第17話 猫が島に来た事情
Trap(トラップ): 捕獲すること
Neuter(ニューター): 不妊手術のこと
Return(リターン): 猫を元の場所に戻す
上記を略してTNRと呼び、保健所に処分される猫の数を減らす目的と、
TNRを行われた証に猫の耳先をカットして去勢済みの目印にする事により保健所に連れていかれる確率を下げている。
耳の形がまるで桜の花びらのように見える事から『さくらねこ」という。
猫は犬と違い、攻撃性が低い為に保健所は猫を積極的には捕獲せず、処分される猫の大半が、捕まった物では無く飼い主本人による持ち込みである。
飼い主も殺処分される為に持ち込むケースは少なく、大半が次の飼い主を探してくれると期待してのものであるが、飼育不可の物件で飼っていた飼い主の場合は職員はその事実を見逃すわけにはいかず、その場でどうするか決断を迫らざる負えない。
本来飼えなくなった動物は、保健所では無く、保護団体を探して引き取り先を探しておく事を知らずに飼うケースが悲劇を生んでいる一端だろう。
とある公園の猫達を中心にTNRを行うボランティア団体がいた。
とある公園が区画整理の為に猫達を排除する旨が通達された事から話は始まる。
全ての動物愛護団体がNPOというわけではなく、個人同士の繋がりで細々と活動を続けている所もある。
猫達が島に移り住む10年前からTNR活動に関わり、猫達が移り住む5年前にはボランティア団体を立ち上げたが、あくまでもNPOではなく、連絡網のようなもので善意だけで繋がっているが、10人前後の出入りのある自由な集まりである。
とある公園のボランティア団体の取りあえずの代表である久保田和子が、友人である元警察犬訓練士・八重樫久恵にどうしたものかと相談を持ちかけた。
最近八重樫が犬とともに個人所有の島に渡った事を聞いたので、何かいい案があるのではと考えたからだった。
久保田氏が島の主に尋ねた所、畑の害獣(主に鳥)の駆除を猫達が行う事と、猫にかかる諸経費は自己負担であるならば可と返答があり、犬が移り住んでから5年後にとある公園の猫の中で、猫エイズのキャリアではない事と、去勢をしている事の条件にあてはまるものだけが島に移り住み、それ以外の猫はボランティア団体で手分けして引き取る事になった。
当初は10匹程だった猫達は、その後最大30匹に迄受け入れ数が増える事になる。
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昨日は予約投稿したつもりがし忘れていました。
楽しみにしていた方がいらっしゃいましたら、申し訳ありませんでした。
明日投稿分の内容は未定です。
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