第8話「コロニーに鳴く虫の音:前編」
【1】
「間もなく、当シャトルはコロニー『アトラント』へと到着します。お降りの際はお忘れ物の無いようご注意ください」
透き通った機械音声の車内アナウンスを聞きながら、裕太たちは窓の外に見えるコロニーに目を向けた。
現在裕太たちがいるのは、軌道エレベーターの終着駅であるジオポートで乗り換えた、コロニー行きの宇宙シャトルの中。
軌道エレベーター完成前は宇宙に行く際、地上からロケットのついた宇宙船に乗って、重力と大気圏を突破する必要があった。
だが、軌道エレベーターがあれば、それを使って人や荷物を宇宙まで一旦上げ、そこから宇宙船に載せ替えることで大幅なコスト削減を実現できる。
「ふむ、スペースコロニーや宇宙船といった、人類の叡智の結晶は何度見ても心躍るものだ。なぁ、裕太?」
口ではそう言いながらも冷静な態度の進次郎からそう尋ねられた祐太は「別に」とそっけない返事をした。
別にこれといって、祐太は不機嫌なわけではない。
ただ、今現在裕太には一つの懸念点があり、そのせいで頭を痛めていたのだ。
『裕太、私の場所からは何も見えないぞ! どうなっている!』
懸念点が携帯電話経由で口うるさく喚くのを聞いて、裕太は大きくため息を吐いた。
日頃、警察の人たちに後片付けを一任していたので忘れがちになっていたがジェイカイザーのワープは一方通行である。
つまり、普段本体を格納している研究所からの行きはワープであるが、その後に研究所に戻すのは自力でやらなくてはならない。
ジェイカイザーだけ軌道エレベーターで地上に送り返すわけにも行かなかったので、エレベーターガードの面々のご厚意にあやかり、シャトルに括り付ける形でジェイカイザーを移送している……のだが。
「だから進次郎が言ってただろ。そこから外を見ても面白くないって」
『しかし、ネットで見た話だと宇宙を泳ぐ水着のお姉さんが見られることがあると……。もういいから電話の中に戻してくれ』
「何のオカルトサイトを見て影響されたか知らないけど、そっから俺の座ってる席は通信圏外だ」
『じゃあ、裕太が私の方へ近づいてくれないか?』
「もうすぐ到着するのに立てないってことくらい、常識でものを考えればわかるだろうが。ったく、これだからこのポンコツロボは……」
『裕太! 今、私をポンコツと言ったか!』
「あー言ったとも言ったとも。人の話もロクに聞かずに妙ちくりんな噂を真に受けて虚空を見つめるお前はポンコツ以外の何だって言うんだ?」
『むぐぐぐっ…!! 言ったな裕太! 私に二度と乗せてやらんぞ!』
「うるせー! 言う事聞かないのならまた例の動画連続再生の刑だぞ」
『ぐはあっ! そ、それだけは勘弁をしてくれ!!』
今回の喧嘩は、旅館の一件を使った裕太の勝利に終わった。
携帯電話越しに声を震わせるジェイカイザーに対し、ドヤ顔で勝利の余韻に浸る裕太。
その様子を横目で見ていたエリィが、呆れ顔で裕太の顔を覗き込む。
「ふたりとも、よくそんなくだらないことで喧嘩できるわねぇ」
「銀川、頼むから俺とジェイカイザーを一括りにしないでくれ」
「あらぁ? でもふたりって似た者同士じゃない?」
「どこが?」
「ウフフ、自分で考えてみたら?」
クスクスと笑うエリィの隣で首を傾げる裕太。
そうこうしている内に発着場にシャトルが停まったのか、一瞬だけ緩やかに車体全体が揺れ、同時に窓の外に見える無機質な壁も動かなくなった。
外へと通じる扉が開く音と共に、視界内にいる人達が一斉にシートベルトを外し、シャトルを降りる準備を始める。
裕太たちも同じくシートベルトを外し、締め付けから解放された身体をうーんと伸ばした後、座席の上に入れた荷物に各々手を伸ばして降ろし、自分の腕で抱える。
最後の番になったサツキが、小さな体をぴょんぴょんとさせて必死にカバンを取ろうとしていた。
見かねた進次郎がサツキのカバンに手を伸ばしながら彼女に疑問を投げかける。
「サツキちゃん、シャトル乗る時はどうやってカバンを入れたの? というかカバンなんてもってたっけ?」
「持ってませんでしたよ、進次郎さん。でも、あのボールをそのまま荷台に入れるのもどうかと思いましてカバンを作ったんです! ちなみに入れる時はこっそり胴体を伸ばして入れてました!」
さらっと怖いことを言うサツキに苦笑いを送りながら、裕太はサツキの言うボールについて思い返していた。
軌道エレベーターから落ちたヨハンを助ける間に、どこかでジェイカイザーが引っ掛けたらしい、白いバレーボールくらいの大きさの球体。
