第49話 鬼岩城にて


かぽーん。



ここは悪魔城最上階にある露天風呂「鬼岩城」

ゴツゴツした黒い岩山の谷合に造られた浴槽には、岩肌から止めどなく湧き出すエメラルドグリーンのお湯が、湯気を燻らせながら軽く小花の薫りをまとって流れ込んでいる。

まるでさながら桃源の様な妖しさだ。


「バス〇リンじゃないですか…。」


ウィズはさも残念そうに大きなため息をついた。


「そうよ?私大好きなの♪」


そう言って笑うターニャは、一糸まとわぬ美しい裸体を湯船に揺蕩えて、入口でカチコチに固まって針金のようになっているリヴァイアサンに手招きをした。


「レヴィ?おいでおいで。」


リヴァイアサンは音が鳴るほどギクシャクしながら


「よっ よろしいので? そっ それでわっ 不死の姫君がっ」


くすくす笑うターニャ。


「そんなに恐がんないで良いわよレヴィ? 私が良いって言ってるんだからおいで。 昔みたいに身体洗ってよ。」


「ぎょっ 御意。 不死の姫君。御失礼をば。」


そう言うとリヴァイアサンは、ぬるりと湯船に入り込んで、三メートルのニシキヘビくらいに縮んだ。

ウィズは、バスタオルでしっかりと身体を覆って身構える。

それを見たターニャが、湯船からにょっきりと頭だけ出したリヴァイアサンを撫でながら


「ウィズもそんなに恐がんないで?

レヴィは口はあんまり良くないけどほんとに優しい子なのよ?」


「…いやー。でも地上最強生物ですよねー…さすがに…ちょっと…」


ガックリうなだれるリヴァイアサン。

ターニャがよしよしと頭を撫でる。


「まぁいいわ。徐々に馴れるわよ。

じゃぁレヴィ。私を洗って?12年ぶり…かなぁ。ふふふ。」


「御意。」


ターニャが手を大きく広げて湯船から立つと、リヴァイアサンが器用に彼女に巻きついた。彼女はそこにボディーソープをかける。


「すっごい気持ちいいの。さっぱりするからウィズもやってもらったら?」


その声を合図に、リヴァイアサンの黒光りした身体が細かく振動を始める。

鱗を細かく震わせているようだ。

そのまま巻きついた身体を前後する。

みるみる彼女たちは泡に包まれ、リヴァイアサンの動きも滑らかによりスピードを増した。


「……は……ぁっ……ん…ぁあん…はっ…あっ…あっ…」


少しずつターニャの口から悩ましげな声が漏れ始める。


「うん…んっ…んっ…はっ…はぁん…」


リヴァイアサンの身体が彼女の身体を蠢くと、形の良いふくよかな胸が躍り、だんだんと桜色に変化する。


リヴァイアサンはそのままゆっくりと、ターニャの下半身へとその滑った身体を蠢かせる。


「きゃ‼…ぁぁああん……ぁっ…はぁぁ…は…んっ…はぁぁあん!…ぁっ!…ちょっ?……ぁぁん…ちょっとレヴィ?!待って?……ぁ…あ…は…ぁぁああん。」


動きを止めたリヴァイアサンが彼女に首を向ける。


「どうされました?姫?少々強くございましたか?」


顔や身体を上気させて真っ赤になったターニャが、肩で息をしながら途切れ途切れに言う。

若干身体がビクビクしている。


「…はぁ…あの…ね。…はぁ…はぁ…気持ち…いいん…ぁん……だけどね。…はぁぁぁ…。…良すぎて…イっちゃいそう…。そりゃそうよね。私ももう大人だもんね。」


ウィズが羨ましそうに見ている。

ターニャはくすっと笑って


「…良かったら、やってもらう?」


「……お願いしたい…です。」


ウィズは真っ赤な顔でバスタオルをほどいた。



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