神閾

作者 鉈手ココ

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★★★ Excellent!!!

このお話は、高校生の女の子が歳相応に悩みを持ち、
同級生の男の子に好意をはじめ様々な感情を抱き、
そうした日常の青春をしっかりと謳歌するものであり。

同時に、夢の中で日本に古くから住まう神様たちと会い、
現実世界でも人ならざるものと交流を深め、
神様たちのお悩み解決をする不思議の国の物語でもあります。

ゆめとうつつを行き来する、古い日本の神話のように、
ゆめの世界とうつつの世界、ふたつの世界を描きながら、そのどちらも、
これでもかと凝縮された魅力的ドラマであふれたお話になっています。

日常の、ちょっとした青春の物語が見たい。
八百万の神様が登場する、妖しい日本の姿が見たい。
どちらの欲求も、このお話を読めばきっと満たしてくれるでしょう。


血なまぐさく不穏な冒頭からはじまり、
拍子抜けするほどに明るく軽やかな日常に続き、
不思議で愉快な神様たちの姿を拝み――

やがて、主人公の女の子が住む町をおおう何かが暗躍し、
冒頭の「はるか昔の血なまぐさい事件」へとつながっていく。
それが、女の子の青春を動かす流れにもなっていく。

この物語の流れに飲み込まれれば、
知らず手に汗握り、女の子の心情に一喜一憂していることでしょう。
ぜひ、そのうねりに流される体験ができる一読をオススメします。


あと、日本の民話や神話が好きな人にもオススメです。
民間信仰のたぐいから有名所の神様まで、いろいろと出てくるよ!

★★★ Excellent!!!

神様たちと交流するうちに、隠されていた過去が紐解かれてゆく……。
あらすじでは癒やし系怪異譚と紹介されていますが、
深みのあるシリアス展開も楽しめる物語です。
主人公たちの抱える過去が物語の強烈なスパイスとなっています。

ゆめの中で、神々が暮らす領域に訪問できる、
そんな不思議な力を持つ主人公たち。
彼女たちはその力で、神様を、人間を助けていきます。

神様の姿の見えない普通の人たちにとっては、些細な異変。
そして、なんてこともないまま終わった出来事。
だけどその裏には、超常の絆とドラマと、主人公たちの活躍があるのです。

主人公たちは神様たちの領域で、様々な神様と出会います。
神様たちはずっと昔のことだって記憶していて、
それゆえに過去が夢の奥底からその姿を現します。
その過去に私は圧倒されました。

全体的にほんわか&青春しつつも佳境ではビリリッと来ちゃう、
そんな癒やし系ダーク小説をぜひご堪能ください!

★★★ Excellent!!!

夢を通してこっそりかつ大胆に、神様のお手伝いをする少年と少女の物語です。
連作短編という形式で読みやすく、なおかつ読めば読むほどより面白く、より味わい深くなっていきます。

神様、神器、神の遣い。
霊能力、神通力、超常現象。
悪霊、祟り、人ならざるもの。

心躍る設定がたくさん出てきますが、俗っぽくならず、
あたたかく柔らかで、美しく神秘的で、ときに切なく禍々しく。物語に流れる濃厚な空気はかけがえのないものでした。

見所満載の幻想的な物語で、私が何より魅了されたのは、ひたむきな人間の姿です。
夢と現を往き来する中で、少しずつ変わっていく少年と少女、ふたりの距離感と関係性が、すごくドラマチックでとびっきりに熱いのです!!

早くも最終回を見届けたような感動に包まれながらも、第二部が始まる日を心待ちにしております。