ねぇ、これちょっとおかしくない? 絶対新種だって!

 今日(※執筆時)も雨ですね。全国的に。ついに全国各地で被害が多発しております。雨が降るのはいいのですが、せめて普通の雨量であって欲しいですよね。

 この記録的な全国的な大雨、明日以降も全国的に降り続くようで……どうか記憶に残るような大災害が発生しない事を願うばかりです。


 あ、地元はそこまでの大雨じゃありません。海を挟んだ向かい側の広島は結構大雨が降っているようなのですけどね。不思議ですねぇ。


 さて、昨日は愛知のパチンコ店で客同士のトラブルがあってナイフで複数回刺された被害者が死亡して容疑者が逮捕されたり、エグザイルなどが所属する芸能プロダクション「LDH JAPAN」が3億円の申告漏れをしていた事が発覚したり、息子の医大合格の見返りに国の事業で有利な取り計らいをしたとして文部科学省科学技術・学術政策前局長らが受託収賄容疑で逮捕されたりと、この他にも様々なニュースがありました。


 今回取り上げるのは女子高生達が努力と根性で新種の生物を発見したと言う話題です。たまにはこう言う明るいニュースも取り上げませんとね。


 長崎県立長崎西高校の生物部の女子生徒3人が、大村湾で新種のアメンボを見つけたと報告する論文をまとめ、カナダの国際学術誌(電子版)に掲載されました。3人とも文系コースを選択する3年生。既知の種だとする専門家の解釈に疑問を抱き、根気強く調査や観察を重ねたのだそうです。和名は「ナガサキアメンボ」と名付けたのだとか。アメンボの新種発見は実に60年ぶりなのだとか。


 新種を報告したのは、朝鍋遥さん(18)、平野安樹子さん(17)、桃坂瞳さん(17)。生物部顧問の長嶋哲也教諭(59)や、アメンボを含むカメムシの仲間に詳しいアメリカ自然史博物館の研究協力員、安永智秀さん(54)らの指導を受けて研究し、連名で論文をまとめたのだそうです。


 3人は昨春、大村湾沿岸に生息する絶滅危惧種を含む数種のアメンボについて研究を始めました。既存の論文によると、沿岸にすむアメンボは全て胴体が丸い種で、細長い種はいない事になっています。

 ところが、現地調査を始めるとすぐに、胴体が細長いアメンボが水面に大量にいるのを目にしたのだとか。


 専門家の間では、湾で見られる細長いアメンボは沿岸にすむ種ではなく、淡水の川にすむナミアメンボという種が偶発的に海に流れてきたものと考えられていました。

 しかし、湾の他の場所でも細長いアメンボを多数確認した3人は「これだけ大量にいるのなら、日常的に沿岸で生活しているのではないか」と考えます。


 3人は土日や夏休みに長嶋さんが運転する乗用車で朝から夕方まで湾を回り、アメンボを採集したり、その場所の塩類濃度を測定したりと研究を続けました。他の部員の助けも借りて、計57カ所で調査したのだそうです。


 更に詳しく観察するためにアメンボの飼育装置も作りました。初めは水槽に入れた海水の表面に細菌が繁殖して膜が張り、アメンボが浮かべなくなる現象に悩まされたそうですが、2カ月の試行錯誤の末、水面に水滴を落とし続けると膜が張らない事をつきとめます。衣装ケースなどで装置を自作し、産卵、孵化ふかにも成功しました。


 生態を詳しく知るために電子顕微鏡での観察や真空状態での実験も試みます。その結果、湾の沿岸で見かける細長いアメンボは、脚や触角の長さ、卵や生殖器の形といった形態面でも、孵化・生存できる塩類濃度や産卵場所と言った生態面でも、ナミアメンボと特徴が異なる事を突き止めたのだとか。

 それらの結果から、このアメンボは卵から成虫になるまで淡水と海水が混ざった汽水域で生活する新種と結論付けました。


 リーダーの朝鍋さんは「飼育法が確立できずに諦めかけたが、諦めないでよかった」と喜びます。平野さんは「実験も論文も学校のテストもと、夜遅くまで大変だった」、桃坂さんは「高校生活で一番の思い出になると思う」とコメント。


 安永さんは「アメンボの新種発見は60年ぶり。好奇心を持って目をつけた事が一番大きい。この論文がきっかけとなり、研究者による分類のやり直しが始まると思う」と評価しています。


 思わず記事が長文になってしまいましたが、この徹底した研究姿勢、実に天晴ですね。その結果、見事に新種発見と言う結果を導き出す事に成功した、なんて素晴らしい事でしょう。専門家の意見を鵜呑みにせずに自分達の感性を信じた結果です。


 この発見は周りのサポートあってですけど、環境もまた良かったのでしょうね。電子顕微鏡なんて高校生の時に見た事も触ったこともないですよ。あ、今もないです。ものすごい研究施設にだけありそうなイメージですよね。


 しかもこの女子高生達が文系だと言うところにも注目です。生物部に入っていたからと言うのも大きいのでしょうけど、文系だって研究で成果を出せるんだぞって言う鼻息の荒さもちょっと感じたりして。

 今後、彼女達がどのように道に進むのかは分かりませんけど、この経験を生かして素晴らしい未来を掴んでいって欲しいと思います。


 最近はアメンボってあまり見なくなりましたよね。私の地元では探しても見つからないくらい数を減らしています。30年前はあちこちで見かけたのに。その点、長崎ではまだまだ豊かな自然が多く残っていると言う事なのでしょう。

 この自然がこれからも破壊されずに、そのままの姿で未来に繋がっていって欲しいですね。

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