第111話 シュティーア遺跡突入
翌日。ルイスパーティと合流したパンダ達は、目的地の遺跡に向けて移動を開始した。
危険度の高い謎の遺跡ということで、道中も何かしらのトラブルがないかと警戒していたが、拍子抜けするほどにあっさりと一行はその遺跡に到着した。
シュティーア遺跡は地下に作られた建造物で、多少人間の手が加わってはいるものの建立当時のままの姿で残っていた。
一面に続く草原の中にぽつんと切り拓かれた場所があり、そこだけが石造りの地面になっている。
地上から観測できるのはおよそ五平方メートルほどの入口のみであり、遺跡は内部に展開している。
「ここか?」
「はい。間違いありません」
ホークの問いにルイスが応える。
各々の馬を降りて近場に待機させると、遺跡の入り口まで歩み寄った。
入口は階段状になっており、地上からでは内部の様子を窺い知ることはできない。
「シュティーアは地下遺跡です。地上の明かりは期待できませんが、先人たちが内部に光源を残してくれているらしいので探索に支障はないはずです。念のためにこちらでも松明などを用意していますのでご安心ください」
「ええ、信頼してるわ」
「よし、じゃあさっさと入ろうぜ!」
アッシュが急かす。
半年の準備期間を設けた大仕事だ。待ちきれないとばかりにワクワクした様子だが、それとは対照的にルゥはずっと緊張したようにおどおどとしていた。
「そうね。じゃあ準備はいい?」
パンダが確認すると、ルゥを除く三人が頷いた。
階段を下りて遺跡に進入すると、不足のない光源が内部を照らしていた。
半永久的に光を発し続ける魔石が都市の店で売られているが、それが等間隔に壁に設置されていた。
この技術は新人類史以降に作られたものだ。ルイスの言葉通り、この遺跡を調査してきた先人たちが設置してくれたのだろう。
淡い赤色が周囲を照らし、念のために持ってきた松明やランタンがなくても十分なほどだった。
「なんか、遺跡って感じじゃないな」
アッシュががっかりしたように言う。
それはパンダも最初に感じたことだ。
内部はあまり整えられておらず、掘削された岩や土がそのまま剥き出しの壁や天井として機能していた。
通路というよりは洞窟と大差ない印象を受けた。
しばらく進むと開けた場所に出るが、そこも四角く削り取ったスペースに天井を支える柱が乱雑に立ち並んでいるだけであり、造形はかなりシンプルだった。
唯一特異な点があるとすれば、それは随所に描かれた壁画だった。
何が描かれているのかはこの場にいる誰にも正確には分からなかった。
文字らしきものも掘られているが解読できるものはいなかった。
言語は魔人史の時代に一度統一されたため、読めない文字が使われているというだけでもこの遺跡が遥か昔の産物だというのが窺える。
「な、なんか……不気味だね」
ビクビクと怯えながら皆の後ろをついてくるルゥは、この場の雰囲気というよりはこの遺跡そのものの前情報にすっかり怯えているようだ。
他の面々に言わせれば、率直なところ今の段階ではまったく不気味な要素はなかった。
むしろ拍子抜けなほどである。
「まっ、とにかく進もうぜ。地図は合ってるんだよな?」
「ああ、問題ないよ」
ルイスは手に持った地図を見ながら頷いた。
この地図も事前に調査して入手したものらしい。既に内部の構造自体は探索され終わっており、マッピングも済んでいる。
パンダも見せてもらったが、それなりの広さはあるもののダンジョンとしてはかなりシンプルな構造をしており、分岐路も少ない。探索する上での障害はなさそうに感じた。
とはいえ実際に遺跡に潜るのはこれが初めてだ。
もし地図との相違があれば警戒が必要だったが、今のところ地図通りの構造をしているようだ。
先行するルイスパーティの背後で、ホークがパンダにだけ聞こえる声で囁いた。