一見すると純白の真珠のようなボールではあるのだが、宇宙を漂っていたものなのでなんとも得体が知れない。
まあ、その球体を抱えているサツキが幸せそうなので裕太たちはあえて何も言わずに放置している。
【2】
「やあ笠本。この……ジェイカイザーだっけ? これはここに置いていて大丈夫かい?」
シャトルから降りた裕太に、エレベーターガードの宇宙服に身を包んだヨハンが〈ザンク〉に抱えられたジェイカイザーを親指で指差しながら問いかけた。
祐太は灰色の無機質な壁に囲まれた発着場を見渡し、民間のものと見られるキャリーフレームが数機置いてあるのを確認し、ヨハンに尋ね返す。
「なあヨハン、ここ以外に置いておく場所ってあるのか? 駐車場みたいなの」
「あると言えばあるが、全部有料だな。一日あたり日本円にして5000円くらいの利用料だが」
「却下だな。ここに適当に転がしておいてくれ」
『おい』
ジェイカイザーの抗議も虚しく、音を立てて無造作に置かれる本体。
裕太としては頑丈なので多少手荒でも大丈夫と踏んだのだが、ジェイカイザーは扱いが悪いことが気に食わないらしく、携帯電話の中から声にならない声を出している。
「笠元、そのうるさいAIはなんとからならないのかい?」
「ならないから困っているんだよ。そういやヨハン、お前は軌道エレベーターに戻るのか?」
裕太が素直な疑問をぶつけると、ヨハンは指を横にチッチと振りつつ、小馬鹿にしたような偉そうな表情で裕太を睨んだ。
「笠元ぉ~~、僕らは日本のサラリーソルジャーと違って24時間戦えるような生き物じゃあないんだぞ。午前勤務が終わったから今日はこのコロニーでのんびりプライベートタイムさ。それより君は、クラスメイト達がすでに行っちゃったようだがいいのかい?」
「ん? ああ、問題ない。俺たちゃバスには乗らないからな」
首を傾げるヨハンに余裕の表情で返す裕太。
本来であればこの発着場からバスに乗って宿泊先のホテルへと向かう。
しかし、コロニーのバスというのがこれまた、環境に配慮した特殊な車両故に利用料金が結構高く付く。
そこで、希望者はバスを使わずレンタルの2脚バイクを使うことで費用を節約できるようになっている。
「笠元くーん、バイク持ってきたわよぉ!」
笑顔でそう言いながら、2脚バイクに乗ったエリィが裕太のもとへと到着した。
その後ろからは、2脚バイクの後部座席にサツキを乗せた進次郎もやってくる。
「裕太、さっさと行こうぜ」
「そうだな。じゃあヨハン、またな」
「ああ」
ヨハンに軽く別れを告げた祐太は、エリィの乗る2脚バイクの後部座席に跨り、そのまま発着場を後にした。
「はぁー。やっと1組が終わったんか」
祐太たちを見送ったヨハンの背後から聞こえてくる関西弁。
その声に振り向くと目の細い少女、内宮がげんこつで肩をトントンと叩きながら気だるそうにシャトルから降りてきていた。
彼女のあとに続くように、先程バスに乗っていった生徒たちと同じくらいの人数がドヤドヤと騒がしくシャトルの中から溢れ出る。
ヨハンの姿に気づいた内宮は、ニヤッと笑みを浮かべ。
「あんさん、確かヨハン言うとったっけ。レンタルバイクはどこや?」
【3】
「こ、これがスペースコロニーの中なのか……!」
エリィの運転する2脚バイクに乗って発着場を出た祐太は、目の前に広がる景色に思わず感嘆の声を漏らした。
円筒形の内側に建物が張り付くように並び立ち、見上げれば空ではなく真っ逆さまの街並みが見える異様な光景。
ところどころ縞模様のように設けられている採光用のガラス帯の外には時間帯に似つかわしくない真っ黒な宇宙空間が映し出されている。
『な、なんだか見ていて不安になる情景だな……』
「そうか? 俺はすごくワクワクしているんだが」
「ふふっ、笠本くんったら子供みたいにはしゃいじゃって」
「天才として忠告するが、今の裕太はすごく田舎者丸出しだからかなり恥ずかしいぞ」
「うぐっ」
進次郎に指摘され、口をつぐんで膝を曲げて姿勢を下げる裕太。
カッコつけたがりと、世間体を気にする裕太にとって田舎者丸出しというのは相当堪える称号である。
黙り込んだ裕太を見てかエリィとサツキがクスクスと笑っていると、進行方向の信号が赤になったので2脚バイクの足を停止させた。
そうして信号待ちをしている間に、後方から別の2脚バイクの歩行音が聞こえてき、その足音の主はやがて裕太たちの隣で停まった。
「やあ、また会ったな笠本」
