月夜の狼

黄色の花 咲いた夜 僕はカワラズ恋してました。

あの花見上げ 笑みこぼし ついでに大声上げて

本能むき出しの大馬鹿野郎

取り返しのつかない今に 僕はなす術もなく。


歌声が響いてました。

君が歌ってた。

カワイイ顔して力強い歌声。

たぶんみんなだまされてる。

ちがうんだ。

僕が好きなあの娘は

誰よりも女らしくて。

誰よりも愛らしくて。

ただ その口調にだまされてるんだよ、みんな。

ホラ、見ろ!

昼飯作ってる姿、勇気があったら抱きしめたいくらい。

“カワイイね”って言ったら

両頬染めて照れ隠し

あの娘の女らしさ見つける度

戸惑いながらも嬉しくなるんだ。


あれだけカワイイから いい相手はすぐ見つかるね。

みんなほっとかないでしょう?

なんたって 僕が好きになったくらいですから。


黄色の花 咲いた夜 僕はカワラズ恋してました。

誰が君以外の女など好きになるか!

なのに 今僕は

君に似たカワイイ娘ばかりに惹かれてるのです。




              ~月夜の狼~

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