第240話史と里奈の横浜デート(2)
史と里奈の横浜デートの当日になった。
由紀は、つまらないのか、史に声もかけない。
だから、史から由紀に声をかけた。
「姉さん、何か横浜で欲しいものある?」
由紀は、史から声をかけられると、悔しさとうれしさが、入り混じる。
「うーん・・・水兵さんのお人形」
我ながら、とっさに思いついてしまった。
これでは、子供みたいだと思ったけれど、史はズンズン階段を降りていってしまった。
史が玄関で靴を履いていると、チャイムが鳴った。
つまり、里奈のお出迎えである。
母美智子も出てきた。
「ほら、さっさと靴を履く!」
「玄関を開ける!」
どうやら母のほうが、里奈に気を使っている。
その史が玄関を開けると、やはり里奈が立っている。
今日は、明るい色の花柄のワンピース。
「おはようございます!」
「今日はよろしくお願いします!」
里奈は、花柄のワンピースにも勝る明るい挨拶をする。
史は
「あ、おはよう!」
それでも、挨拶を返すけれど
美智子
「ほら!史!もっと元気よく!」
「里奈ちゃん、すっごく似合っているね、可愛いねえ」
「史としっかり横浜を散歩してきてね」
と言いながら、里奈に何か耳打ち。
里奈も、ニッコリ笑っている。
二人が玄関を出て行くと
美智子
「うーん・・・里奈ちゃんって、ちゃんとした格好をすると結構美人だ」
「可愛いし、芯も強いなあ」
「史にはベストだ」
少し、ニンマリしている。
由紀は
「うーん・・・里奈ちゃん、最近、かなり可愛くなった」
「なかなか、スタイルもいい」
「史は、幸せものだ」
「時々、トラブルになるけど」
「でもまあ、里奈ちゃんにまかせていれば、大丈夫かな」
と、史と里奈については、「大満足」にはなるけれど・・・
「私もアホだ、なんで18になって水兵さんのお人形?」
「うー・・・」
少し後悔しながら、口に出しているのは
「かもめの水兵さん」の歌だった。
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