第三十九話 妖精の泉
もうすぐ夕暮れとなる森の中は、やはりいつも以上に薄暗く、より涼しかった。
そんな中をマキトとラティ、そして大勢の妖精たちが、妖精の泉を目指して突き進んでいた。
使いに出された妖精たちが神殿に来た時、ユグラシアはすぐさま、何か良くないことが起きていることを察した。そして説明を聞いた瞬間、周囲の妖精たちに不安の表情が浮かび上がった。
突如、妖精の泉に浮かび上がってきた石の柱。そのタイミングを考えれば、ラティのトランス能力が関係しているのではと、マキトが予測する。
ユグラシアもその可能性は十分にあり得ると頷き、改めて彼女からも、マキトたちに泉へ赴いてほしいと頼むのだった。
ロズからの指定を受け、スラキチとロップルはアリシアに預ける形で留守番。部外者を無暗に泉に入れるワケにはいかないという、ロズからのお達しであった。
(こうして見ると、妖精がヒトを警戒するってのが信じられないな)
チラリと妖精たちを見渡しながら、マキトは思った。
そもそもこんなにも早く、森の妖精たちと打ち解けるとは思ってもみなかった。ロズのような反応をされるのが殆どだろうと、むしろ覚悟していたくらいだった。
下手をすれば、泉の妖精全員を敵に回す展開となり、ラティが問答無用で故郷を追い出されたとしてもおかしくはないだろうと。
しかし、その予想は覆された。以外過ぎて戸惑ってしまうほどに。
これも自分が魔物使いだからなのか。それとも自分には、妖精に好かれやすい特別な性質があるというのか。
その可能性はありそうだと、マキトは割と本気で思うのだった。
「泉にも妖精ってたくさんいるのか?」
「いますよ。いつもすごく賑やかだったのです」
ラティの返答に、マキトは意外そうな表情を浮かべる。
「そっか。珍しい魔物だっていうから、てっきり数も少ないのかと思ってたよ」
「案外そうでもないですよ。泉の妖精だけでも結構多いほうですから」
「へぇー……」
興味深そうにマキトは頷いた。今の言葉に他の意味が隠されていることに、全く気づかないまま。
「ところでその泉ってのは、まだ着かないのか? もう結構歩いてきてるけど」
「もうすぐですよ。できるだけ私たちから離れないでくださいね。じゃないと結界に弾かれてしまいますから」
妖精の泉は下手に立ち入りできないよう結界が張られており、おかげでこれまでに入ってきた冒険者は、少なくとも妖精たちの記憶上では皆無とのことらしい。
結界は特殊な魔力で構成されており、過去に結界を暴こうとした魔導師も何人かいたらしいが、ことごとく失敗に終わったのだという。
魔力の種類自体がヒトのそれと違うらしく、打ち破るのは殆ど不可能だとロズは胸を張って断言していたとか。実際これまでずっと破られてこなかったのだから、その自信も十分に頷けるというモノであった。
マキトたちはしばらく歩くと、突如目の前が開け、一つの洞穴が見えてきた。
妖精たちが先導する形で、マキトたちは洞穴の奥へと進んでいく。中は意外と広く、大人一人ぐらいは普通に通れる大きさであった。
「久々の故郷なのです。なんだか凄く懐かしい感じなのです♪」
ラティがウキウキしているところに、マキトは苦笑いしながら事実を突きつけた。
「つってもラティの場合、もう殆ど追い出されてるようなもんだけどな」
「むーっ、それは言いっこなしなのですよ、マスター!」
頬をプクッと膨らませながら、ラティは可愛らしくマキトに怒りをぶつける。同行している妖精たちは、その光景を微笑ましそうに見ていた。
中には「良かったね、幸せになるんだよ」と、まるでお母さんのように涙ぐむ妖精もいた。周囲からは呆れた表情で「大げさだろ」ツッコまれていたが、その妖精は感動に夢中でツッコミに気づくことはなかった。
すると、洞窟の奥のほうが明るくなってくるのが見えてきた。
その場所に辿り着いてみると、神秘的な雰囲気を醸し出している広い場所に出た。
「こりゃあ、本当に凄い光景ってヤツだな」
マキトは呆然としながら呟いた。
ただ単に綺麗な泉がある、というだけではなかったのだ。
洞窟内とは思えないほどの豊かな自然。その中心に広がる大きな泉。空中に漂う粒子状の青白い光が、泉の神秘さをより際立たせている。
周辺の木々には住まいらしき小さな家が点在しており、妖精たちが出入りしている姿が見られる。
そしてなにより、泉の中心部にそびえる大きな岩の柱が、ひときわ目立っていた。
「よく来てくれたな少年よ。ここが我が妖精たちが暮らしておる泉じゃ」
重々しい口調とともにロズが現れた。泉でずっと留守番をしていた妖精たちも、ここでマキトやラティ(クー)の存在に気づいた。
ロズの後ろからは、妖精たちのはしゃぐ声が聞こえてくる。
クーちゃんが帰ってきた。無事だったんだな。あたしは生きていると信じていたわ。ところであの人間族は誰なのかな。クーちゃんをさらった悪い人かも。でもなんかそんな感じしないねぇ。
そんな妖精たちの言葉に苦笑しつつ、マキトはロズに尋ねる。
「あの岩がそうなのか?」
「そうじゃ。さっき突如として、あの場所に現れたそうじゃ」
ロズが深いため息をつきながら振り向き、岩の柱を見る。
「ああして現れたっきり特に反応らしい反応もなく、危害らしい危害も起きておらん。ちなみに原因は依然として不明なんじゃが……」
チラリとマキトとラティを見るロズの仕草に、マキトは目を細める。
「やっぱり、ラティの変身かな?」
マキトの何気ない一言に、一緒に帰ってきた妖精たちが一斉に振り向く。
「あり得るかも」
「だよね」
「むしろそれしかないような気がしてきたよ」
マキトたちの傍にいる妖精たちは、心の底から納得する表情を見せる。一方、ロズの後ろにいる妖精たちは、疑惑を込めた表情とともにザワつき出した。
変身ってどういうことだ、そもそもラティって誰のことかしら、あの人間族が適当なことを言ってるんじゃないのか、でもあの子たちも納得してるみたいだよ、まさかあの人間族の仕業なのか。
そんな呟きが、あちらこちらから飛んできている。
なんとなく雰囲気が微妙になってきたかと思ったその時、ロズがマキトのほうを向いて話しかける。
「少年よ。クーと二人であの岩に近づいてみてはくれんか? このまま何もしないというのも埒が明かんからな」
ロズが頭を下げた。それを見た妖精たちは口を開けて呆然としてしまっていた。
ただでさえ人間族を泉に招き入れるだけでも信じられないのに、頭を下げて頼みごとをもしてしまうとは。妖精たちの頭の中をそんな考えが駆け巡る。
驚いているのはマキトも同じであり、同時にロズの真剣さも、なんとなくながら感じ取れたような気がしていた。
「とりあえず行ってみるか」
「ハイなのです!」
マキトとラティは高台から降りていき、泉の中心部へと向かう。架け橋のような道が岩と一緒に浮かんでおり、普通に歩いて行けるようになっていた。
二人が岩に近づいた瞬間、岩がボンヤリと光り出し、文字が浮かんできた。
『妖精が秘めたる偉大なる強さ。覚醒の秘密は人種との絆にあり。その力を持って、祠に眠る依り代の封印、ここに解かれたし』
幸い昔の文字とかではなかったため、普通に読むことはできた。
マキトはその言葉を見て、ある一つの仮説が思い浮かぶ。
「偉大なる強さ……やっぱコレって、変身のことなんじゃないか?」
「私もそう思うのです。これを見る限り、変身すれば何か起きそうですよね。じゃあ、とりあえず変身してみましょうか」
あっけらかんと言うラティに、マキトは訝しげな表情を浮かべる。
「……するのは良いけど、昨日みたいにやりすぎるなよ?」
「分かってるのです。そこは肝に銘じているのです。では早速失礼して……」
ラティが目を閉じて集中し、マキトがラティに向けて右手を伸ばす。
次の瞬間、ラティの体が眩く光り出し、姿形を変えていく。そして光が収まり、大人の女性スタイルとなったラティが君臨した。
それを見た妖精たちは、揃って目を丸くしていた。一体何が起こったんだ、夢でも見ているのかと。
更に事態は大きく動いた。なんと岩の柱が、ラティの変身に反応するかのように、ボンヤリと淡く光り始めたのだ。
光を放ちながら、岩の柱が揺れ動く。そして段々と光が強くなり、やがてその一ヶ所にヒビが入った。そのヒビは急速に大きく広がっていき、遂に岩の柱そのものが、ガラガラと音を立てて崩れ落ちてしまう。
崩れた岩の中から光の珠が浮かび上がる。珠はラティに向かって飛んでいき、彼女の首元に触れた瞬間、光はパチンッと弾けて消えた。
ラティに首飾りが装着されていた。真っ赤な勾玉はまるで燃えているようだ。
見上げているマキトもロズも、そして他の妖精たちも、完全にラティに見惚れてしまっていた。それぐらい神々しいと思えてならなかったのだ。
「マスター、なんだかすっごい落ち着くのです♪」
いつもとは全く違う声で、しかし口調は元のままで、ラティが笑いかける。
イタズラっぽさが垣間見える、美しくも可愛らしい雰囲気。マキトとロズを除く男たちは、完全に目をハートマークにしており、女たちも頬を染まらせながら、目を潤ませてウットリとしていた。