「どうだ。魔力溜まりはありそうか?」
ホークの問いにパンダは首を横に振った。
パンダの右目、青の魔眼は魔力を見通す力を持っている。
もしこの遺跡に魔力溜まりがあるのであればパンダの魔眼で感知できるはずだ。
だが今のところその気配はない。
「……ところで、奴はどこにいる」
「そんなに深くまで行くなって言ってあるから、そろそろ出くわすと思うけど……」
パンダがそう答えたまさにその時。
「――すみませーん。ちょっといいっすかー?」
間の抜けた声が遺跡内に響いた。
ルイス、アッシュ、ルゥの三人が弾かれたように身構える。
その背後でパンダとホークも、振りだけは彼らと同じようにして合わせた。
声は今から進もうとしていた通路の先から。
コツコツと地面を踏み鳴らす音が近づいてきて、声の主が姿を現した。
「――あ、アンデッド!?」
アッシュが剣を抜き構える。
現れたのはキャメルだった。が、変装もしていなければ普段のように顔を隠してもいない。
腐敗した肉体をそのまま晒しており、誰の目にもアンデッドであると分かる姿だった。
「ちょちょ、ちょっとタンマタンマ。争う気はないんすよほんと! 落ち着いてくださいっす!」
「……会話が出来る相手のようだね」
ルイスが驚いたように呟いた。
アンデッドにも様々な種類が存在するが、基本的には死者であることが多い。
そのため会話が出来る者は多くはないのだが、目の前の女性は明らかに知性を持っている。それが不思議なようだった。
「も、もしかしてこのアンデッドが神隠しの原因……?」
「とりあえず話を聞いてみましょ」
話が変な方向に転ばないようにパンダがフォローする。
軽く目配せをすると、キャメルは小さく頷いた。
「あたしはキャメルっていうっす。見ての通りアンデッドなんすけど、つい数日前にこの遺跡に迷い込んじゃったんすよ。怪しい者じゃないっす」
「……ここで何をしてるんですか?」
「いやぁ、あたしはただ世界を放浪してる旅人アンデッドでして。この遺跡に入っちゃったのも偶然なんす。なんかお宝ないかな~って探索中なんすよ。あ、よかったら一緒に行動しないっすか? やっぱ魔物とかいたら怖いんで助けてほしいっす」
「……僕たちにメリットがないように感じますけど」
「そんなことないっす。これでもあたし、生前はトレジャーハンターだったんす。トラップの解除とか鍵開けとかいろいろできるっすよ! 絶対役に立つっす!」
「……どう思います?」
ルイスがパンダとホークに尋ねた。
判断を二人に委ねるつもりのようだが、それは二人にとってもより好都合だった。
「特に脅威には感じないな。ただの雑魚アンデッドだ」
「そうね。一緒に行ってあげてもいいんじゃないかしら。財宝が目当てなら、報酬は見つけたアイテムを山分けってことでいいわよね?」
「はいっすはいっす! それで全然オッケーっすよ!」
「まあ……お二人がそう仰るなら」
あまりにも怪しすぎるが、二人が許可するのであればいいか、とルイスも納得した。
もともとこの遺跡で入手したアイテム類は全て二人に譲る約束だった。ならばキャメルへの配当もそこから割り振られることになる。
不審人物を一人同行させるというリスクはあるが、報酬面ではルイス達にデメリットはない。もし本当にキャメルが使い物になるのであれば、むしろ丸儲けだ。
ただでさえ危険な遺跡に挑むのだ、味方はどれだけいても困らない。
見たところ戦闘能力は高くなさそうだ。ホークを出し抜いて何か悪さができるような人物には見えなかった。
「では、短い間かもしれませんがよろしくお願いします」
「よろしくっす~」
「安心しろ。こいつがおかしな真似をすれば私が撃ち殺す」
「はい。お願いします」
「そ、そんな心配いらないっすよ~……」
