第566話カフェ・ルミエール文化講座開講準備(3)

一階のカフェ・ルミエール文化に降りる階段での道彦と史との会話。


道彦

「ところで、開講記念パーティーには、楽団にも演奏をお願いしてあるけれど」

「はい、何となく聞いていました、そうなると僕も出るのかな」

道彦

「あはは、それはそうだよ、史君が客席に座っているのも変だよ」

「うーん・・・何がいいのかなあ、演奏の形式もあるけれど」

道彦は、少し考える史に

「僕も何か入っていいかな」

と声をかける。

史は、「え?」と言う顔。

「道彦さん、楽器やるんですか?」

道彦は、それでニッコリ。

「あはは、たいして上手じゃないけどね、トランペット吹くよ」

その道彦の言葉で、史もうれしそう。

「へえ、トランペットかあ・・・楽しくなってきました」

とにかく、二人で盛り上がっている。


そんな道彦と史の様子を後ろから見ている華蓮

「なんか、本当の兄弟みたい」

「息がピッタリ」


亜美は、うれしくて仕方がない。

「なんか、すごく素敵な旦那様と、メチャ可愛い弟がほぼ同時にできた」

「会社を移って、本当に良かった」


さて、四人がそんな状態で、カフェ・ルミエールに入ると、洋子以下全員が笑顔でお出迎え。


洋子

「はい、お待ちしておりました」

奈津美

「何か、すごくしっくりくる四人ですねえ」

結衣

「史君も、すごく自然な顔している、ますます可愛い」

「由紀ちゃんと来る時は、顔を作っているし」

「里奈ちゃんと来る時は、入り込むスキがないし」

・・・・様々あるけれど、ここでは省略。


四人用のテーブルは全て埋まっていたので、カウンターの前の席に並んで座ることになった。


そして、さっそく「実務的な」話が始まった。

華蓮

「このほうが、開講記念パーティーの話もできるかな」

洋子

「記念のお菓子は、お土産になるけれど、どうしようか、ビスケットとかの焼き菓子のほうがいいね」

「母美智子も協力したいって言っていました」

文彦

「それは、最高だなあ、僕の両親も美智子さんの焼き菓子は、いつも食べたいってパリで言っていたよ」

「フレッシュバターを使うんです、それでまた風味が違う」

洋子

「マスターも何か作りたいって言っていました」

華蓮

「へえ・・・忙しそうだけど、清さんもいるしね、美幸さんも腕が立つし」

・・・・


様々「実務的な話」が続く中、亜美はますますうれしくなった。

「すごく楽しくて実のある中に入った」

そして思った。

「道彦さんとの披露宴は、ここでしか考えられない」


亜美はそこまで思って、顔が赤くなっている。






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