湖の彼女
彼女が住んでいるのは
東の果ての湖のほとり
彼女が眺めているのは
山の向こう側へと飛ぶ飛行機
彼女は幾度も呟く
飛行機のパイロットの名を
あの日に手をつないだ彼の名を
彼女が住んでいるのは
透明な魚が泳ぐ湖のほとり
彼女が眺めているのは
まっすぐに空を進む飛行機
彼女は繰り返し願う
飛行機のパイロットの無事を
もういちど彼の頬に触れる日を
彼女が佇むのは
人々の祈りが漂う湖のほとり
いとしい人への思いが満ちる湖のほとり
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