スキマニュース日記

辛かったな、まぁ飯でも食べようや

　昨日(※執筆時)、ついに九州南部で梅雨明けが発表されました。これから本格的な夏が始まりますね。こちらとしても夏を迎える最終準備は完了です。夏布団に網戸に簾に扇風機。後は風鈴。部屋にエアコンはないけどまぁ大丈夫でしょ(根拠のない自信)。

　そう言う訳でどんと来い夏！　部屋は西向きだから日中より夕方のほうが気温が上がって厳しいゾ！(汗)。

　さて、今回はとても人情味のあるお話を。やっぱりギスギスした話題ばかりだとどうもねぇ。人間心が乾いていけねえやね。

　今年の３月(※執筆時)に兵庫県姫路市でタクシー運転手から金を脅し取ろうとしたとして恐喝未遂罪に問われた無職の男の判決が７月１４日(※執筆時)、神戸地裁姫路支部で言い渡されます。

　男はタクシー内で被害者の藤原さんから恐喝をやめるよう諭され、食事もごちそうになる内に藤原さんの人情に心を打たれ、改心して自首していました。藤原さんは「これからが大事。強い心で社会復帰して欲しい」と願っています。

　うう、ええ話や……。まるで昭和の人情モノのドラマを見ているよう。平成の世にも人情は残ってはったで！

　藤原さんは３月１９日未明、姫路市の路上に車を止め、明石市から乗せた男に運賃約１万４０００円を請求します。

　けれどその時、男は突然藤原さんの髪をつかんで刃物のようなものを突き付け、「金を出せ」と脅して来たそうです。

　そこで藤原さんは「こんな事するな」と一喝。「悪い事をしているのが分かるか」と諭すと、興奮していた男は徐々に落ち着きを取り戻し、観念して身の上を話し始めたのだとか。

　男は刑務所を出た後、入所していた姫路市内の更生保護施設を抜け出していました。故郷の宮城県に帰る金がなく、事件に及んだのだそうです。事件時の所持金は数十円だけ。

　話を聞いた藤原さんは近くのレストランで男にチキンステーキなどを食べさせたそうです。食事を終え、「すみませんでした」と男は頭を下げたのだとか。店を出てから男とは別れましたが、藤原さんは警察には通報しませんでした。

　男の境遇を知り、「可哀そうだ」と思ったのだそうです。男はその約１２時間後、市内の交番に自首しました。

　えっと、何この人情ものドラマのような展開。現実にあった事なの？　すごいね。こう言う事ってあるものなのですね。藤原さんが出来た人なのは分けるけど、犯人も素直だよ。創作物でこう言う展開書いたらボツにされる程のテンプレだよ(汗)。

　５月の初公判で男は事件について「記憶にない」と起訴内容を否認しましたが、その後の公判で「刑務所に行きたくなくてうそをついた」と罪を認めました。

　このあたりの心情の揺れは人間らしいの心の動きが現れていますね。悪人になりきれない心の弱さが見て取れます。

　男は２０１１年の東日本大震災を経験し、交際相手を亡くしたと言います。被告人質問で「簡単に命が失われてしまうなら、その場しのぎで生きてもいいと考えるようになった。自分の生き方を変えた」と事件を起こした動機を述べ、藤原さんに「一からやり直した姿を見てもらいたい」と更生を誓ったそうです。

　検察側の求刑は懲役１年６月。藤原さんは「どんな判決も受け入れ、誠実に生き抜いてほしい」と見守っています。

　男もまた震災で心を壊された被害者だったと。こう言う動機は震災を乗り越えて真面目に頑張っている人に反発を買いそうですが、人は誰もが強い訳ではないですから……。

　支える人がいなかったら、そう言う人をいきなり失ってしまったなら、誰もがそう言う可能性を秘めているものなのかも知れません。

　でもやっぱり元々そんな悪人ではなかったと言うのが今回の結果に結びついたのでしょう。この人は環境さえちゃんとしていれば更生も出来そうな感じがします。出所後は是非ともしっかり生きる場所を与えて欲しいと思います。

　藤原さんは藤原さんで、多分人を見てからの対応だとは思いますが、いつも今回と同じ結果になるとは限らないので、今後はどうか気をつけて欲しいと思います。情けをかけたら殺された、なんて事例も珍しくないですからね。

　今の世にも人情は生き残っていた。お腹を満たせば人は素直になれる……人もいる。自分に襲い掛かって来た人を施すなんて中々出来ない事ですが、こう言う事の出来る人には是非とも今後も平穏無事な生活を送って欲しいものです。

　世の中の犯罪者がみんなこう言うタイプだといいんですけどね。特に動機の分からないサイコな人は怖いですよ……。