「ヨハン、お前何しに……って何でお前、内宮を運んでんだ?」
「笠本はん、なんでうちを荷物みたいに言うんや失礼やな」
ヨハンが運転している2脚バイクの後部座席に何故か跨っている内宮が、眉間にしわを寄せながら不満を主張する。
「そうか内宮、お前も財テクか」
「財テク言うなや笠本はん。まあ節約っつーたら節約やけどな。いやー助かったわ暇こいとる運転手がおって」
「僕は運転手じゃないんだが……トホホ」
肩を落とすヨハンとケラケラ笑う内宮を見比べ、何があったかは読み取れなかったが、なんとなくヨハンのナンパ癖が悪い方向に発動したのだと言うことはなんとなく察することができた。
信号が青になり、3台の2脚バイクが一斉に足を動かし始める。
「おふたりは、仲良しさんになったんですか?」
不意にヨハンと内宮に向けてサツキがそう言ったので、二人が同時に首を横に振った。
「誰が。男を足代わりにするような細目女は御免被りたいね」
「その細目女の誘いにホイホイ乗った男が偉そうに言うもんやないで」
「なにおー!」
「おう、やるなら相手になったるで!」
走りながらギャースカと喧嘩を始める2人。
裕太はある意味お似合いだなと思いつつ呆れていたが、喧嘩の原因となったサツキは嬉しそうに笑っていた。
おそらく、あれも人間の愛の形だなんだと勘違いしているのだろうきっと
彼らを横目で裕太が見ていると、エリィが肘でちょんちょんと裕太の身体を小突き、遠くの方を指差した。
「見て裕太、あそこに〈ウィング〉が立ってるわ」
裕太が指さされた方向に目を向けると、1機のキャリーフレームが銃を片手に辺りを警戒するような動きをしながら道端に立っているのが見えた。
あたりを見回すと他にも数機、同様に警戒している〈ウィング〉が目につく。
「何でこんなところにキャリーフレームが?」
「ありゃあコロニーアーミィのものだよ。心配することはない」
「コロニーアーミィ?」
ヨハンの口から出た聞き慣れない言葉に裕太が首を傾げていると、進次郎が「そんなことも知らないのか」と呆れた表情をしながら言った。
「裕太。コロニーアーミィっていうのはな、コロニーを守る軍隊みたいなものだ。といっても公的組織ではなく半分民間だが」
「ほう、そっちの眼鏡のお友達は中々物知りなようだな。軌道エレベーターに流れ弾が飛んできた事件を受けて、宇宙海賊とかを警戒してるんだよ」
進次郎とヨハンの連携説明を聞いて、なるほどと裕太は納得した。
「〈ウィング〉は七菱製の可変キャリーフレームで、飛行機形態へと変形ができてぇ……」
「銀川、それの説明は今聞いてない」
「何よぉ、ちょっとくらい聞いてくれてもいいんじゃないのぉ?」
「あとでいくらでも聞いてやるから運転に集中してくれよ」
「んもぅ……」
裕太は頬を膨らませるエリィをなだめるように、彼女の肩をポンポンと叩いた。
【4】
「それじゃ、僕は行くよ。自由だぁぁぁぁぁ!」
奇声を発しながら2脚バイクで彼方へと走り去るヨハンを見送り、裕太たち一行は宿泊するホテルの自動ドアをくぐる。
そしてフロントに向かい、代表して受付の女性に学校名を告げてチェックインを行う裕太。
「──で、カードキーを2枚渡されたわけだが」
エリィ達が待っていたロビー脇の休憩スペースに戻った裕太は、テーブルの上にカードキーを置いて腕組みをする。
椅子に座っている進次郎が熱心に修学旅行のしおりをペラペラとめくっている横で、サツキが元気よく手を上げた。
「わかりました! ひとつは私と進次郎さんのお部屋で、もう一つは裕太さんとエリィさんと内宮さんのお部屋ですね!」
「ちょ待てや! なんでうちがこのふたりと一緒せなあかんねん!」
「じゃあ私達といっしょですね! よろしくお願いします!」
「ボケが! うちの部屋は既に相方が入っとるからええんやっちゅうねん!」
サツキの天然ボケにツッコミの忙しい内宮が頭を抱えながらうなだれていると、進次郎がしおりをテーブルに広げ、一角を指差した。
「見ろ裕太。男子が3階の部屋で、女子が4階の部屋だ。つまりこっちの鍵が僕と裕太で、こっちが銀川さんとサツキちゃんの部屋だということだ」
「ああ、そりゃあそうよねぇ。学校行事で若い男と女が一緒の部屋に入るのはダメよねぇ。うふふ、笠本くん、残念だったわね!」
ニコニコした顔でエリィがそう言うので、裕太は顔を赤くして必死に首を横に振った。
「ち、違うからな! んなことぜんっぜん思ってねえからな!」
「あらぁ、笠本くん。そんなに否定しなくてもいいじゃない? あたし、傷ついちゃうわよぉ?」
