スーパーでパートとして働くアラサー女性のお話です。
1年の行事を追うような物語展開で、スーパーのお仕事の裏側を軽妙な語り口で紹介していきます。
そこに、お仕事だけではなく、謎のイケメン新人君とのむず痒い恋やパート仲間のおばさま達との微妙な人間関係、一風変わったお客様たちが彩りを加えます。
まるでポテトサラダのキュウリやトマトのように。
主人公が忙しい毎日の中で抱えるアラサーならではのぼんやりとした不安やささやかな諦念は同世代として共感できました。
本気で焦ったり、失望する程まだ年は取っていないけど、10代や20代前半の時のように「何とかなるよ。やろうと思えば、うち何でもできるし」と言い切れる程若くはない。
夢見る少女じゃいられないけど、希望は捨てたくないし、挑戦はやめたくないとアラサーは揺れる。
本作はその心理描写も巧みだ。
恋に仕事に奮闘するアラサー女性にエールを贈るような爽快感のあるラストに、背中を押された気持ちになりました。
現在投稿されている箇所までのレビューとなります。
(4/14現在)
まずここまでの雰囲気は最高です。
それはお世辞でも何でもなく、非常に綿密なプロットを組み上げられているからこそ出せる遊びと余裕が感じられます。
もしノープランで書かれているのなら、それは天賦の才という事になりますので、それはそれで素晴らしいです。
物語はパートタイマーのアラサー女史が職場で感じた事やお仕事内容を読み手に優しいテンポで伝えてくれていて、とても読みやすく、また構成バランスも秀逸。
そしてお仕事内容を伝えるだけにとどまらず、人間模様や恋愛や心理状態の変化等、たくさんの注目すべきファクターが控えているのも物語の重厚性を増す要因となっています。
現在はまだ、物語の流れで言うと序盤なので、作中で登場する女王様がどのような役割をはたすのか、また〇〇君とはどうなるのか、最終的な職場の雰囲気はどうなるのかなど、読み進めるうちに疑問がたまり、焦らされているような感じになりますが、逆に言えばそれだけ感情移入しやすい優秀な作品と言えます。
更新も早いので、皆様もフォローリストに入れてみてはいかがでしょうか。
現在のおススメ度は文句なく★★★
(完結後に改めて評価とレビューを入れ直しますので、早目のレビューを大目に見て下さい)
ポテトコロッケには、肉は入ってません
知ってる。
安かったからリアルで子どもに買って、本当にジャガイモしか入ってなくて食べてもらえなかったのを思い出しました。
20円の、ジャガイモしか入ってないポテコロがこのあとどんな意味を持つのかしらと楽しみに思いつつ、惣菜コーナーのパートのお話がリアルで面白くて。
こういうパートのおばちゃん、全国にいるよね!なんなら各店舗にいる!
という共感と、それをゆるゆるかわしていく主人公と花月くんを応援したくなります。
幸せが訪れますように。
あとわたしも願わくばちょうどよくカツ丼の値引きの時間に立ち会えますように。
続きを楽しみにしてます!
独身アラサー女子でパートという位置での仕事をしていく人生。
独身の人々の誰もが正社員というわけではない。そんな中で、主人公“黒崎 瞳”はスーパーマーケット『ウィングル』で働いていた。
幼少期、夢いっぱいであった瞳。大人になり、スーパーで務める自分に対し、「こんな冴えない大人になるなんて」と後悔していた。
そんな日々を送る中で、瞳のスーパーでのパート人生に転機が訪れる。誰もが「嘘」が当たり前とするエイプリルフールにまさかの世の中の女子からイケメンと謳われる男子「稲葉 花月」がスーパーで働く新人社員(パート)としてやってきたのだ。嘘のようだが、彼の存在は確かに真実で――。
彼氏いない歴2桁に突入したアラサー女子「黒崎 瞳」×謎多きイケメン男子「稲葉 花月」は仕事を通して心を交わせていく。
瞳ちゃんの可愛らしい自己解釈と、花月くんの意外なる男の姿に夢中になります!
是非アラサー女子だけでなく、恋愛に不器用な女性にも読んで頂きたい作品です! 仕事の背景もリアリティ溢れていますので、ついつい世界観に入ってしまうはず。読んでいて、キュン♡! とすること必須です!
あらすじにあるとおり、スーパーマーケットの惣菜部門でパート店員さんのお話ですが、値引きシールのタイミングとかいろんな人がいるところとかあるあると思いながら読んでました。
読みやすくて感情移入しやすいです。イケメンが入ってきて何してるんだろうと思いつつ。
で、このレビューを書いているのは29話が投稿されている時点です。
調べたんですけど、某サイトではポテトコロッケって作ろうとすると、ちゃんと「肉」が入っていることが多いんですね~
なんで、タイトルにわざわざ「肉は入ってません」って書いてあるのかな~と。
この店ではポテトコロッケが異常に安い。ああ、それでかと…
今までは思ってました。
お願いですから肉を入れてください。
肉ですよ!肉!
