第370話史の将来計画と洋子と史のデート?

京都での新年会兼マスター一家の披露宴は二次会まで終わった。

大人の男たちは、途中からカクテルパーティーになったけれど、それ以外はスンナリと帰った。

とにかく食べ過ぎで眠くなってしまったのである。


翌朝、晃の一家は本邸の兄夫婦と丁寧に別れを告げ、大量のお土産までもらって、京都駅から新幹線に乗り込んだ。


座席に座り、晃が、まず家族全員に声をかけた。

「ああ、みんなおつかれさん、素晴らしい新年会と披露宴になった、ありがとう」

美智子も

「とにかく無事に終わって良かった、涼子さんも上手に一族に溶け込んでいた」

由紀もホッとした様子。

「そうだよね、涼子さんってホテルで接客トップなんだよね、とにかく誰と話しても、対応がすごく柔らかいし、相手の心を上手に読むから、見ていてすごく勉強になる、本当に良かった」

史も

「とにかく横浜から始まって、本当にスムーズに進んで終わった」

「お料理も美味しかった」

とにかく満足そうな顔になっている。


晃が、少し話題を変えた。

「史、少し聞いたけれど、音大で音楽史をやりたいの?」

晃は、ニコニコしている。


史も、笑顔になった。

「はい、音楽は、そういう音楽史の研究の中で、演奏はしてみたいなあと」

「歴史も学べるし、旅行も出来るし、やってみたいです」

素直に、答える。


母美智子は

「うーん・・・まずは語学かなあ・・・それが第一だよね」

「そうなると、先生につく?」

と具体的な話を始めてしまう。


しかし、納得が出来ない様子の由紀

「ダメだって!史はアホでひ弱なんだから、無理に決っている」

「とにかく絶対ダメ、日本にいなさい」

とにかく「ダメ」を主張する。


晃は、そんな由紀にも笑った。

「由紀、大丈夫、史はそこまで弱い子じゃない」

美智子も由紀をたしなめる。

「そうだよ、史は時々身体壊すけれど、芯は強い」


史は、いろいろ言われて複雑な表情。

それでも

「音楽史とは関係ないかもしれないけれど、ちょっと洋子さんと真面目に話をしてみます、現地の言葉とか生活とか」

と、そのまま洋子にメールを打っている。


そして、すぐに洋子から返事が来た。

それを見た史は、ニッコリとするけれど、由紀はどうにも気に入らない。


由紀

「洋子さんは何て言っているの?」

かなりキツイ口調で、史に問いただす。


史は

「うん、夜に二人でお食事しながら、お話しましょうって」

ニコニコしている。


由紀は、そこで思った。

「う・・・これは危険だ・・・」

「また、あそこの女どもが揉める・・・」

「全く、どうして、史って、私に心配かけるんだろう」


そして、史を見ると、史はまた別の誰かからのメールを見ているようだ。

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