第249話史と里奈の横浜デート(11)
あまりにもお土産が多かったので、史は最寄りの駅でタクシーを拾ってから、里奈を自宅に送り届けてから、一旦、帰宅した。
玄関に入ると、母美智子が出てきた。
美智子
「里奈ちゃんのお母様から、お礼の電話がありました」
「何とか成功したみたいだね、ホッとしたよ」
「ああ、ホテルからもね、いろいろと」
と、落ち着いた顔になっている。
史は
「えっとホテルのシェフから挑戦の品だって」
と言うことで、「挑戦の品」を母美智子に渡す。
美智子
「なになに?生意気に」
と言いながら、うれしそうな顔をする。
史は、他にもお土産が多いので、一旦それをリビングに置き、二階にのぼった。
理由としては、姉の由紀にお土産を渡すため。
部屋をノックすると、由紀もすぐに出てきた。
史
「はい、水兵さんのお人形と」
「これはシェフから姉貴にって」
由紀は
「わ!水兵さんだ!うれしい!」
つい本音を言うけれど、シェフからの品も気になる。
その品を手に取り
「ほーーーー・・・」
史も「品」はわかっているようだ。
「後で、少し分けて」
と珍しく、お願いをする。
由紀は首をかしげた。
「後でって?」
「今でいいじゃない」
と言うと
史
「えっとマスターと涼子さんへのお土産」
「その後、店に寄って、お土産を届けてくる」
と、すぐに階段を降りようとする。
由紀
「あ!ちょっと待って!」
史を押しとどめる。
史が
「え?」
と聞き返すと
由紀
「私も行く!」
で、部屋を出てきてしまった。
史が
「え?姉貴と?」
と言うものだから、
由紀
「うるさい!さんざんいい思いしたんだから!」
で、ついつい史の頭をポカリ。
史
「しょうがないなあ、連れてってあげる」
と、文句の一つ。
で、結局、二人で家を出ていってしまった。
残された母美智子
「喫茶部には私が届けてもいいのに、どうせ夜にいくんだから」
「ああ、そういえば、マスターへの挑戦の品もみたいなあ」
「ふむ・・・追っかけるか・・・」
で、母美智子も、二人の後を追っている。
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