やがて心に宿るもの

海沿いを歩いていくと

一人の女が何かを眺めていた。


何を眺めていただろう。

彼女の視線の先にあるであろうものが

今の僕には見えず、

それが何であるかの見当もつかなかった。

彼女は何かを眺め

そっと唇を動かした。


僕の視界にも

その何かは、きっと入っていたのだろう。

けれど、それは見えなかった。


漁火と家の灯と月光と

輝かしいものに囲まれた何かを

僕はいつになれば見られるだろうか。




         ~やがて心に宿るもの~


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