オレがいた店の風俗嬢の話をしよう。

作者 板野かも

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★★★ Excellent!!!

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板野ワールドの幅の広さを垣間見せられるような一作。
作者のことを何も知らずに本作を読んでももちろん面白いが、
これを書いているのがSFコンテスト応募作「48million ~国民総アイドル社会~」の作者であると知った上で読むと、
ひとりの作者がここまで真逆のものを書けるのか、と唸らされる。

「アイドル」では純真可憐なアイドルの生き様を描いた作者が、
本作ではうってかわって、水商売の世界に生きる女達の生き様をリアルに描き出す。
単にキャラが立っているというだけではなく、出てくる話に妙にリアリティがあるから凄い。
風俗嬢達の緻密で繊細な描写は、まるで作者自身が水商売の世界にいたことがあるかのようだ。

アイドルはトイレに行かないとか、可憐な少女は異性交遊に手を染めないという、
作者いわく「童貞野郎」が夢に見る女性像を、本作は徹底的に否定する。
作中、「そういう女が見たけりゃ、童貞の空想が炸裂したアイドル小説でも読んでろって話だぜ」と究極の自虐ネタも入っており、
まさにそのアイドル小説から作者を知った人はここで必ずニヤリとさせられる。

あれだけ凄い看板作品を持っていながら、自分はそれ一つで勝負するつもりはないという、
作者の創作へのプライドが伝わってくるかのような短編だ。

さんがに★で称えました

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★★★ Excellent!!!

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どんな職業でもそうですが「普通の人」が働いている訳で、そこには普遍的な人情があり、それぞれの人生があるという事を気付かせてくれる素晴らしい作品です。

そしてラストの鮮やかな転換が実に素晴らしいです!
その結果、作品に更なる厚みを生み出しています。

とても素敵なお話です。お薦めです!

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★★★ Excellent!!!

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風俗嬢4人についての語りが続くだけ。
しかも本人ではなく、第三者のモノローグのみ。
それなのに、それぞれの背景や風貌が思い浮かぶ。

そこにあるのは、同情でも憐憫でも軽蔑でもなく、
目の前の友人と向き合うような、ごく普通の感情だった。

善悪や美醜や清濁をごちゃまぜにしたもの。
それが人生なんだろうな。