第171話お昼のメニュー(3)

さて美智子、洋子、奈津美の三人がキッチンに入り、試行錯誤の結果作り上げたのは

「スモークサーモンとほうれん草、じゃがいものキッシュ」

鮮やかなピンク色で程よい塩加減のスモークサーモンと、地元産のたっぷり新鮮ほうれん草、これまた地元産の新鮮ジャガイモを使用し、少しドッシリとした食べごたえのあるキッシュに仕上がった。


「ふう・・・なんとか出来たかな」美智子

「うん、これなら紅茶にも珈琲にも合いますね」洋子

「お酒好きでもいいかも」奈津美

三人としては満足な出来らしい。


「それでもさ、一応マスターに味を見てもらう?」

美智子は、少し慎重である。

「うーん・・・マスターかあ・・・」

洋子は、少しためらい気味。

「マスターも味には厳しいけれど、合わせるのが紅茶と珈琲ですし」

奈津美は、マスターより別の「味見係」を考えている。


そんなことを三人で話していると、アルバイトの結衣と彩がキッチンに入ってきた。

「わあ、美味しそうなキッシュ!」結衣

「どうするんですか?本当にキッシュもメニューに?」彩


「ああ、味見をしてからね」美智子

「あなたたちは、作ってもらうのでねえ」洋子

「私も作るけれど」奈津美

やはり「味見係」と「作り係」は別にしたいようだ。


「・・・としたら、マスターと史君でどうですか?」結衣

「あ!由紀ちゃんいれないと、史君がポカリされる」彩


「史と由紀?うーん・・・文句言いそう」美智子

「でも、マスターに食べさせても、何か細かい指摘されそう」洋子

「ああ、もしかするとマスターは夜メニューにいれますよ、それも私たちより上手にアレンジして」奈津美

プロの料理人三人はそれでも、ちょっとためらう。


「私は、両方とも味見するかな」結衣

「ためらっていてもしょうがない、史君と由紀ちゃんとマスターに電話しておきます」

彩はこれで、行動が早い。



まあ、結局、「案ずるより産むが易し」そんな状態で「新メニューキッシュ作り」が進行している。

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