乾いた文体で語られる一人の女性の半生の物語

読んだ時、失礼かもしれませんがこう思いました。
「うわっ、文章が上手い」。
イスカという荒涼とした地にふさわしい乾いた重厚な文体が印象的でした。

力こそがパワー!みたいな感じのイスカに、一人の女性がいました。シオン。彼女は戦士になることを望んでいました。そんな中で拾ったのがスオウという少年。彼女は少年を連れ帰りますが、少年がどんどん戦士になっていく中で、シオンは女性であるがゆえに戦士たることを認められず、鬱屈とした日々を送っていました。
そこに起きた内乱——。

内乱の詳細はネタバレになってしまうのであかせませんが、読んでいる中で読者たる私が何度も「こりゃ無理だ」と思った難局にシオンとスオウは立ち向かっていきます。そして過酷な運命を耐えていきます。

そして最後。最後、私は胸がつんと痛みました。
そう、そうだなあと。
スオウはそうなんだよなあ、シオンもそうなんだよなあ、と。

心に残る上質なファンタジーを是非どうぞ〜!

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