第3話 変化 へんか
「あっはははっは!
「賢く見えるよー!」
「はははっ!」
「……うるっせぇよっ! お前ら! 」
俺は、本当によく耐えたと思う。
いや、分かってはいた。こうやって
ただやはりいきなり登校するなり、クラスメイトたちに大笑いされるのは……分かっていてもやはり微妙な心境だ。
しかし、実は今日眼鏡をかけるのを一瞬ためらっていたのだが……。
でも俺自身も、
だからこの際、笑われても心境は微妙でもどうとも思わない。そして、こういった友人たちに『笑われる事』は、時間が経てば俺も慣れる。
ちなみに、
「いやー、何度見ても笑える……」
「アハハ! ハハ……ゴフォゴフォ」
「おい、いい加減慣れろ。つーか、お前はむせるな」
ただやはり眼鏡をかけたその日は休み時間になる度に、友人の
「なぁ、
「? 何だ?」
「なんで突然、眼鏡なんて買ったんだ? 視力、悪くなかっただろ?」
しかし、こういった質問が飛んでくるのも、分かっていた反応である。しかし、そういった質問よりも先に『笑い声』が飛んでくる当たり、実に俺たちらしいと思う。
でも、さくらに買ってもらった……。なんて事まで言ってしまったら、それこそさくらの言う『変な噂』がたっちまうだろう……。
ただまぁ、ない頭を使う……とはよく言ったモノで、普段『言い訳』ということをあまりしたことのない人間にとって、『言い訳』を考える……ということだけでも実は、かなり頭を使うという事をこの時、完全に忘れていた。
「おーい、ひーろゆーきくーん。大丈夫かぁ?」
「……最近、ゲームのしすぎで視力が落ちた」
「お前、ゲームド下手だからやらないって言っていたのに、面白いゲームでも見つけたのかよ」
「はっ? 別に何でもいいだろ」
「……いや、珍しすぎんだろ」
「まっ、まぁ苦手なモノをそのままにすんのも……ってな」
でも確かに、良いゲームがあるのは俺にだって分かる。それに、ネットやテレビなど取り上げられ、かなり好評を受けているモノも中にはある事はよく知っている。
ただ、まぁ俺がただ単に下手で「ここからおもしろくなる」と言われているところまでいかないのがちょっとした悩みで、俺がゲームをしない理由である。
「へぇ、本当かぁ?」
「……本当だ」
特に付き合いの長い
ただしばらくすれば、何事もないゆっくりといつも通りの毎日を送れる……そう思っていた……はずなのになぁ。
残念ながら、俺の思いとは
しかし……実はそれには、『ある理由』があった。
「あっ、あの!」
「ん? 何?」
なぜかこの眼鏡をかけてからほとんど顔も知らない女子生徒に声をかけられることが多くなっていた。
ただまぁ……声をかけられているのに無視をする訳にもいかないので、失礼のない様に俺の中で考えられる大人な対応をしていた。
「なっ、なんか
「やっぱり、
しかし俺は元々、女子と会話をすることがなかったわけではない。ただやはり、眼鏡をかけ始めてから周りはもちろん。自分でも違和感を覚えるほど増えていた。
「つーか、さっきの話も別にお前じゃなくても良かったんじゃね?」
「それは俺も思った」
しかも、話かけてくる人の大体は、わざわざ俺に聞かなくてもいい内容がほとんどだ。
「まぁ、でも俺としては『マドンナ』様にお声をかけて欲しいモノだなぁ」
「ああ、いたな。そんな人」
それを考えると……こいつもかなり『お幸せなヤツ』だと思う。そういえば、その『マドンナ』はさくらと同じクラスだったはずだ。
たまにプリントとかで、書かれたクラスがさくらと同じだったことを思い出した。
「なぁ……
「ああ」
当然、俺は驚いていた。俺自身、『イメージチェンジ』というつもりでこの『
「……俺もかけようかな」
「止めとけ、ぜってぇ似合わねぇから」
「えー、でも明らかにその眼鏡をかけてからモテ始めただろ?」
「そんなこと、俺に言われても知らん」
しかし、
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