へへへ、と引きつった笑みを浮かべながら一行に加わるキャメル。
素知らぬ顔で挨拶してくるパンダを、キャメルはジトッとした目で見遣った。
――ひとまず上手くいったっすけど……ほんと人使い荒いっすよ姐御……。
キャメルがパンダ達のパーティの一員だと周囲の人間に知られるのは避けたい。
そういう事情から、ルイス達と行動を共にすると聞かされたときは、キャメルは久々に任務もなく休めると喜んだ。
パンダ達が遺跡に潜っている間はオフになると思っていたからだ。
しかしその直後、馬鹿なことを言うなとパンダにデコピンされた。
キャメルはパンダパーティの一員であることを隠しながら、この遺跡に同行することを命令された。
先程キャメルが自身で語ったように、キャメルの持つ盗賊スキルはこういう未踏の地を探索する際にこそ有用なものが多い。
宿屋で寝かせておくつもりなどパンダには毛頭なかった。
適当な理由をでっちあげて、偶然を装ってパーティに合流させた。
事情を知っているパンダとホークが許可すれば、ルイス達も強く反対はできないだろう。報酬面でのデメリットがない事も確約させる。
それらの案は全てキャメルに丸投げされており、失敗が許されないキャメルは必死に自身の設定を作り込んで何度も演技の練習を行った。
そこはまだそれほど苦ではなかったのだが、問題はむしろその前にあった。
馬を使って移動すると、適当な場所で馬を待機させるとルイス達に見つかってしまうかもしれないし、使い捨てるには馬は高価過ぎる。
そのためキャメルは馬でも片道二時間はかかるこの距離を徒歩で移動させられ、道中で魔物やバラディアの兵士に見つからないことを祈りながら一晩中走ることになったのだ。
しかも先行して遺跡に入っている必要があったため、たった一人で神隠しの恐怖に怯えながらパンダ達を待っていたのだ。
原因不明の神隠しが自分の身に降りかからないことを祈りながら、ビクビクと何時間も震えてパンダの到着を待つのは大きな心労を伴った。
――これでタダ働きとか……マジ冗談じゃないっすよ!
内心でパンダをボロカスに貶しながら、一方で無事二人に合流できたことを心から安堵してもいた。
あとは流れに任せるしかない。
所詮キャメルは便利な使い走り。そんな待遇にも盗賊団時代からお馴染みだ。今更文句はないが、とにかく何事もなく終わってほしいと願うばかりだった。
「なあキャメル、あんたって元は人間だったのか?」
遺跡を進みながら、早速慣れ慣れしく話しかけてくるアッシュ。
うざいなあ、と唾を吐きかけてやりたい衝動を抑えながら、キャメルは表面上はにこやかに答えた。
「そうっすね~。なんの因果かこんな体になっちゃったんすよ」
「呪いかなんか受けちまったのか? 難儀だな。やっぱいろいろ大変なのか?」
「ん~、まあ元の身体が恋しいのは事実っすけど、これはこれで案外便利っすよ。食事も睡眠も必要ないし、一晩中ずっと走っても疲れないっすからね」
パンダへの嫌味を込めてねちっこく言ってやったが、パンダは意にも介さず口笛を吹きながら遺跡探索を満喫していた。
「無駄口はいいから、貴様は周囲を警戒しろ。特にトラップの有無だ。そのために一緒に行動してるんだろ」
「わ、分かってるっすよ……」
ホークのプレッシャーにたじたじになりながら、キャメルは周囲に気を配って進んだ。
先行して遺跡に潜った後もキャメルはあまり奥へは進んでいない。万が一迷うと大変だし、奥に進むと神隠しに遭うような気がして怖くて進めなかった。
ホークの言う通り万が一にでも不要にトラップにかかってしまったら目も当てられない。キャメルの命はパンダに握られているのだ。彼女の言葉一つでキャメルは問答無用で自害させられる可能性すらある。
無様な姿は見せられない。魔人と盟約を結んだ者にとって逃げられない宿命だ。
