その話の続き

その話の続きをしよう。

まあ、その辺に腰かけて、

温かなマグカップを両手で包み込んだら

賑やかな物語が始まるから。

僕はうさぎではないけれど、

楽しい世界に招待するよ。


君の目に映るすべて

きっと新しいものではないだろう。

いつかどこかで見た景色ばかり。

だけど、君の為の景色。

この世のすべてが

君の為だけに用意した景色なんだ。


君の為の景色を

ちょっとだけ、僕にも分けてね。

代わりに、

僕だけの景色を見せてあげるよ。

それらの景色はやがて僕らの為の景色になるだろう。


けして美しくはないけれど、

けして特別ではないけれど、

けして新しくはないけれど、

唯一ではないけれど、ありふれた色だけど、

それは間違いなく

僕らの為の景色。




              ~その話の続き~


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