第54話 こもも

 独特の雰囲気を醸すフレンズ。

 有鱗目オオトカゲ科オオトカゲ属のコモドドラゴン、通称“コモモ”である。


 コモドドラゴンは大型のトカゲであり、最大全長は300cmを超える。体重が重く、尾の比率が他種の大型トカゲより短い。頑丈な体型をしており、体色は暗灰色や褐色。鋭い爪と強靭な顎と歯で獲物を喰らう肉食動物である。


 口内細菌、歯の間にある複数の毒管から毒を注入し、獲物を弱らせる。毒性が非常に強く、噛まれた獲物を間接的に食べた動物すらも死亡させる程、危険な毒を持っているのだ。


 コモモの性格はとても一途で、良くも悪くも愛が重い。ヤンデレ気質である反面、仲間思いでもある。


 普段の外見は、色合いは全体的に暗褐色。青のフリフリが付いたドレスに、目の様な黄色く光った模様付きパーカーとタイツを着用。元動物の頑丈そうな尻尾も継承している。


 現在はショコラティエの服装をしており、普段より明るい格好であるのだが、本人が放つ自然の雰囲気により、それを押し退けている。


「皆さん、こんばんは」

「ショウジョウ……」

「挨拶は結構ですよ。先程の聞こえていましたから。私はコモドドラゴンと言います。お気軽にコモモとお呼び下さい」

「よろしくっー! コモモちゃんもそれ可愛いね」


 ロスっちは彼女の雰囲気にたじろぐ事なく、普段通りに接している。服装を褒められると、コモモも上品にニコリと笑って称賛を返した。


「ロスっちさん。あなたの服装もとても素敵です」

「ありがとっー」

「でも、優勝の栄冠は譲りません……。私の愛で、皆さんを落としてみせます……。うふふ……」

「いいえ、ショウジョウトキにこそ、その称号は相応しい。この赤を見て、優勝を逃すなど有り得ないです。審査員の目が節穴でない限り……っ!」

「皆、凄い自信だね~。お互い頑張ろうっー!」


 小さな空間で多種多様なフレンズ達が小さな火花を散らしていた。準備室の端っこで、参加者ではないフェネックとアミメキリンが運営スタッフとこそこそと喋っている。そして、集団の元へと戻ってくると、ちょっとした情報を皆に伝えた。


「なんかねー、審査員はPPPらしいよー」

「得点の高いフレンズが優勝、なんだってー」


 似た様な口調の二人がそれぞれに別の情報を続けて発した。


「あのPPPさんが、……良いですね」

「文句はないです(ドヤァ)」

「PPPが見れるなんて、ラッキー♪ コンテスト参加で見れないと思ってたもーん」


 皆の士気が更に高まる。会場に集まる多くのフレンズとPPPの注目を浴びながらのステージ。しかし、ここに居るつわもの達に緊張の二文字はありはしなかった。寧ろ、それから掛け離れたフレンズ達と言ってもいい。


 そして、もう一人。

 忘れてはならない、緊張から程遠いフレンズが居る。


「フェネックー!! 準備が出来たのだ!!」

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