……だが、ハッキリ言って警戒すべきものなど何一つもなかった。
正面からの戦いを好まないキャメルにとってトラップは常套手段だ。かつてはセドガニアの飲食街近くの裏路地を丸ごとトラップゾーンにして狩場として使っていたことすらあるのだ。
トラップはお手の物。少し注意して見れば、よほど巧妙なものでなければトラップを看破する自信があった。
だがそんな気張りもが虚しくなるほど、遺跡にはそれらしいものが仕掛けられている痕跡は全く見当たらなかった。
遺跡の入り口付近は特に念入りに調べたので間違いない。ということは、これで遺跡に仕掛けられたトラップによって神隠しが起こっている可能性はほぼないと見ていい。
パンダの魔眼が何も異常を検知できていないことから、何らかの魔法による可能性もない。
確かに魔物も生息していない。一匹たりともおらず、気配も痕跡も一切ない。
ルイス達は遺跡に住み着いた亡霊の仕業だと考えているようだが、今のところそんな気配もまるでない。
……ただひたすら、無人の遺跡だけがポツンと存在している。
そんな移動が数十分ほど続き、一行の中に僅かに弛緩した空気が流れ始める。
「なあルイス、今どのへんだ?」
「もう半分は過ぎてるね。地図によればこの辺りから少しずつ分岐路が増えてくるけど、全然複雑ではないから大丈夫だよ」
「ほんとに何も出てこないね……」
先程までずっと怯えていたルゥもこの状況に少しずつ落ち着きを取り戻してきたのか、口調が穏やかになっていた。
「そもそも神隠しは起きたり起きなかったりするわけだから、私たちが外れでも不思議はないわね」
パンダの言葉にルイスも頷く。
「そうですね。長期戦は覚悟していました。ちゃんとキャンプ用の装備も用意してますので」
「何から何までごめんなさいね。とっても助かるわぁ」
一行の意識は早くも今日の探索から離れだしていた。
調査によると、最深部まで進んでから出口まで戻ったその瞬間に神隠しにあったという話すらあるのだから、まだ最深部にすら到達していない今の段階でこんな話をするのは早計に過ぎる。
が、あまりにも何も起きなさ過ぎるために緊張感が少しずつ薄れてきてしまっていた。
「亡霊どころか、本当に魔物の一匹もいないんだなぁ。アンデッドは一人いたけど」
「どうですかホークさん、何か感じますか?」
ルイスの問いにも、ホークは首を横に振るしかなかった。
「何も。たとえ死霊でも、同じ場所に住み着いているのなら出会っていなくとも気配は感じそうなものだが」
「そうねぇ、今のところ本当にただの遺跡って感じだし――――ぁぐっ……!?」
不意にパンダが頭を押さえてその場にうずくまった。
他の面々が足を止め、訝しそうにパンダを見た。
「どうしたパンダ」
「て、敵っすか!?」
「いえ……なんでもないわ」
パンダは数秒ほどふらついていたが、それもすぐに収まりしっかりとした足取りで立ち上がった。
「ちょっと頭痛というか、立ち眩みしただけ。心配させてごめんなさい」
パンダは軽く頭を振ると、何事もなかったように歩き出した。
ルイス達はそれで納得したのか、さして気にすることもなく先へ進みだした。
そんな中、ホークだけがやや神妙な顔でパンダに声をかけた。
「本当に大丈夫か?」
「あら心配してくれるの? やっさし~♪」
「場所が場所だ。何か異変が起きたなら隠すなと言いたいだけだ」
「心配しないで。確かにちょっと変な感じあったけど、大したことじゃ――」
「――あれ? おかしいなあ……」
すると今度はルイスが戸惑いの声をあげた。
戦闘を歩いていたルイスが立ち止まったので、一行もその場で止まった。
「どうしたルイス?」
「いや、この先……地図だとY字路のはずなんだけど……」
「……あれ、分かれ道が三つあるね」
ルゥの言葉通り、進路は三つの道に分かれていた。
