第445話銀座、日本橋散歩(11)
楽器店での突然の演奏を終えた史たちの一行は、再び銀座の通りに出た。
史
「まったく岡村顧問は強引だ、覚えている曲しかできない」
と、ブツブツ。
由紀も
「あまり声が出なかった、後輩たちに負けてた」
と、首を傾げる。
しかし愛華は、うれしそう。
「メチャ楽しかった、合唱部の人たちとも、すんなりやった」
加奈子もニコニコ。
「それは、前部長の由紀さんの人徳では?」
そんなことを言うものだから、由紀は笑ってしまった。
そんなことを言い合いながら、少し歩くと史の足が止まった。
そしてその史の前には、トルコ料理店の看板がある。
史は、愛華と加奈子に
「そろそろ、お昼にします」
「昨日が、もんじゃ焼きで軽かったから、今日はズッシリ系」
愛華と加奈子が、キョトンとしていると、由紀がニッコリ。
「はい、世界三大料理の一つ、トルコ料理だよ」
愛華は
「へえ・・・面白そうやなあ、でも食べられるかなあ」
加奈子
「ほーーー・・・銀座でエスニック系?これは思い出になるなあ、でもどんなお料理なんやろ」
興味津々ながら、不安もある様子。
ただ、史も由紀も、よく来たことがあるらしい。
史
「全然、大丈夫だよ」
由紀
「フランス料理よりは、日本人に合うかも」
と、どんどん店に入ってしまう。
食事そのものが、どうやら予約してあったらしい。
銀座の日曜日のお昼の時間であるけれど、店員の案内で、すぐに座ることができた。愛華と加奈子は、とにかく興味深そうな感じ。
愛華
「何やろ、不思議やなあ、青白い照明と白い壁、トルコ絨毯を何枚も飾ってある」
加奈子
「そうやねえ、お皿も飾ってあるけれど、模様も色使いも、日本でもなく中華でもなくヨーロッパでもなく」
愛華
「流れてるBGMも、中東って雰囲気やなあ、面白いなあ」
加奈子
「銀座でトルコ旅行って雰囲気や、ワクワクする」
少しして、とにかく大柄の女性店員が、注文を取りに来た。
愛華と加奈子は、その女性店員を見て、またビックリ。
「あらー・・・・すっごい美人やけど、胸とお尻もすごい、うちの三倍はある」
加奈子
「パワー満点や・・・こうなると、気取ってなんていられない」
二人は、とにかく圧倒されている状態となった。
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