「だからだな銀川、そういうことじゃなくって……あーもうっ! ほら進次郎、さっさと俺たちの部屋行くぞ!」
「わっかりやすい奴だなぁお前。っておい! 待てよ裕太!」
エリィたちを置いたまま自分の荷物を抱えてドカドカと足音を立てながら階段を駆け上がる裕太と、それを追う進次郎。
そのまま廊下を進み、鍵についたプレートに刻まれた番号の書いてある扉の前で立ち止まり、カードキーで扉を開けて部屋へとなだれ込むように飛び込んだ。
体格に見合わない広いベッドの上に荷物を投げ捨て、枕に顔を埋める裕太。
「そんなに恥ずかしいか、お・の・ぼ・り・さ・ん!」
「おのぼりおのぼり言うんじゃねぇ進次郎! ちくしょーー!」
枕に叫び声をぶつけながら靴を脱いだ足をジタバタさせる裕太。
コロニーに入った時の行動と先程の勘違いが覆いかぶさって、まるで子供の頃の妄想ノートを見られたかのような気恥ずかしさに包まれ悶ていた。
『進次郎どの! 例のリストが完成したぞ!』
「よしよし、この天才の僕が確認してやろう。裕太、携帯借りるぞ」
進次郎はそう言って、いつの間にかポケットの中からベッドの上に出ていた裕太の携帯電話を引っ掴み、部屋の隅のテーブルでジェイカイザーとなにやら算段を始めた。
祐太はこれ以上みっともない格好をして、恥の上塗りをするのも嫌になり、ベッドから飛び起きて荷物から着替えを出す。
今の今まで忘れていたが、シャトルを降りてからこのホテルに来るまでの間、一度も着替えは挟んでいない。
つまり、進次郎やエリィ達も含め、未だに宇宙服姿であるのだが、コロニーの中で宇宙服姿なのは別に不自然なことではない。
とはいえ、着慣れない宇宙服のままでいる理由も特に無いので、裕太はベッドに座ったまま手際よく私服に着替えていく。
着替えを終えた裕太は、進次郎とジェイカイザーを置いて廊下に出て真正面の窓から顔を出し、外の空気を大きく吸って深呼吸をした。
夕暮れの時間ということなのだろうか、辺りは夕日のようなオレンジ色の光に照らされ、徐々に薄暗くなりつつあった。
(こっから見える地面の裏側が、すぐ宇宙なんだよな……)
視線を下げ、定規で線を引いたように四角く区切られた緑地を見下ろしながら、鳥の鳴き声を聞きつつ頬杖をついて授業で聞いたコロニーの構造を思い出す。
スペースコロニー、それは人類が宇宙空間で生活するために作られた超巨大建造物である。
裕太たちがいるスペースコロニー『アトラント』は、回転による遠心力と人呼応重力によって擬似重力を生み出す、標準的な円筒形状のコロニーである。
他にも球状のスペースコロニーや、惑星表面に埋め込むドーム状のコロニーなど、スペースコロニーには様々な形態がある。
しかし、その全てに共通しているのは内部に地球の環境を忠実に再現していることだ。
すなわち、地球と同じ空気・重力・水・植物・動物を内部に詰め込み、循環させることで人間の住む生活空間を宇宙空間に用意しているらしい。
過去には戦争や事故などでコロニーが崩壊する不幸な事件も多発したようだが、数々の失敗を乗り越えた現在はそのようなことは絶対に起こらなくなったと、軽部先生が授業中に力説していたなと裕太は思い出していた。
「笠本くん、大変! 大変よぉ!」
「わーっとっとっと!?」
ぼーっとしていた裕太は、突然廊下の向こうから聞こえてきたエリィの声に驚き、頬杖がずり落ちた反動で一瞬窓の外に落ちそうになった。
慌てて体重を後ろに下げ、そのまま尻もちを着いて呼吸を整える裕太の顔を、エリィが覗き込むようにかがんで叫ぶ。
「何やってるの!? じゃなくて、金海さんが大変なのよ!」
「お、落ち着け銀川! 何が起こったんだ?」
「えっとえっと! とにかく金海さんが大変なのよぉ!」
「何! サツキちゃんが一大事だと!? うぉぉぉ今行くぞぉぉ!」
サツキの一大事を察したのか話が聞こえたのか定かではないが、進次郎が部屋の中から血相を変えて飛び出して、そのまま階段の方へと走り去っていった。
裕太もエリィの手を借りて立ち上がり、すぐさま進次郎の後を追った。
【5】
「よし、この部屋だな! 大丈夫かサツキちゃ……ぐわーっ!?」
「し、進次郎!?」
サツキのいる部屋の扉を開けた途端、人の頭ほどの大きさの何かが部屋の中から飛び出し、そのまま進次郎の顔面を覆うようにへばりついた。
よく見るとそれは、太い6本の足を持った、全身が緑色のテントウムシにも見える巨大な虫のような生物だった。
「岸辺くん!?」
「だ、大丈夫か!?」
