第342話披露宴(2)大旦那と涼子の両親

大旦那と奥様は、涼子の両親の前に立ち、深く頭を下げた。


大旦那

「今までしっかりとしたご挨拶もできず、本当に申し訳ありません」

「この佳宏には過ぎた素晴らしい女性です、佳宏は当然のこと、私たちも本当に喜んでおります」

「そのうえ、祥子ちゃんという宝石のような可愛らしい女の子を賜りまして」

「是非、これからも、私たちとも、末永く」

言葉は短いながらも、大旦那の言葉は涼子の両親の心に、しっかりと響く。


涼子の父は

「いえ、こちらこそです、もともとは涼子が押しかけのように佳宏さんの所へなのですから」

「なんとも格式の高い御家柄、不安だったのです」

「本当に認めていただいて、私たちも、どれほど安心したことか」

「これからも末永くよろしくお願いいたします」


涼子の父の言葉で、奥様と涼子の母は手を取り合って泣き出してしまった。

涼子も祥子を抱いたまま、涙ぐんでいる。


マスターも感激気味。

「たまに佳宏なんて名前で呼ばれるとなあ」

「でも、これでホッとした」


そんなマスターの腕を涼子が少し引っ張った。

涼子

「ねえ、あっちから」


マスターが「え?」と言って、涼子の視線の先を見ると、史が歩いてくる。

そして史の後ろには、ドレスを来た由紀、晃や美智子の顔も見える。


涼子は

「ねえ、史君、回復したみたいだね」

うれしそうな顔になる。


そして、涼子は母の袖を引き

「ねえ、あの男の子が噂の史君、晃さんと美智子さんの息子さん、隣が娘さんの由紀さん、晃さんも美智子さんも見えるでしょ?」


涼子の母は、目を見開いた。

「えーーーー?すっごい美少年!」

「可愛いなんてもんじゃないねえ」

「あらーーーー・・・・」

「晃さんの若い頃に似ている・・・でも、もっと可愛いかも」


大旦那は、そんな涼子の母に

「はい、つい先日まで風邪でダウンしていたんですが、何とか回復したみたいです」


奥様も

「まあ、ようやく間に合ったかな」

と笑っている。






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