第516話カフェ・ルミエール文化講座構想(7)
京極華蓮の歓迎女子会は、結局、マスターと清まで加わった全員の宴会になってしまった。
洋子は、うれしくて仕方がない。
「とにかく、先々、面白そう、華蓮ちゃんも可愛いし、しっかりしてるし」
マスターも、目を細めている。
「そうだね、華蓮ちゃんは、由紀ちゃんとか史君、加奈子ちゃん、愛華ちゃん、つまりお屋敷の次世代のまとめ役だった」
清も頷く。
「そうですね、いつもテキパキと話をまとめられます、それでいて全く嫌みがない」
しかし、華蓮は笑って首を横に振る。
「私が一番年上なので、お姉さん役なんです」
奈津美は、そんな華蓮に昔のことを聞きたくなった。
「ねえ、華蓮ちゃん、由紀ちゃんと史君の昔っていうか、子供のころは?」
結衣と彩、美幸も聞きたかったらしい、その身を乗り出している。
華蓮は、懐かしそうな顔。
そして、笑いながら話し始めた。
「そうですねえ、みんな仲良しで、お屋敷に集まると、一緒に遊びました」
「凧あげしたり、ボール投げしたり、サイクリングしたり、お屋敷の蝉を取ったり・・・いろいろでした」
「それでね、たいていは、由紀ちゃんがプランを考えるんです」
「今日は何をして遊ぶのかをね」
女子たちは、ふんふんと聞き、マスターと清はククッと笑っている。
華蓮は、話を続けた。
「それでね、加奈子ちゃんと愛華ちゃんは、たいてい賛成するんだけど・・・」
華蓮は、そこで少し笑う。
「でね、史君が、必ず、そのプランとかやり方は、面白くないとか」
「他ので遊ぼうって文句を、由紀ちゃんに言うんです」
マスターは、思い出している様子。
「それでさ、由紀ちゃんが、史君をポカリなんだ」
清は、苦笑い。
「ほんと、思いっきりポカリするんです」
華蓮は、また笑ってしまった。
「それでね、史君が、大泣きになるんです」
「それも、えーーーんって、可愛いのなんの・・・」
「その史君を加奈子ちゃんと愛華ちゃんが、必死に身を挺してかばう」
「で、由紀ちゃんは、それも気に入らないので、ますます史君に文句を言う」
「私も仕方ないから、真ん中に入って仲裁するんです」
女子会メンバーは、様々。
洋子
「ほぼ、今と同じ・・・」
奈津美
「私もかばう立場になりたい」
結衣
「でも、史君の泣き顔は可愛いと思う」
彩
「私、史君のお姉さんになりたい」
美幸
「そのシーンを見てみたいなあ、面白そう」
・・・・・・・・・・・
全員の宴会は、なかなか終わりそうにないようである。
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