになってると思えた。

リドリーは泣き顔がはずかしくなったのか手をパッと離し お母さんの手伝いしなきゃと部屋から走り去っていった。 去り際に 今日の晩御飯は少しですけど豪華にしますね! と笑っていた。


俺はそれを見送るとベッドによこになり あることを考えていた。

そのあることというと・・・・・・


「信者ってどうやってふやすんだろ・・・・」


これである。

せっかく信者の数でステータスがUPするのだから信者を増やすのは今後のためにもいいような気がする

しかし

祀っている教会のようなものもダンジョンの下層に1つあるだけだし・・・・そもそもご利益ってなんだろとか色々疑問点もでてくる。

そして祀っている場所が近場にない以上ほかのもので信仰を集めなきゃならないと考えついた

簡単にいうと

キリ〇ト教の十字架とかそういうものを作って信者になってくれた人に渡せばいいということだ。


俺はさっそく宿の受付に行きリーネさんから紙を数枚とペンをもらってきた。

デザインしよう!


それから何枚かの絵をかいてみたが、アイディアがきまらない そもそも絵自体が壊滅的である・・・・


「んーーー時を表すものってなんだぁ?」


と椅子に座りながら体を伸ばしていると後ろから


「時計じゃないですか?」


という声がかかり びっくして 椅子ごと後ろに倒れた。

大丈夫ですか?! と少し焦った声がしたのでその声のほうを倒れたまま見上げると

そこにはリドリーがいた。・・・・スカートで・・・・・


「大丈夫だ・・・それより・・・リドリー?・・・・あのぉ・・・そのぉ・・・スカート」


というとリドリーは俺と自分のスカートを何度も見て次第に顔を赤く染め


「みないでくださいよ!」


と俺の顔を踏みつけようとしてきたのでなんとか 顔を横にそらしかわしたが踏まれていたらきっと鼻と前歯は大変なことになっていたであろうことがわかる衝撃を床から感じ 焦っておきあがり リドリーに

あやまった。


冷静になったリドリーは 急に話しかけた私も悪かったんで気にしないでくださいっというより忘れて!

と言ってきたので わかったといい 平常心を保つため 椅子を起こし 座りなおした。


リドリーはまだ少し顔が赤かったが ところでアマガイさんなにやってるんですか? と聞いてきたので


「いやな?ダンジョンの下層にいつの時代かわからんほど古い女神像が祀ってあったんだが放置されていてな 誰にも祀られていないのも可哀そうだし、聞けば誰も知らない女神だったんだ ダンジョン攻略の無事を祈って一応無事に帰ってこれたし これもなにかの思し召しかなと思ってな俺が信者になってやろうかなとね?」


だから信者の印みたいなものを考えていたんだというと

リドリーは なんの女神様かわかったんですか? と聞いてきたので調べたら 時をつかさどる女神様だったらしいと俺は答えた。


するとリドリーは少し考えて


「アマガイさんを無事に返してくださったなら!! 私が信者2号になります!!」


とグワッと顔だけ迫ってきたので お? なってくれるのか ありがとう といい 距離を取ると


「はい! 一緒にもりあげていきましょう!! 信者の証のデザインも一緒に考えます!」


と再び顔を近づけて言ってくるので距離を保つため 時計をデザインに入れよう! といい紙にむかってみると リドリーは 絵は得意なんでアマギリさんはアイディアをだしてください! といってきた


二人であれこれ考える どれくらい時間がたったかわからないが体感で3時間ほどだと思う


「「できた!!!」」


二人でデザインした 時の女神の信者の証 のデザインがきまった


円い時計の字盤のようなものの中心に砂時計をあしらったものだ 円を2重構造にして内側をフリーにクルクル動くようにして砂時計が動くようにしようと いう話になった。


それをリドリーが絵に起こした。

そこに


「リドリー そろそろ買い出しにいってきておくれ」


とリーネさんの声がした。


「リドリー 買い物に付き合うから この絵をアクセサリーにしてくれる工房に案内してくれないか?」


という俺の御願いに もちろんです! 一緒にいきましょう! と笑顔でいってくれた


二人で下に降り 俺も買い物につきあうというと リーネさんは ニヤニヤしながら 少しくらい遅れて帰ってきてもいいとからかってきて リドリーが もぅ! お母さん!! と安定のリアクションをかえしつつ俺たちは買い物にでかけた。

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