第三章

第39話 かこう

*


 キョウシュウエリアで一際目立つ巨大な山。

 火口に巨大なサンドスターの集塊しゅうかいが噴き出たその山は、神聖な場所とされており、入るにはコノハ博士の許可が必要とされている。


 そのサンドスターの山、火口付近に二人のフレンズが無許可で進入していた。はぁはぁと息を上げながら、険しい斜面を登るネコ科の二人。


 ネコ目ネコ科ネコ属のサーバルである。

 細い体と長い四肢、小さな頭部と、大きな耳を持つ、無駄のない体貌たいぼうをしている。跳躍力に優れ、地上性であるが、木登りや泳ぎなども巧みに熟す。体の構造から、走ることが速く、そのスピードや跳躍力を活かし、捕食を行う食肉類である。草原や川辺近く、高地にも生息しており、主に夜間に活動を行う。


 毛色は一般的には黄褐色か黄色で、腹部や四肢の内側が白色である。稀に真っ黒の個体が存在する。全身にはっきりとした黒い斑点があり、ネコ科の中でも美しい模様を持つ動物である。


 単独での生活が多いサーバルだが、フレンズ化後は仲間と共に行動を行っている。

知性はやや低いが、性格はとても明るく、友好的。これ等も元動物時とはやや反した一面と言える。パーク内では、“トラブルメーカー”として認知されているとか。


 外見は長い尻尾に、左右の間が狭く、長く尖った大きな耳。白色のノースリーブシャツに、元動物の模様を思わせるミニスカートに、オペラグローブ、ニーソックスを着用し、首にリボンを巻いている。


「確か……、この辺だったよね? カラカル」

「そうね……。ちょっと……、休憩しない?」


 二人は斜面に腰を落とし、その場で休息を取る。

 もう一人のフレンズ。


 ネコ目ネコ科カラカル属のカラカルである。

 こちらもサーバル同様に、長くほっそりとした体貌を持ち、体毛は短く、地色は赤褐色である。あご、胸、腹が白く、最大の特徴である耳には独特な長い房毛が耳先を超えて生えている。砂漠、草原、丘陵地きゅうりょうちに生息。基本的には夜行性だが、昼に行動を行う事もある。俊敏性と跳躍力が高く、その能力を活かし、地上からジャンプし、鳥類を捕える事もあるとか。警戒心が強く、食性は肉食性である。


 そっけなく見えて、実は面倒見の良い性格をしている。時折、抜けた一面を持つが、しっかり者でサーバルの良い相方兼、親友である。


 外見はサーバルと共通点が多い。

 特徴的な耳に、白色のノースリーブシャツ、カラカルを思わせる色合いのミニスカート、オペラグローブ、ニーソックスにリボンと、略同様の見た目である。


「そうだね……。私も疲れちゃったよー……」

「あんたは突っ走りすぎなのよ。もう少し考えたらどうなの?」

「わー、見てー。カラカル!! すっごーい!」

「人の話を聞いてないし……」


 サーバルが見渡す地点からは、このキョウシュウエリアを一望できる程の壮大な景色が広がっていた。


「すっごーい!! ほら、見てよ!!」

「もう、うるさいわよ……」


 カラカルはいつもの様に、サーバルに巻き込まれ、この火口付近にまでやって来たのだ。その理由は数日前の現象にあった。

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