第62話マカロン(1)

このカフェ・ルミエールで、婚約が成立した翔と香奈が、昼間のカフェ・ルミエールに入ってきた。

どうやら洋子に話があるようだ。


「それでね、我が社の雑誌の企画なんですが、お菓子のパーティーです」翔

「とにかく華やかにしたくて、それで洋子さんに」香奈


洋子は、少し考えた。

「そうなると、少し前に予約を入れてもらって」

「ご覧の通り、お客様も多いのでね」

「毎日楽しみに来られる方もいるの」

確かに、洋子の言うとおり、相変わらず満席である。


「そうですね、その点も踏まえてご相談です」翔

「こちらとしても、できるだけ、わかりやすいポスターとかチラシを作らせていただきます」香奈

とにかく、翔と香奈は、呼吸がピッタリ、洋子もこれには笑ってしまった。


「わかりました、後は日程だけですね」

「できれば、企画書のようなものを、お作りいただいて」

「マスターには私から伝えておきます」

「まあ、昼間の喫茶部のことだから、何も言わないとは思いますが」

洋子は、笑顔で承諾をした。

後は、日程と企画書がなければ、話は始まらない。



「その中でね、お菓子の由来とか、そういうのも盛り込みたいのですが、もちろん企画書には必ず入れます」翔

「はい、私は、今日はマカロンについてなんですが・・・」香奈

翔と香奈は、少し粘った。

どうやらマカロンについて聞きたいようだ。


「そうですか・・・マカロンですか・・・」

洋子は、自他ともに認めるマカロンのエキスパートである。

聞かれたからには、応えないといけない。


そんなことで、パテシィエ洋子による「マカロンの由来」講義が始まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る