第438話銀座、日本橋散歩(4)
史たちの一行は、お香の店に入った。
愛華と加奈子は、その華やかな雰囲気と香りに、その顔がときめいている。
愛華
「うわ・・・おしゃれやなあ・・・ここにいるだけで、おしゃれや」
加奈子
「そうやねえ、珍しいフレグランスも多いなあ」
とにかく、様々な香りを楽しんでいる。
由紀も、愛華と加奈子と一緒に、いろいろ探しているけれど、なかなか気にいる香りがない様子。
史は、あまり悩まない。
「とりあえず、白檀の練香水かな」
と、サッと見つけて、レジの前に。
そんな史を見た、愛華と加奈子は、「はやいこと・・・」と笑っているけれど、由紀は「探すのが面倒なだけでしょ」と、気にもかけない。
ただ、そんな史がなかなか、レジから戻ってこない。
よく見ると、女性店員から、かなり話しこまれている様子。
史は、ウンウンと頷いているだけ状態になっている。
愛華は、そこで、少し焦った。
「あかん、あのレジのお姉さん、かなり美人や」
「それに史君を見る目が、キラキラしとる」
加奈子も、そんな感じ
「うーーー・・・大人のお姉さんって感じや」
「なかなか、あのお姉さんの話が止まらないし」
そんな愛華と加奈子の様子が気になったのか、由紀がレジまで歩いた。
そして、史の袖を引っ張る。
「史!話しすぎ」
声は低く、口調はキツい。
史としては、それで少しホッとした様子。
ようやくレジのお姉さんから離れて
「すっごく話好きな人だった」
「途中から、頷いているだけだった」
「姉貴、ありがとう」
と、珍しく由紀にお礼まで言っている。
愛華は、そこで思った。
「とにかく、少しでも話をすると、引きつけちゃうなあ」
「こうなると、うちは東京に出ないとあかん」
「京都なんて帰るのも心配や」
加奈子は、そんな愛華を見て
「あかん、ますます愛華ちゃん、本気や」
「こうなると、うちも由紀ちゃんも、悩みが尽きないなあ」
そこまで思って由紀を見る。
由紀は、少し疲れた顔になっている。
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