目の前で起こる、パニック映画だったら死亡確定な光景に取り乱すエリィ。
裕太が進次郎の顔にへばりついた巨大な虫を引き剥がそうとすると、部屋の中からサツキの叫び声が響いてきた。
「こらっ、ツクダニ! その人を離してあげなさい!」
「ギュミミッ」
サツキのまるで子供を叱るような声に、ツクダニと呼ばれた虫は返事をするような鳴き声を上げて進次郎の顔から剥がれ落ちた。
そのまま薄い半透明の
状況が理解できない裕太たちは、目を丸くして部屋の中を覗き込む。
すると、そこには先程の巨大な虫を手で撫でて可愛がるサツキと、その傍らには上半分が割れたように欠けた例の白いボールがあった。
「おい銀川、何があったんだ?」
「えっと……あたしはあのボールから出てきた虫がサツキちゃんを襲っているのを見て……」
「さ、サツキちゃん。その虫は一体何なんだい……?」
虫に掴まれて跡が付いた頬を擦りながら進次郎が恐る恐る聞くと、サツキは虫を頭の上に乗せてニッコリとした表情で説明を始めた。
「裕太さんから頂いたあの白いボール、このツクダニの卵だったんです!」
「ツクダニ?」
「あ、ツクダニっていうのはこの子の名前でして、ほら、虫に関連する言葉でそういうのあるじゃないですか!」
無邪気な笑顔を向けるサツキに、その言葉は料理を示す言葉だと言うのを躊躇う裕太たち。
苦笑いをする彼らを気にすること無く、サツキは説明を続ける。
「この子、母親からはぐれてしまったみたいなんです! 私のことを母親と思っているのかもしれないですが、ほら、私の頭の上がお気に入りみたいです!」
「もしかしてサツキちゃん……そいつを飼いたいとか言うんじゃないよな?」
「……ダメ、ですか?」
瞳をウルウルとさせながら進次郎に詰め寄るサツキに、流石にノーとは言えなかったのか、進次郎は小さな声で「わかったよ」と言った。
その判断に、真っ先に反論を上げたのはエリィだった。
「嫌! 嫌よ嫌よぉ! ぜっったいに嫌ぁ!」
「酷いですエリィさん! そんなに嫌がらなくてもいいじゃないですか!」
「あ・の・ね! 今夜はあたし、この部屋で寝るのよ! 虫と一緒の部屋なんて嫌ぁ!」
髪を振り乱して拒否を主張するエリィの気持ちを、裕太はわからなくもなかった。
なにせ、B級パニック映画に出てきてもおかしくないような巨大昆虫だ。
サツキに懐いているといっても、何をしでかすかわかったものではない。
そんな場所で枕を高くして寝ろというのも無理な話だろう。
双方の主張を聞いて、腕組みして考える進次郎。
「うーむ……。じゃあ、僕がこの部屋を使おうか」
数秒の思考から導き出されたであろう結論。
それはつまり、代わりにエリィが裕太と一緒の部屋を使うわけでもある。
「だめよ岸辺くん! うら若き男女が一つの部屋でふたりきりなんてぇ! みんなで寝静まった後お風呂で火照ったあたしの無防備な肉体に…あぁんダメよぉ!笠本くんっ」
「するわけねぇだろ! ……とはいえ、仮にも学校の修学旅行でそれはどうなのかな」
「こっそり入れ替わってればバレやしないって。先生の見回りだって布団めくってまで確認はしないだろう」
「まあそりゃそうだろうけど……進次郎は大丈夫なのか? 金海さんと一緒で」
「それはお前が一番知ってるだろう裕太。なぜならお互い──」
「──ドのつくヘタレだもんな……」
【6】
「んじゃあ、そろそろ……いただきます!」
「「「「いただきます!」」」」
軽部先生の音頭に合わせて食堂に集まったクラスメイト達が一斉に手を合わせると、各々自分の皿に盛った料理を食べ始めた。
今夜の夕食はホテルの食堂で行われるバイキング形式の食事である。
進次郎が自分の器に入れたサラダを口に運び舌鼓を打っているのを見て、その正面に座っている裕太は呆れ顔をした。
「せっかくご馳走が目の前にあるのに、野菜から先に食うのか」
「フ……甘いな裕太。先に野菜を食べることにより食物繊維がうまい具合に働いてだな」
「ふーんへーえそーなんだー」
「まともに聞く気がないな貴様。それより聞いたぞ、お前の父親がこのコロニーにいるんだってな」
急に投げかけられた事実に、裕太は食器を動かす手を止めた。
「……どこでそれを聞いた?」
「ジェイカイザーから。新作のギャルゲーを餌にしたらペラペラと喋ってくれたよ」
「あのヤロォ……!」
裕太は拳を震わせながら、今この場にいない相棒に対して怒りを抱く。
ちなみにそのジェイカイザーはというと、うっかり携帯電話を部屋に置いてきたのでこの場にはいない。
裕太の父、
