電脳歌姫の誕生と消滅

作者 板野かも

60

24人が評価しました

★で称える

レビューを書く

ユーザー登録(無料)をして作者を応援しよう! 登録済の方はログインしてください。

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

★★★ Excellent!!!

――

現在の音楽業界ではCDの売り上げが落ち、代わりにライブ収入が増えているとか。
それもそうです。
変化しない録音物よりリアルタイム演奏の方が熱も入ります。
しかも、自分の為だけに歌ってくれるならなおさら。
きっと美音ちゃんも、そんな需要からAIとして生み出されたのではないかと想像してみたり。

そして、ライブ感と同じくらい必要なのが「人間らしさ」。

最初はイライザもかくやといったぽんこつっぷりですが、徐々に人との接し方を覚え表情豊かになっていく美音ちゃんが素敵でした。
例えAIでも、これほど情緒豊かな存在が歌うならきっと聞き入ってしまいます。
去りゆく流行を儚んだり、マスターを心配したり、そうして人に寄り添う彼女が歌う歌は、MP3の録音物より聴く人の心を掻き立てるはず。

あまり歌唱力が評価されていないのも、可愛げがあって好きでした(笑

個人的に面白かったのは、美音ちゃんが雰囲気に合った曲をマスターにおススメするところ。
既にiTunesのようなサービスは再生環境と統合され、宣伝と購入が意識せずに行われているのかな、と思いました。
きっちり〇ASRACと連携してるので、美音ちゃんが既存曲を歌う度著作権料が発生してる……?

現実では阪大の石黒浩教授がロボット演劇を主導したりと、五感を用いた表現の場へもAIやロボットが進出しています。
これらのムーブメントがどのような形で収束するのかまだまだ分かりませんが、本作の様に温かなものであることを願うばかりです。

★★★ Excellent!!!

――

 現実世界でもあともう20年もすれば、AIが搭載されたロボットによって、世界に存在する大概の職種が消えるというニュースを読んだことがあります。逆にAIが代替できないものってなんだろうと考えたときに私はまったく思いつかなかったのですが、アイドルを挙げているのが面白いです。生身の人間の歌唱には敵わない、同種族だからこそ共感が得られるというのも理由としてあるのでしょうか。それによってAIが追い込まれて消滅してしまう、というのは何とも皮肉的だと感じました。

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

さんがに★で称えました

★★★ Excellent!!!

――

コンテスト期間中に「48million」を読ませていただいたときも感じましたが、
この作者様はなんて素敵な感性をお持ちなのでしょう。

人によって命を与えられ、人の都合で用済みとされてゆく電脳歌姫の切なさが、繊細な文章から伝わってきます。
第1話のアイドルソングオンパレードが、最初は笑いどころのように見えて、
後の展開の伏線になっているという構成もお見事でした。

この作者様の作品をもっとたくさん読んでみたい、と思わせてくれる一作です。

★★★ Excellent!!!

――

48系アイドルの歌ばかりがチャートを賑わせる、
どこか私達の現実と地続きのような未来で、
最新AIを搭載した人工の歌姫がけなげにがんばる話。

たったこれだけの短編のなかに、
いくつものドラマが詰まっています。

そして48グループを知っていたら笑えるネタの数々(笑)
どこかで聞いたことのあるような曲名ばかり。
ちゃんと新潟や瀬戸内まで出てきてる!とか。
名古屋のJRコンビ死んじゃったの!みたいな。(笑)

最後の最後まで読み進めて、お別れの歌の曲名を見て、
あああー、美音って、それかあーーー。みたいな。

ほんとこれ面白いです。感動しました。

★★★ Excellent!!!

――

初音ミクを思わせる電脳歌姫の誕生から死までを描いた連作短編。
最初はヒットチャートを馬鹿正直になぞってアイドルソングを歌いまくることしかできなかった「美音」が、
幾度ものアップデートを経て、人の死を悼んだり、失意の女の子を励ましたりすることのできる人工知能へと成長していく。
しかし、作品タイトルに最初から「電脳歌姫の誕生と『消滅』」と予告されていることで、
「美音」の可愛らしさに魅せられれば魅せられるほど、読者はこの後に訪れる別れを予見して切ない思いを抱くことになる。

最後のお別れシーンはAIを扱ったSFでのお決まりパターンだ。
耐用限界を迎えた人工知能が人知れず淘汰され捨てられていく……という使い古されたエンディングだが、
本作はそこに「現実のアイドルによる世界征服」という筋を入れて、電脳歌姫が不要になる過程に説得力を持たせているのが新しい。
「美音」自身が言うように、機械が人を駆逐するのではなく、人が機械を駆逐するという発想の転換は、
SFに慣れた読者を手玉に取るようで実に鮮やかだ。

もちろんそのバックボーンにあるのは、この作者が多くの関連作を通じて展開してきた「国民総アイドル社会」の世界観だ。
あらゆる意味で、この作者にしか書けない作品であると感じる。
アイドルが隆盛を極める裏でひっそりと消えていった電脳歌姫の物語に、誰もが落涙必至だ。

★★★ Excellent!!!

――

読ませていただきました

どのエピソードも泣けたり面白かったりです
これ、未来でのお話なんですよね……
美音ちゃんがうちに来るのは賛成ですが、アイドルの歌しか歌われなかったり、インターネットが廃止になったりとかは絶対にして欲しくないです。やはり今が一番ですね

さんがに★で称えました