スーパーマーケットのお惣菜。料理の腕が残念な私は、たびたびお世話になっています。
お惣菜コーナーを飾るたくさんの品々は、お客さんたちの目に付きにくい場所でつくられています。そこで働く人々も、彼らの日々の頑張りも、喜怒哀楽も、お客さんたちには気づかれない。でも、確かに、その場所にはドラマがあるのです。それも、結構深い。
自分の生活を「冴えない」と思っていたアラサー女子の主人公。そこに、突然イケメンがやってきます。しかし、せっかくのお顔はマスクで隠されています。何しろ総菜部だから。
このなんとももったいないイケメン君は、中身ももったいないほどに控えめです。間違っても主人公をぐいぐい引っ張って、めくるめく激甘の世界を見せてくれたりはしません。ただ、主人公の生活に、小さなインパクトを落としただけ。
色のなかった世界に落ちてきた小さな「石」は、それを感じ取った主人公の心の中で、ゆっくりと波紋を広げていきます。
忘れていた感覚を思い出し、「冴えない」と思っていた自分の頑張ってきた姿を思い出し、自分の周りに溢れていた温かさを思い出し……。
何かが、劇的にではなく、ゆっくりと変わっていきます。
主人公と同じアラサー年代になると、このような経験に心当たりのある方は多いのではないかと思います。
ある日突然やってくる幸せはない。
幸せは、日々の生活の中で、自らゆっくり見つけていくもの。
そのことを知る人は、この作品がなぜ一年間というスパンで描かれているのかという点にもしみじみと感じ入りながら、スーパーマーケットを舞台に咲く温かなドラマを楽しむことになるでしょう。たびたび泣けるお話でした。
舞台は、スーパーのお総菜売り場のバックヤード。
そこでは日々、お総菜の売れ行き管理と個性豊かなパートさんたちによる人間模様が繰り広げられているのだった。
と、そこへ投入された一人のイケメン。
彼と主人公である瞳ちゃんの関係は、どうなっていくのか!
まるで自分もお惣菜売り場でパートしながら、彼らの関係をやきもきしているおばちゃんの気分で楽しめます。
更新分の2月一話目まで読みましたが、いよいよ二人の関係が急展開しそうで、先が気になって仕方ありません。
コロッケ揚げながらも二人の挙動が気になって、おもわず焦げさせちゃいそうです。
そして、これを読んでて、値引きシールを張るタイミングの難しさ……ひしひしと実感しました。
さらに。ウナギに、アジフライに、寿司に、コロッケに……この作品を読むと、スーパーのお惣菜売り場に直行したくなること間違いなしです。さぁ、お総菜売り場にレッツゴー。
スーパーのお惣菜部門で働くアラサー女子・黒崎瞳と、そこへ突然パートとして入ってきたイケメン男子・稲葉花月を中心とした、日常系コメディ物語。
口うるさいワガママなお局さん、無茶な注文を言ってくる客、そして頭を悩ます値引きのタイミング……そんなお惣菜店員のあるある話に、イケメン同僚が絡んで恋愛話を盛り込んでいるあたり、ただ仕事で苦労するだけの話で終わらせていません。
主人公の黒崎さんは自分に自信が持てない性格ですが、それゆえに稲葉君との絶妙な距離感が読んでいて楽しかったです。
とは言え、基本はお仕事モノ。今作を読み終えた後、きっと誰もが「お惣菜コーナーの店員さんに優しくしよう」と思うことでしょう。
少なくとも値引きシールが貼られなくて「なんでこれは安くならないんだよ!?」と文句をつけたり、「お寿司の卵ネタを鮪に変えろ!」とか無茶を言う人はいないはず。
こういう作品がどんどん増えて、お客も店員さんに優しく接するのが当たり前の時代が来たらいいなと、店頭で働くこともある身としては願わずにはいられません。
冴えないアラサー女子の瞳の働くスーパーに、ある日イケメン花月が入ってきて......スーパーのお惣菜コーナーで繰り広げられる人間ドラマ。
そこには様々なお客様や同僚がいて、四季折々の売り場の風景なんかも面白い。派手な展開はないものの、日常劇で魅せることのできる作品。
細かく章分けされていてそれぞれで完結しているので非常に読みやすいです。毎日少しづつ読み進めてもいいかも。
お互いの過去を知ったりなんかして、段々と仲良くなっていく、二人の会話がとてもいいです。彼がいると、なんとなく楽しい、嬉しい、そんな些細な日常の幸せを、ひしひしと感じます。
そしてコロッケじいさん......読めばわかります。このタイトルのわけも。かなりジーンときてしまいました。肉が入ってなくてもいいじゃないか!それを必要とする人もいるんだよ!