別に裕太と父親の関係は悪くないのであるが、学校行事で行った先で親に会うというのは気恥ずかしいので、裕太はあまり考えないようにしていた。
わざわざ考えないようにしていたことをぶり返した進次郎に、裕太は軽く仕返しとばかりに話を切り出した。
「そういや進次郎。俺はお前の家族構成について知らないんだよなあ。なあ、少しくらい教えてくれたっていいだろう」
「却下だ」
「なんでだよ」
「お前に言いたくない事情があるからだ」
「水臭いな、親友だろ?」
「親友だからこそだ」
このままでは埒が明かないと考え、裕太は食事を再開する。
思えば裕太は進次郎の家を一度も訪れたことはなかった。
家で遊ぶ時はいつも裕太の家であったし、進次郎の周辺については未だにわからない部分が多い。
進次郎の妙な言い回しも気になるが、隣りに座っていたエリィが裕太の皿に料理を移してきたので、考えるどころではなくなった。
「おい銀川、食べないのか?」
「ううん、おすそ分け。このハンバーグすごく美味しかったからぁ」
「お、おう……ありがと」
「うふふ! あら? 金海さん何やってるのぉ?」
エリィの視線の先を裕太が追うと、サツキがナプキンの上にパンやサラダの菜っ葉を乗せて、くるくると巻くように包んでいた。
「サツキちゃん、もしかしてそれあの虫に?」
「虫じゃありません、ツクダニです! あの子が何を食べるかはわかりませんが、お腹が空いてはヨサクもできないといいますし!」
「それもしかして、
「そうです! それです進次郎さん! でイクサってなんですっけ?」
「おいおい……」
微笑ましい2人のやりとりを裕太が乾いた笑いを浮かべながら呆れ顔で眺めていると、隣に座っていたエリィが「よいしょ」と声を出しながら立ち上がった。
「どうした、銀川?」
「ううん、ドリンクバーに行くだけ」
「じゃあ俺も一緒に」
エリィについて行き、空のコップ片手にドリンクバーに向かう。
色とりどりの料理が並ぶ、白い長テーブルの横を通り過ぎ、壁際に配置された目的地に到着した。
ドリンクバー、といってもファミリーレストランなんかにあるようなジューサーバーを並べただけのものとは違う。
氷がいっぱいに入った金属のバケツに高級ブランドのジュースビンが入っており、そのビンを取り出して各々のグラスに注ぎ分ける形式となっている。
エリィはその中からリンゴジュースのビンを取り出し、トクトクと音を立てながら自分のコップに注ぎ入れた。
裕太もバケツの中から飲みたいジュースのビンを取ろうとすると、横からすっと手が伸びてきて裕太より先にそのビンを取り上げた。
「もろたで、笠本はん」
「あっ……なんだ内宮か」
「なんだはないやろなんだは……あ、そうや。笠本はん、明日の自由時間にキャリーフレーム博物館行くんか?」
「キャリーフレーム博物館?」
聞き慣れない言葉に思わず聞き返す裕太。
キャリーフレームと聞いて後ろのエリィが目をキラキラさせながら裕太を押しのけるようにして内宮に食いついた。
「博物館! キャリーフレームの博物館があるのぉ!?」
「せ、せやで。ほれ、このコロニーてキャリーフレーム製造を中心とした工業コロニーやないか。それでキャリーフレーム生誕何十周年かのときに記念碑的なものとして博物館が作られたらしいで」
「わぁ! ねぇねぇ笠本くん、絶対に行きましょう! ねえ!」
「わ、わかったから服を掴むな銀川!」
上機嫌なエリィに掴まれた服を正し、裕太は内宮が注ぎ終わったビンを手にとって自分のグラスに注いだ。
「……ってことは、内宮も明日行くのか?」
「せやせや。うちかてキャリーフレーム部のエース張っとる身やからな。あとな、明日は博物館の周りで小さなお祭りもあるらしいんや」
「あたし、祭りはいいかなぁ」
「ほなら笠本はん。うちと一緒にお祭り屋台を巡らへんか?」
「え、俺?」
突然の内宮の誘いに驚き固まる裕太。
その隣でキョトンとしているエリィの顔と裕太の顔を交互に見て、内宮はプッと軽く吹き出し、ただでさえ細い目をさらに細めるようにして笑った。
「ジョークやジョーク! ほな、またな笠本はん、銀川はん」
「お、おう……」
去っていく内宮を呆気にとられたまま見送り、エリィと裕太は無言のまま自分の席へと戻った。
「遅かったな裕太」
「ああ、ドリンクバーに内宮がいてな」
「内宮って、あのキャリーフレーム部の関西弁女子?」
「それそれ。キャリーフレーム博物館とその近くの祭りに行くとかで」
「誘われたのか、憎いやつだねえこのこの」
