第18話 おあしす・わん 2

*


「ナツメヤシは砂漠に住むみんなにとって、楽しみの一つなんだ。これもセルリアンの襲撃によって奪われてしまっては困るからね」

「んー、けど、ジャパリまんには無反応だったよねー? ねー、アライさんー」

「うむ。間違えないのだ」

「そうなのかい? セルリアンは一体何で栄養を摂取しているのか……。だとすれば、襲ってくる理由が木の実やオアシスではないことになってしまう……」

「んー、やっぱりー、お散歩してるだけなんじゃないかなー?」

「フェネックは昔からこればっかり言うのだ。そんなわけないのだ!」

「お散歩……。フラフラしている所で偶然フレンズと遭遇して、本能的に攻撃してしまう何かがある……という感じなのかな?」


 フェネックの言葉にラビラビが推測を重ねていく。


「考え過ぎなのだ。セルリアンは敵! これ以外にあてはまるものはないのだ!」

「まー、アライさんの言うことも分かるけどねー。最近はセルリアンの数も増えてきた様な気がするしー、正直困るよねー。きっと、私達がセルリアンの欲しい何かを持っているから襲ってくるんだよー」

「また、適当なことを言っているのだ……」

「欲しいもの……。そういえば、昔、博士達の会話を聞いていた時にそれらしいことを言っていた様な気がするよ。“輝き”を奪って進化するとかなんとか……」

「「輝き?」」

「よく分からないのだ。アライさんは光ってなどいないのだ」


 オアシス・ワンでの休憩中に三人はセルリアンの習性について話し合っていた。一人は興味のない会話に口を出さずに木陰で眠けと格闘している。


 そんな中、急速に一行に近付く一人のフレンズがいた。慣れた足取りでその駿足を活かし、砂埃すなぼこりを立てながら接近してくる。


「んー? 何かくるねー」


 フェネックがすぐに感付き一声を上げると、みなが視界で捉えて目を凝らす。


「せ、セルリアン……? 早く逃げる準備をするのだ!」

「んー、あれは違うよー」


 アライさんの焦りとは裏腹にフタコブラクダの動きは今迄通りにゆったりしている。


「騒がしくして済まないね。あれはルルだよ」

「ラビラビ~!! 久しぶり!! 今日はお客さんが多いようだね」


 活発的なトムソンガゼルの“ルル”が一行と対面する。

 アライさんとフェネックは既に何度か顔見知りの仲ではあるが、しっかりと話をした事はなく、実質的には初見の関係性になるのだ。


「やぁやぁ、どうもー」

「ルルと呼ばれているなんて知らなかったのだ」

「アライさんにフェネックかー。こんなところで珍しいね」

「ルル、面識があったんだね」

「うん。さばんなちほーにもよく走りに行っていたからね。サーバルから話は聞いていたよ。さばんなちほーのトラブルメーカーだって」

「それはサーバルのことなのだ!!」

「んー、自虐ネタで自己紹介をするなんて、サーバルもアライさん並におかしいフレンズなんだねー」

「どういう意味なのだ、フェネック!!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます