カゲツナギ

 それからしばらくはコルネットよりも早く眠りにつくようにした。夜遅くに話しているとマフラーを編んでいたときの優しい顔を思い出すから。そんなコルネットはもう見れないのに。


 毎日を少しずつ速めた。少しだけ速めてもだめだった。一秒でさえ長く、辛い時間は長かった。

 日に日に速く時間を流すようになった。いくら手加減してもだめだった。まだ生きたことのない時間までは一瞬で通り過ぎようと思った。

 思ったらすぐに時間は流れた。わたしはたくさん時間を流した疲れで寝込んでしまった。


「おはよう元気?」

 わたしはさっぱり状況がのみこめなかった。分からないままぼろぼろと泣いてしまった。


「あのあと隠れてこれ編んでたんだよね。どれぐらいがいいか分かんなくて長くなりすぎちゃったけど、まぁこれなら二人一緒に巻けるしいいかなって」


「ほらそろそろ行くよ。いつまで泣いてるの」

「……ちょっと変な夢みてただけ」

そう、ちょっとだけ長い悪夢をみてただけ。


ありがとう。こんどこそ大事にするね。




Auf:influence | 2017.02.01 - 04.10

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