第10話 勘繰 かんぐる
「……
「何かしら?」
少女も、多少は気構えたのか先ほどの可愛らしいあざとさはなく……真剣な顔で少年をじっと見た。
「なぜか行く先々、なんでかは正直知らねぇけど、あんたにソックリの人……つーか、その家の関係者だったり、本人が来たりとかしてねぇか? と思ってさ」
そう、なぜか行く『時代』のほぼ全てにこの少女の顔に似た人が来る。
いや、そのソックリの人が来なくても、友人だったり、将来的に家族になっていたり……関係は様々ではあるモノの、なぜかそういう人が訪れるのだ。
「あら、何を言っているの? 『
「まぁ、そうなんだけどよ。でも、最終的には関係者になっちまってんじゃねぇか」
しかし、似てはいなくても将来的には、その人も……家族になっている。ただ、それこそ決定づける『
「…………」
だったら、何かしら否定をすればいいはずなのに、少女はなぜか無言のまま少年の言葉を聞いていた。
「ええ、そうよ。考え過ぎよ」
「…………」
まるでその言い方は「これ以上は聞かないで」と言っているようにも見えたが、少年は一瞬、その雰囲気に飲まれそうになり、ためらった。
「あんまり……
少女の『その言葉』が、全ての答えだと、少年はその時……思ったが、このやりとりはいつもの事である。
だから、ここで退いてしまっては、いつもと何一つ変わらない。それは少年が一番分かっている。
「まさかとは思うが、あんた……」
「…………」
少年は「だからこそ」と思ったのかいつもとは違い、少年は考えながらも言葉を続けたのだが、その事に少女は少し驚きの表情を見せた。
「そんなに……自分の子孫に会いたいのか?」
「……えっ?」
しかし、どうやら少年はなかなかファンタジーな
「あっ……えっ、ええ。そう……ね」
しかし、少女は「まさかそんな事を言われるとは思ってもみなかった」という表情をしたものの、すぐに表情を戻し、
「はぁ、そうか。なんだ、そうだったのか」
なぜか少年は、少女の言葉に納得した様に、そのまま作業部屋へと引っ込んだ。
「ふぅ、よかった。まだ……気付かれる訳にはいかないから」
その姿を見送った後、少女はその言葉を口にした。
「そう、まだ……。まだ、出会っていないもの。それに私一人じゃ……」
そう言葉を続けたていたが、少女はただ一人。
ホッと胸を撫で下ろし、その後「意味がないもの」と言葉を付けたし、口にしていた事を少年……は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます