第192話史と里奈の御茶ノ水と神保町デート(1)

史と里奈は、御茶ノ水と神保町をデートすることになった。

話の発端としては、

里奈が

「私も源氏物語を読みたい、だから読みやすい本を教えて」と史に迫ったことから。


史は

「そうだなあ、新宿とか渋谷だと、やかましいね」

「本を落ち着いて探すには、神保町かなあ」

「僕の本とか、父さんの本でもいいかなあ」

と、まず自分の家にある本のことを考えたけれど、

里奈は

「えーっと・・・御茶ノ水の神田明神様とかも行ってみたい」

「湯島聖堂も近いんでしょ?」

「湯島天神もあるよね」

最初から、「お出かけデート」に誘導する。

里奈の本心としては

「とにかく独り占めする時間が欲しい」

「そうして、とにかく実績作りが大切だ」

「史君は、おっとり人間だから、無理やりじゃないと動かないことが多々ある」

ということなので、言葉には出さないけれど、懸命に誘導する。


史は

「ああ、そうかあ・・・」

「神田明神様かあ・・・」

「そう言われると行きたくなるなあ」

少しニッコリとする。

そして言葉を続ける。

「神田明神様も境内も好きだしね」

「門前の甘酒屋さんも好き」


里奈は

「へえ・・・レトロ風?」

興味があるようだ。


史は

「この時期だと冷やし甘酒とか」

「甘酒のかき氷とか」

「それから、お店にね、大好物が売っているから買いたいなあ」

行く気がみなぎっている。


里奈

「史君の大好物って?」

少し首をかしげる。

美食家にして、繊細な舌を持つ史の大好物とは・・・

ちょっとジリジリとして、史の言葉を待っている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る