第514話カフェ・ルミエール文化講座構想(5)

すんなり打ち解けてしまった、京極華蓮と洋子、奈津美、結衣、彩、そして美幸は、「華蓮の歓迎女子会」のため、カフェ・ルミエールの六人テーブルに座っている。

そして、キッチンにはマスター、料理手伝いとして、清が大忙しとなっている。


洋子は、そんなマスターと清を見て、笑っている。

「まあ、早速今日は貸し切りにしてしまった」

マスターは、苦笑い。

「ねえ、出来上がった料理をテーブルに運ぶくらいは頼むよ」

清も必死に動く。

「ステーキサンドイッチなんて、久々に作ります、和風ステーキにしようかな」

美幸は、結局動き出した。

「お酒くらいは作ります」

丁寧に、トワイスアップや水割り、ハイボール等を作っている。


結衣

「これで由紀ちゃんとか史君がいると面白いんだけど」

「史君は受験勉強、由紀ちゃんも、まだお酒は飲めないしねえ」


華蓮はまず、フレッシュバターのピーナッツがお気に入り。

「軽くて香りが華やかで、普通のバターピーナッツとは、格が違いますね」

洋子も、食べだしたら止まらなくなった。

「これは史君がフレッシュバターを作るの、産直市で新鮮な牛乳を仕入れて、塩加減も抜群」


奈津美は、カルボナーラに夢中。

「カルボナーラも、下手に作るとしつこいけれど、フレッシュバターを使うと、これは絶品だね」


結衣は目を丸くした。

「マジ?このボルシチスープの鮮烈さ、美味しすぎ!ご飯にも合いそう」


彩もご機嫌。

「このバジルとチーズと生ハムのピザ、ピリッとしたバジルとこってり系のチーズ、生ハムの複雑な旨みが、渾然一体・・・」


マスターと清は、途中から「食べるだけ女子」になった状態を見て、笑っている。

マスター

「マジでよく食べる」

「食べ物が、それぞれの口に飛び込んでいく感じです」

マスター

「お屋敷では味わえない感覚かい?」

「そうですね、神経を使う料理が多いので」


マスターは、少し話題を変えた。

「清さんも、洋食上手だねえ」

「いえ、なんとなく勘です、マスターの手際には、見惚れます」

マスターは、ニッコリと笑う。

「懐石の店ができるまで、手伝って欲しいなあ」

清も、マンザラではないようす。

「そうですね、勉強させていただきます」

とまで言って、マスターの顔を見る。

「マスター、少し和洋折衷をしようかと・・・」


マスターは、興味深そうに、清の顔を見ている。

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