第450話銀座、日本橋散歩(16)
史たちの一行は、水天宮にたどりついた。
愛華は、まず四柱のご祭神を見て、その目を丸くした。
「天御中主大神様は、日本の神々の祖先神だからわかる」
「でもな、安徳天皇と建礼門院様、二位の尼まで・・・」
「これはこれは・・・京都とも縁が深いなあ」
加奈子も、驚いた。
「有馬家かあ・・・これも関西と縁が深い」
「それに本殿も立派やな」
とあちこちを見る。
史は、子宝犬、狛犬を面白そうに見ている。
すると、由紀が全員を手招き。
「ねえ、この河童面白いよ」
愛華も河童を見て笑った。
「足下と胸、肩に赤ちゃん河童が、ぴったりとしがみついとる」
加奈子も
「これは可愛い、なでたくなる」
と、結局、なでている。
史は、少しだけ見て、本殿に向かった。
そして、丁寧に参拝をする。
そんな史に愛華
「史君は、安産関係ないなあ」
加奈子
「史君のお嫁さんなら、関係あるかなあ」
と、史を突つくけれど、史は動じない。
「神社に来れば、参拝は当たり前」
「でも、建礼門院様と安徳様には興味あるよ」
「それもあったからさ」
愛華は、その史に
「そうかあ、そうなると一度京都においで」
「大原の寂光院に案内する」
加奈子も大原の寂光院に反応。
「そうか、たまにはいいなあ、三千院もあるしね」
「お漬物も美味しいから」
ただ、途中から、由紀の目が遠くを見ている。
史も、由紀の様子に気がついた。
そして
「姉貴、何かあったの?」
と聞くけれど、史もすぐにわかったようだ。
「涼子さんだ!祥子ちゃんを抱っこしている!」
「えーーー?すっごい偶然!」
史の声が、すごく明るい。
どうやら、マスターの妻、涼子も娘の祥子を抱いて、水天宮に参拝に来たらしい。
史は、その顔が、完全に変わった。
とにかく、嬉しくて仕方がない様子。
「史くーん!」
「それから、由紀ちゃん、加奈子さん、愛華さん!」
涼子も、一行がわかったようだ。
大きく手を振っている。
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