詩人の誓い

《二度と同じ言葉は使わない》と

そう誓った詩人が

存在する全ての言葉を使い切ってしまったなら

いったい どうしてあの子に愛を伝えるだろう。

詩人のくせに詩を捨てて 身振り手振りで伝えるだろか。

誓いを破り いつかの言葉を使うだろうか?

問題なのは 彼が誇り高き詩人だということだ。



詩の他に彼に才はない。

誓いを捨てた詩人に 真実の詩はうたえない。

愛の言葉を伝えられない詩人とは

何と儚き世の夢か。



彼は泣いた。

何日も過ぎたある夜に 誰にも知られることなく、彼は泣いた。




              ~詩人の誓い~


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