今度は象さんが……

「キリンさんが好きです。でも象さんの方がもっと好きです」


 これはかつて一世を風靡した引越し屋さんのCMで使われた有名な台詞なのですが、今このCMを知っている人はもういい歳した大人になっているのでしょうね。若い人は知らないな、うん。


 そう言う訳で、動物園の中でも象さんの人気は抜群です。パンダとかコアラとかそう言う特別な動物を除いての人気はトップクラスじゃないでしょうか? あ、今の動物園の一番の人気はサーバルキャットですかな?(※執筆時)四国ではなんと4県の動物園全てにサーバルちゃんがいるよ、すごーい!


 こほん、では話を戻しまして、象さんのお話を。象さんと言えば江戸時代に日本にやって来て大きな騒ぎになって、日本画にも象さんの姿が描かれております。当時の象さんは今のパンダやコアラ的な扱いだったんですね。


 象さんと言えば大きくて優しいイメージがありますが、あれだけの巨体ですから暴れたら大変な事になります。温厚そうに見えて実は怒らせたら怖い生き物なんですよね。長年動物園で飼育されている為に飼育しやすい動物のように思われがちですが、それはただのイメージなんです。


 そんな象さんの機嫌を損ねてしまった事による悲しい事故が先日発生してしまいました。


 3月12日(※執筆時)午前9時15分ごろ、和歌山県の観光施設「アドベンチャーワールド」で、飼育員さんが象エリアのおりの中でインド象に襲われたそうです。襲われた飼育員さんは病院に搬送されましたが、約1時間後に死亡が確認されたと言う話です。


 和歌山県警によると、暴れたのはラリーと言う名前の40歳のメスの象。飼育員さんは当時、象の体を洗っていたのですが、嫌がった象が振り回した鼻が体に当たったといい、当時の状況を調べているそうです。


 ニュースの概要を読むと、この間の人を襲ったライオンと状況が似ていますね。ライオンもこの象も悪意があって襲ったのではなく、ちょっと不機嫌になっただけなのだと思うんです。そこは嫌!って動作がその動物基準で行われた為に人の体が耐えきれなかった。それだけの話だったのではないかと思います。


 ラリーって40歳ですよ。それまでは何も問題なかったんです。きっとこの飼育員さんの洗い方がちょっと悪かったのでしょうね。もしベテランの人が洗っていたらきっと事故も起こらなかったのではないでしょうか? この時、ラリーの体を洗っていたのはタイ人の方なのだそうなのですが、ちゃんと象の体の洗い方を学びきれていたのかな?と疑問に思ってしまいます。

 私が知らないだけでこの人も象の扱いに関してはすっかりマスターされた方かも知れませんけど……。


 実際の所、もしかしたらこの事故の背景には施設の事情があって、簡単に一言で原因が特定されると言うものではないのかも知れません。

 しかし本来起こってはならない事が起こってしまったのです。失ってしまった命はもう二度と戻せません。これを機にもう二度とこんな悲しい出来事が起こらないように施設にはしっかり原因究明をして貰い、それを踏まえた上で対策を立て、確実に実行していって欲しいと思います。

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