No.34『ニンニン!』
佐原「ニンニン!」
根岸「なんだ、元気そうじゃないか」
佐原「ニンジャでござる!」
根岸「バイクで事故って入院してるって聞いたけど、頭でも打ったのか?」
佐原「否、至って健康でござるよ」
根岸「じゃあなんだよそのしゃべり方は」
佐原「だから、ニンジャ」
根岸「何でニンジャになっちゃったんだよ」
佐原「怪我忍でござる」
根岸「しょうもない!」
佐原「ニンニン!」
根岸「じゃあ何か、その顔の包帯ぐるぐるも……」
佐原「無論、ニンジャは隠密活動が常、素顔を見られては困るでござる」
根岸「うわぁ……。じゃあ頭怪我したわけでもないのか」
佐原「うむ、拙者バイクで事故った直後に腹痛で病院に担ぎ込まれたでござるよ」
根岸「腹痛?」
佐原「お昼に食べた忍者食が原因だったみたいでござる」
根岸「へぇ」
佐原「そのときは急病忍でござるな」
根岸「じゃあ今怪我忍ですら無いじゃないか」
佐原「入忍患者でござるな」
根岸「入院患者な」
ガラッ
佐原「おう、あれ、根岸じゃん、見舞いに来るの夕方って言ってなかった?」
根岸「あ、うん、仕事が早く終わったから――って、アレ?佐原?」
佐原「おう、佐原だぞ」
根岸「じゃあこっちの包帯ぐるぐる巻きなのは誰だよ」
佐原「ニンジャだろ?」
根岸「え、あ、そうか、ニンジャか」
忍者「忍法、変わり身の術!」
根岸「そういう術じゃねぇよ!」
佐原「細かいなー根岸、どっちも似たようなもんじゃないか、佐原だよ佐原」
根岸「いや佐原はお前だろう、こっちのニンジャは何なんだよ」
佐原「バカ言え、佐原ってのは忍びの一族の名前だぞ、俺も佐原ならこいつも佐原だ」
根岸「そんな伊賀とか甲賀みたいな」
佐原「うむ、本来は伊賀と甲賀と佐原の三派が主流だったんだがな、佐原は忍びすぎて存在が歴史から消えちゃった」
根岸「えー、なにその設定」
佐原「まあほら、人類のほとんどはニンジャだし?」
根岸「違うだろう、なんで一般人が少数みたいな感じになってるんだ」
佐原「バカだなー、忍と忍の間で生きるからニンゲンって言うんだぞ」
根岸「忍間!?」
閉幕
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。