直進するルートと、それを中心に左右に伸びる通が二つの十字路。
マッピングした者がどう間違えても、ここをY字路とは記録しないだろう。
「地図が間違ってるのか?」
「……ここまではずっと正確だったのに、いきなりこんなに変わるかな」
「じゃあ道を間違ったんじゃね? 一旦戻ってみようぜ」
アッシュの提案を受け、ルイス達は後ろを振り返り、
「――待て」
それを、ホークが制止した。
先ほどまでとは違い、明らかに堅い声音。ホークはホルスターの魔法銃の銃把に手をかけ、背後の道を鋭い目つきで見つめていた。
「どうかしましたか、ホークさん」
「……私たちは……こんな道を通ってきたか?」
ホークの言葉の意味を理解できずに当惑するルイス達。
だがパンダだけはハッと目を見開き、腰につけていたランタンを前にかざした。
「明かりをちょうだい!」
パンダが大声で言うと、ルイス達もランタンや松明を広範囲にかざして周囲を照らした。
光源が増え、遺跡内部がはっきりと視認できるようになる。
パンダは周囲をぐるりと見回し、驚いたように呻く。
「……違う。こんな道は通ってないわ」
「そ、そうですか? 僕はあまり覚えてませんが……」
「いや、確かにこれは変っすよ」
キャメルが近場の壁に手を這わせて、掌で軽く壁面をさすった。
「あたしは周囲にトラップがないかずっと注意してたから分かるっす。遺跡の壁はこんなに綺麗に整地されてなかったっすよ」
キャメルの言葉に、ルイスパーティの面々も異変に気付いたのか周囲の壁を確認し始めた。
「た、確かに……」
遺跡は地下を掘り進んだままの形を残しており、壁も地面もデコボコだったはずだ。
しかし今一行がいる場所は、壁や地面が明らかに平らに均されている。こんな道を通っていれば気づいたはずだ。
「……戻るぞ、何かおかしい」
ホークの言葉に従い、一行は来た道を引き返す。
先ほどまでの弛緩した空気は一気に消え去り、途端に緊張感に包まれる。
キャメルは改めて周囲にトラップがないかを警戒し、パンダは青の魔眼で魔力的な異常がないかを確認する。
だが異変は、より明確な形で現れた。
「――な、なんだこれ!?」
アッシュが信じられないという様に駆け出した。
最後尾にいたパンダを抜き去り、来た道を戻り……その足取りは数歩もすれば止まった。
通路は突き当りになっていた。そこから直角に右に折れるL字路になっている。
「ちょ、直角!? 俺達そんな風に曲がってないよな!?」
焦燥感に満ちたアッシュの問いかけに、誰も答えられなかった。
だが誰もがアッシュと同じ疑問を抱いていた。
今まで進んできた通路は整地もされていなければ、曲がり道もなだらかな曲線ばかりだった。
ここまではっきりと直角に曲がる道が一度でもあれば覚えているはずだ。
「地図にも……こんな道はありません」
ルイスは穴が空きそうなほど地図を凝視するが、どう見てもこんな風に曲がる道はここまでなかったはずだ。
「も、戻る道を間違えたんじゃ……!?」
ルゥが怯え切って震えた声で尋ねる。そうであってほしいという願いのようにも聞こえたが、それはすぐに否定された。
「それはないわ。ここまで一本道で戻ってきたし、周囲もしっかり明かりで照らしてた。分岐路を見落としたとは思えないわ」
「じゃ、じゃあ……なんで……なんで……?」
今にも泣き出しそうなルゥの肩に、ルイスがそっと手を沿えてなだめる。
「ホークさん、どう思いますか?」
「さあな。……パンダ、お前は?」
「私にもさっぱりよ。……でも」
パンダはそこでニヤリと楽しそうな笑みを浮かべ、妖しい舌先が唇を舐めた。
「なんだか面白そうなことが起こってるのは分かるわ」
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