僕≠僕

自分が失われてしまうような感覚を、

今まで 何度か味わってきた。

自分が 何ものだかわからなくなるような錯覚を、

今まで 何度も味わってきた。


僕は誰だろう。

何をしているのだろう。何がしたいのだろう。

誰かに必要とされているだろうか。ここにいていいのだろうか。

許されているだろうか。愛されているだろうか。

君は僕を見ているだろうか。

僕の声は君に届いているだろうか。

そしてそれらは 全て『僕』にまつわるものだったろうか。


僕でなければいけないのだと、

僕自身に しつこいくらいに言い聞かせてきた。

耳をふさいで、誰の声もはねつけて、

僕は僕にそう言い聞かせてきた。


だけど 彼らの口はそうは言っていないのだ。

彼らの唇が真意をなぞるごとに、

僕のカケラは失われていく。


僕は、僕だろうか?



~僕≠僕~

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