ありふれた感じの総菜屋を舞台にした恋愛劇。舞台設定も配役もよくありそうに見えるけれど、ふとした一言、ふとしたやりとりがリアルで面白かったです。
読む前は、このタイトルでチャレンジするなんて勇気あるなあ、と思っていました。なにしろポテトコロッケはよくある食べ物なので、その小道具に変化をつけるのは難しいんじゃないかと思っていたからです。ですが、この作品ではその舞台に加えて四季の移り変わりという組み合わせがあって、そこがすごくよく書けていました。こういう人たちはこういう四季を感じているんだなあ、と。季節が進むたびに少しずつイケメン君の正体が明らかになっていくのがいいです。あとフラグを叩き折る手が徐々に鈍っていく主人公もかわいい。
面白かっただけじゃなく、どこにでもある舞台を選んでいても、どこにもない物語は書けるんだぞ、という作者のメッセージを感じました。かわいくてかっこいい話だなーと思います。
惣菜売り場で巻き起こる恋愛譚。アラサーヒロイン瞳さんとイケメン稲葉君の組み合わせや如何に。
「くうう……気付け! 気付けよ!」と思うほどのじれったい展開から砂糖爆弾が破裂します。この辺りの構成は作者様の非常に得意とするところ。
でも、決して甘いだけではなく。
そこには、アラサーになって色々諦めてしまっている女性の等身大が描かれています。
鈍感だから気付かないわけじゃない。自分のステータス・身の丈を知っているから、変に期待しない。
そんな彼女が、もう一度自分に正直になろうとする姿に、エールを送らざるを得ませんでした。
最後のシーンも秀逸です。なぜこんな不思議なタイトルなのか、どうぞ最後までお楽しみ下さい。
スーパーの惣菜コーナー。買う側からすれば、作る手間ひまもいらずに手軽に揚げ物、サラダ、お寿司が(時間次第では値引きされて)安く手に入る、まさに庶民の味方。
でもその裏側、バックヤードの業務形態、人間関係は――――
なんとなく、でもはっきりと決められてしまう上下関係。
圧の強い人間に対して、気が弱い相手は内面では面白くなくても、場の趨勢に従ってしまう。
この作品のヒロインも、そんなごく普通のアラサーの女性店員。
できる限り波風を立てず、職務を全うして日々を送っていました。
そんな中、新しく入ってきた男性パート店員は――――
舞台がスーパーの中ということもあり、派手派手しいイベントではなく、時節に沿った総菜を作っては店内に並べ、閉店時間間際に値引きシールを貼って、完売、あるいはロスが出ないようにする。
そんな中で、ゆっくりと、でも確実に変化していく関係を追っていくのがよいです。
最終話、タイトルに対して一つの回答が示されます。
昔から一家団欒の象徴のような食べ物のコロッケ。日常のほっこりを味わいたい方、どうぞ。
個人的には、たっぷりのマヨネーズと和辛子で、ビールと……(-_-).。o○0〇
よっしゃあああ!!! 全話読了しました!
季節と共に移ろう二人の関係性。変わるものと変わらないもの。
非日常と日常の境界線なんてものは存在せず、どちらもごちゃ混ぜになっている感覚がとても新鮮でした。
それはひとえに、スーパーの惣菜コーナーという、普段自分たちが「外からは」良く見知った場所での出来事であることが良かったのかと思います。
そこがどんば場所でも、そこにいる人達には特別な場所で、そこには日々ドラマが生まれている。決して特殊な仕事ではないことが、より人間同士の関係性の変化を浮き上がらせる要素になっていたと思います。
みんな大好きなスーパーのお惣菜コーナーで繰り広げられる、イケメンつきほっこり一年人間ドラマ。
遅番制度や値引きなど、廃棄品を最小限にしつつ利益を確保するため、売り手側に与えられるプレッシャーの重いこと…!
正社員と変わらない判断力を求められるなか、主人公のパートタイマー瞳さんのさばさばな性格と責任感がとても頼もしかったです。
ちょっと行きすぎているような毒舌も、殺伐とした環境に身をおいているせいなのか…。イケメンこと稲葉さんの暗黒面では笑わせていただきました。
タイトルの意味がじんわり味わえる最後まで、ぜひともご賞味ください。