「うるせー。それより、金海さんのそれ、何?」
裕太は、サツキの前に置かれている無数の包みを指差した。
確か席を立つ前はひとつしかなかったはずなのだが。
「ツクダニ、どれくらい食べるかわからないのでたくさん持って帰るんです!」
「明らかに多すぎると思うんだけどなあ……」
【7】
「はーい、召し上がれ!」
サツキが、持って帰った大量の包みから取り出した食べ物をツクダニに差し出した。
するとツクダニはパンに口を近づけ、なんとも言えない音を出しながらかじり初めた。
「わぁ! 見ました今の、食べましたよ!」
「そ、そうね良かったわねぇ……」
まるでハムスターや犬に餌を与えて喜ぶ少女のようにはしゃぐサツキを、一歩引いた位置からドン引きしつつ見守るエリィ。
食事を終えた裕太たち一行はツクダニの様子を見るため、一旦サツキと進次郎が使う部屋へと集まった。
ツクダニはおとなしく部屋で待っていたらしく、部屋の中は特に荒れた様子はなかった。
ツクダニの頭を撫でながら笑顔で食べ物を与えるサツキと対象的に、エリィは部屋の端で引きつった顔をして震えていた。
彼女じゃなくとも、これだけ大きな巨大昆虫を見て平気な女子はあまりいないだろう。
「……金海さん、もう大丈夫そうだな」
「裕太、どこに行くんだ?」
「寝る前に銀川と一緒に夜の散歩でもと思ってな。行こうぜ銀川」
「あっ、待って笠元くん!」
裕太は半ば無理やりにエリィの腕を引っ張り、進次郎たちの部屋から廊下へ出る。
窓の外には夜が張り付き、橙色の薄明るい照明に照らされた廊下に出たエリィは、裕太に感謝を述べた。
「笠元くん、ありがとう。連れ出してくれて」
「うん、まあ。辛そうな顔してたしな。じゃあ外に行こうか」
「え? 散歩って部屋を出る言い訳じゃないのぉ?」
「え? 外の空気吸わなくていいのか?」
階段を降りながら、お互い顔を見合わせてするチグハグな会話。
なんだかおかしくなって、思わずふたりは笑みをこぼした。
「もう……わかったわぁ。外の空気吸いに行きましょう」
「ハハハ……ん? あれは……!」
ロビーに降りた祐太は、他の宿泊客と思われる青年がフロントに返却している板状の物に目を輝かせた。
その青年が去ったあと、祐太は少々はしゃぎ気味にフロントの女性へと問いかけた。
「今の人が返したの、あれもしかしてホバーボードですか!?」
「はい。当ホテルではお客様にホバーボードや自転車などの貸し出しを行っています」
「えっと、じゃあホバーボード借りていいですか!」
「もちろん構いませんよ。はい、どうぞ」
「ありがとう!」
手渡された1mほどの大きさのホバーボードを借りて笑顔で戻ってきた裕太に、エリィが不思議そうな顔をした。
「笠元くん、それなぁに?」
「ああ、銀川は知らないのか。何年か前に少し流行ったんだけどな。へへっ、外で見せてやるよ」
いたずらっぽく笑いながらそう言ってホテルの正面出入り口の自動ドアをくぐった祐太は、手に持ったホバーボードをおもむろに地面に向かって放り投げた。
すると、ホバーボードは地面にぶつかる事なくフワッと軽く跳ね、やがて黒い面を下にして水平になった。
「へぇー! ホバーってこういうことなの!」
「タイヤの無いスケボーみたいなもんだ。後ろに乗れよ」
ホバーボードに両足を乗せた裕太に促され、エリィは恐る恐る裕太の腰を掴みながらホバーボードに足を乗せる。
不安定な外見の印象と違って、ホバーボードは傾くことなくエリィを迎え入れた。
エリィの腕が自分の胴体を掴んでいることを確認した裕太は足元にあるアクセルスイッチをゆっくりと踏み込むと、ホバーボードが前進を始めた。
「わあ、すごぉい! 進んでるわよぉ!」
「そりゃあ進むだろ、乗り物なんだから。なあ銀川、どこか行きたい所あるか?」
緩やかなスピードで歩道を進むホバーボードの上で裕太がエリィに問いかけると、エリィは少し「う~ん」と考え込んでから答えた。
「別にぃ、特に行きたいところはないかしらぁ。……あら? 何か聞こえない?」
エリィの指摘を聞いて耳を澄ますと、公園の方角から歌声のような音が微かに聞こえてきた。
こんな時間に誰がいるのかと気になった裕太は
「……確かに、何か聞こえるな。行ってみるか」
「ええっ!?」
「……何で嫌そうなんだよ。もしかして怖いのか?」
ニヤついた表情でエリィに尋ねると、裕太を掴む腕を強めながらエリィはぶんぶんと首を横に振って否定の意を表した。
エリィが言いたいことと、無意識でやっていることが正反対なのが面白くて、裕太はアクセルを踏む力を強めた。
