光と闇の音

浜辺で拾った貝殻に耳当てて

僕は黙って目を閉じた。

それは波の音か。

逃れられない闇の音か。

僕には知る術もなく……。


そっと手を伸ばせば

そこに広がるのは

どうしても深い闇で、

その闇が、僕の心の奥底にも存在するはずで、

だけど全身でその闇を否定しているんだ。


夜の闇と

貝殻の中の闇と

僕自身とが重なって、なかなか離れようとしなくて

このまま溶けて混ざってしまうのではないかと

そんな風に思った。


この身が朽ちて果てたなら、

僕は闇へと還るだろうか。

その間際だけでも

君のように光るあの場所に行けるだろうか

相応しいとか相応しくないとか

そんなことが問題じゃないならば

僕の願いはただ一つ。

光の音が聴こえる方へ。




              ~光と闇の音~


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます