緑色の幻想

雪、雪、真っ白な雪。

僕等の上にも降ってきたよ。

細い枝にも積もり始めた白い雪。

長くてくるっとカールした あなたのまつげにそっと乗る。

僕の吐息で溶かしてしまおう。

寒さも厳しくなってきたからマフラーでも用意して。

2人だから 気温マイナスでもあったかい。


夜に降り始めた雪。

窓から独りのぞいていると物悲しい。

けれど心の底で声を上げる。

今すぐあなたに伝えたい。

雪の街。

珍しくもない風景。

同じ街に住む人に 雪の便りを報せたいと思ったのは

後にも先にもあなただけだった。


この窓から見える風景を このまま切り取れたらいいのに。

絵葉書にして あなたにそっと届けます。

何も言葉は添えません。

ただ僕の名前だけで伝われば。

真っ白な雪。

真っ白な葉書。

僕の名前だけで伝われば……。


僕の前

頬 赤らめたあなたが立っている。




              ~緑色の幻想~


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