急に加速したのでエリィが「ひゃっ」と可愛らしい声を出して全身を震わせる。
「はははっ、なんだよ今の声!」
「ちょっとぉ! いきなりスピード上げないでよぉ!」
「大丈夫大丈夫、ホバーボードには慣性制御システム積んであるから振り落とされやしないさ」
「そういうことじゃなぁい!」
【8】
「……ん? なんや、笠本はんと銀川はんやないか」
歌声を頼りに、ホテルから最寄りの公園にたどり着いた裕太たちを待っていたのは噴水の縁に腰掛けた内宮だった。
内宮の近くには自転車が停めてあるのを見るに、これを借りてここまで着たのだということが予想できる。
静寂に包まれた公園の中で、裕太はホバーボードを降りて噴水に歩み寄る。
「何だはこっちのセリフだよ。こんなところに一人で何やってんだ?」
「ハハッ……なんや? もしかしてうちに興味あるんか?」
「……別に、歌声が気になっただけだよ」
裕太が視線を逸らしながらそう言うと、内宮はニヤついた表情をしたあと、ビルがぶら下がって見える上空を見上げた。
「……うちの弟の好きな歌を歌っとったんや」
「弟? お前、弟がいたのか」
「まあな。難病にかかってずっと入院生活送っとるけど」
内宮の発言を聞いたエリィが、ハッとした表情をして口を開いた。
「もしかして内宮さん。弟さんの治療費に困ってるんじゃ……」
「……ようわかったな。うちの両親どっちも事故で死んでしもうてな、うちがお金出さなあかんのや。そのためにメビウス電子でバイトもしとるんやけど……」
「そういえば、そうだったな……」
裕太は以前、エリィと一緒に江草重工を訪れた時を思い出した。
〈ヴェクター〉の試運転を見に行った帰り道、内宮はメビウス電子の上司とともに訓馬という老人を迎えに来ていた。
言いかけて俯き口を紡いだ内宮に、裕太は「どうかしたのか」と声をかけると、内宮は顔を上げて話を続ける。
「……最近、その仕事が楽しなってしもたんや。弟の治療費のためいうて割り切って始めたんやけど。これって悪いことなんやろか?」
突然投げかけられた質問に、裕太は咄嗟に答えが浮かばなかった。
いつも飄々としていたように見える内宮がそういうことを考えているというのが意外だったし、父親の稼ぎがある裕太は何と言葉を返せばいいのかわからなかった。
そんな裕太の代わりに、エリィがそっと口を開く。
「いいんじゃない?」
「え……?」
「仕事を楽しんじゃいけないなんてことはないと思うし、それが弟さんやあなたのためになってるんだったら……」
「そう、か……それもそうやな。ありがとな銀川はん。少し気持ちが軽うなったわ! ほな、そろそろうちはホテルに戻るわ。ほなな!」
明るい表情をしながら立ち上がった内宮は、噴水の脇に停めてあった自転車に跨りホテルの方へと走り消えていった。
残された裕太たちも、別に用事があって来たわけではないので、頷き合ってホテルに戻ることにした。
来たときと同じようにホバーボードに足を乗せるふたり。
その時、聞き覚えのない小さく甲高い音が突如耳に響いてきた。
音を聞いたエリィが、不安そうな表情で裕太の腰にしがみつく。
「な、何の音!?」
「虫の鳴き声じゃないか? こんだけ自然があるんだから、コオロギみたいなのがいるんだろう」
「……そ、そうね。きっと虫の声よね。は、早く帰りましょう」
あまりにもエリィが声を震わせて怖がるので、裕太はアクセルスイッチを往路のときよりも強く踏み込み、気持ち急ぎ目にホバーボードを発進させた。
……後編に続く
─────────────────────────────────────────────────
登場マシン紹介No.8
【ウィング】
全高:8.6メートル
重量:6.8トン
七菱製の可変キャリーフレーム。
人形形態と飛行機形態へと瞬時に変形する事ができ、幅広い状況への素早い対応が可能。
空輸用キャリーフレームの一種だが、外装が頑丈に作られているのである程度の戦闘にも耐えうる性能を持っている。
そのため、コロニー防衛隊コロニーアーミィなどの組織では手軽な飛行偵察機として汎用のマシンガンとビームセイバーを持たせて運用している。
また、コックピットが危険にさらされると自動的に時間停止防壁「ストッピングフィールド」が搭載されているのでもし撃墜されてもコックピットブロックだけは絶対の安全が保証されている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます