第21話

 タブレットの指示に従いって操作していき、【こちらを購入しますかY/N】と最終確認が表示される。僕は迷わずYを押すもブーッと警告音のようなものが鳴ってしまう。


「あれ?」

 首を傾げる僕。


「あ、今の音は警告音ですね。ポイントが足りていなかったり、ホルダーが埋まっていてスキルをセットできないときに鳴ります。もしかしてポイントが足りなかったですか?」

 と、受付の女の子が聞いてくる。


「いや、ポイントはあったからホルダーの方かな……っと」

 と、僕はタブレットを操作してホルダーの状態を確認する。




 すると――


【スキル】


 ●【異世界語】(語学が堪能になる)

 ●【簡易鑑定】(簡単な判別が可能)

 ●【アイテムボックス】(アイテムを収納できる空間を作れる)

 ○【空き】

 ○【空き】



 ――ホルダーが三つ埋まっていた。




(なるほど、アイテムボックスとかはスキル扱いなのか……。でも異能は違うんだな)


 どうやらこの世界に来るときにもらったものがスキルとして判定されてしまったようだ。そして異能である【塩】はスキルとしてカウントされていなかった。


 さっきタブレットで購入できるスキルの一覧をざっと見たが異世界語やアイテムボックスなんてスキルはなかった。

 つまり、一旦消去してしまうと再度収得することは叶わないってことだろう。



(消したら再購入できないスキルなんて消去できるわけないよね……)


 異世界語がなくなれば確実に詰む。


 アイテムボックスはなくてもなんとかなるが、あると便利すぎる。


 簡易鑑定は消してもいい気もするが他人のレベルを知れる方法は今のところコレのみだ。


 全てに使える要素があり、消すという発想に結びつかない。



 だがこの三つのスキルを持ったままだと空きホルダーが二つしかない。

 ポイントのことを考えなければホルダー追加は後二回行えるので最大で空きホルダーは四つということになる。


(まあ、はじめてだし、あまり悩まず気楽に選んでみるか)


 色々思うところもあるが失敗すれば消せばいい。

 そう考えることにする。

 はじめから最適のスキルなんて見つかるはずもないのだ。


 コスト一のスキルなら消去に一、トータルで二ポイントしか減らない。

 ここでセットしたスキルが二つとも失敗だったとしてもマイナス四ポイント。

 それくらいなら充分取り返しもつく。


 僕は自分にそう言い聞かせ、スキル一覧を見つめる。


 ……何か良さそうなスキルはないだろうか。



(折角の異世界なんだしやっぱり魔法は使ってみたいよな……)


 折角異世界に来たわけだし、ファイヤーボールとか叫びながら火の玉の一つも撃ってみたいわけで。


「よしっ」

 決心した僕は初級攻撃魔法を選択する。

 が、ブーっと警告音が鳴ってしまう。


「あれ?」


 空きホルダー、必要ポイント両方問題ないはずだ。

 なのになぜだろう。


「どうされました?」

「いや、ホルダーもポイントも足りているはずなのに警告音が鳴っちゃいました」


「あ、もしかしてそのスキル、文字が灰色の表示になっていませんか?」

「ん〜、なってますね」


 受付の女の子に言われて確認してみると確かに灰色の表示だった。


「灰色の表示はその人が収得不可能なスキルとなっています。人によって個性は様々、適正がない場合もあるのですよ」

「な、なるほど」


 受付の女の子に言われて改めてスキル一覧を確認してみる。

 すると僕は探索系スキルと魔法の類が全て灰色表示となっていた。



(これはショックだなぁ……。おっ!)


 と思っていたら一つだけセットできる魔法スキルを発見する。


 それは生活魔法というスキルだった。

 どうやら家事全般に使えるような魔法らしい。

 僕は何も迷わず、それを選択する。



(とりあえずは後一個取って、ホルダー追加はまた今度にするか)


 残されたホルダーは一つ。


 ここは武器を扱うスキルを取っておきたい。

 リリアンナさんにも武器の扱いが素人と言われたし、これから先必要になること間違いなしだ。


(ん〜、どれがいいだろう)

 と、それぞれの武器スキルを眺める。


 それぞれ一長一短がある感じがするし、ここは普通に剣術がいいのではないだろうか。接近するのが怖いのでできれば槍術か弓術でいきたいところだが、槍だと狭い屋内や木が多い森の中で使うのが大変そうだし、弓は矢の数に制限がある。


 そうなってくると一番無難なのが剣術だろうと考える。

 僕は剣術スキルを購入し、最後のホルダーへセットする。



(よし、こんなものかな……)


 とセットしたスキルを確認してみる。




【スキル】


 ●【異世界語】(語学が堪能になる)

 ●【簡易鑑定】(簡単な判別が可能)

 ●【アイテムボックス】(アイテムを収納できる空間を作れる)

 ●【超生活魔法】(家事に関する魔法が超使える)

 ●【超剣術】(剣の扱いが超うまくなる)



(……ん?)



 何か一文字多い気がしたので目をこすって再度スキルを確認してみる。



 ●【異世界語】(語学が堪能になる)

 ●【簡易鑑定】(簡単な判別が可能)

 ●【アイテムボックス】(アイテムを収納できる空間を作れる)

 ●【超生活魔法】(家事に関する魔法が超使える)

 ●【超剣術】(剣の扱いが超うまくなる)



「ええっ!?」



 購入したスキルは何故か頭に超の文字が追加され、それに担ってパワーアップしている感じがした……。というかスキルの説明文の超がついている位置がなんともあれだ。


「どうかされましたか?」

 受付の女の子が僕の声に驚いて聞いてくる。


「あ、いえ。大丈夫デス」

 ここでスキルの異変について話せばややこしいことになると悟った僕は咄嗟に平静を装った。


 ちょっと慌ててしまったが多分大丈夫だろう。

 異能と一緒で超がついたのは特典的な要素なのではないだろうか。

 そう自分に言い聞かせて納得する事にする。


「コロは決まった?」


 自分のセットが終わったのでコロに進捗を尋ねる。

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