一方マキトは、驚くと同時に気がかりなことがあった。結構長く変身しているのに、時間切れが訪れる様子が全くないのだ。やはりあの首飾りだろうかと、そう思えてならなかった。
ここでマキトは、ラティが自分自身の体を見渡していることに気づいた。
「うーん。どうやらこれ以上は何も起こらないみたいですね。それでは……」
ラティが再び目を閉じると、体が眩く光り出す。
姿形が小さくなり、ラティはいつもの妖精の姿に戻った。赤い勾玉の首飾りが、ちゃんと妖精のサイズとなって、ラティにしっかりと装着されていた。
「な、なぁラティ、本当になんともないのか?」
「見てのとおり元気いっぱいなのです! 多分この首飾りのおかげなのですよ」
「そういうことじゃな……全くお前さんたちには驚かされるわい」
未だ驚いている妖精たちを尻目に、ロズがマキトたちの元にやってくる。
「ワシがかつて読んだ古文書に、封印された首飾りが存在すると書かれておったモノがあった。そこには『異なる魂の絆』がカギであることを示していたのじゃが、それがどうにも分からなかったのじゃ」
「異なる魂?」
マキトが訪ねると、ロズはコクリと頷いた。
「うむ。恐らく魂とは種族を意味しておったのじゃろう。ご先祖様が妖精同士で結束を高めることを試したそうじゃが、これまた全然成功しなかったそうじゃ」
「俺とラティだったからこそ、今みたいに成功したってことか?」
「恐らくな。つまり同じ種族ではなく、お前さんらのような違う種族同士で絆を深めることが一番のカギ。それはトランス能力そのものにも言えることじゃろうな」
しみじみと語るロズに、今度はラティが問いかける。
「わたしの変身が、それだけ特別なモノってことなのですか?」
「そういうことになる。古文書が伝えたかったのは封印というよりも、妖精に秘めたる能力そのものについてであった。ワシはそんな気がするよ。まさかこの年になって新たな発見をするとは、思いもよらんかったがな」
なんとも不思議な気分だと、ロズは話しながら思った。
マキトとラティが出会っていなければ、こうして一緒に森に帰ってこなければ、今もずっと知らないままだったのだ。
これは単なる奇跡か、それとも定められた運命だったのか。あるいはその両方だとでも言うのか。
どれも当てはまりそうだと思えてくるから、自然と彼らに期待を添えていた。ロズはそう思いながらマキトたちに言う。
「じゃがこれも、あくまでワシの推測に過ぎん。分かっておるのは、その首飾りが膨大な魔力を落ち着かせる、という代物であることぐらいじゃ。可能性はまだまだ隠されておるハズ。お前さんたちなら、それを更に見つけ出せるかもしれんな」
ロズがニッコリと笑う。マキトからすれば、初めて見せる笑みであった。
他の妖精たちもようやく安心したのか、徐々に笑みを見せ始め、和やかな空気が戻りつつあった。
「でもクーちゃんにはホントビックリしたよね」
「あんなの見ちゃったら驚かずにはいられないよ。ここに住んでる子たちだけでも皆驚いてたんだから」
とある妖精二人の会話を聞いたロズは、血相を変えて振り返った。
「無暗に下手なことを言うでない! 妖精の居場所が他にもあることを明かしているようなモノではないか!」
「えっ、妖精の泉ってここだけじゃないのか?」
マキトの素朴な疑問に、ロズはしまったと言わんばかりに硬直する。顔から大量の冷や汗が流れ落ち、視線はあちらこちらに向けられ忙しない。
ロズはここで何か言わないとマズいと判断し、とりあえずこの場を誤魔化そうと頑張って口を開く。
「そ、それはもちろん、決まっておるじゃろうて。そんじょそこらに妖精がたくさんおるなんて、そんなバカげた話はお前さんだって聞いたこともないじゃろう?」
「まぁ、確かにな。別にそこまで興味あるワケじゃないし……」
何気ないマキトの言葉に、長老は思わずカチンときてしまう。
「興味がないとはなんたる言い草じゃ! 他の大陸で妖精の居場所を見つけても、果たして同じことが言えるかの? 各地で立派にたくましく生きている妖精の姿を侮らないことじゃ!」
「ふーん、そうなのか。他の大陸にも妖精の住処ってあるんだな」
マキトがそう言った瞬間、ロズはハッとした表情を浮かべる。
「しまった……ワシとしたことが……」
完膚なきまでの自爆をしでかしたロズは、その場にガックリと項垂れる。
他の妖精たちはドン引きしており、中にはいきなりどうしちゃったんだろうと、怯えている姿もあった。
「大丈夫なのですよ長老さま。無暗に話したりしませんから。ねっ、マスター?」
ラティがやや慌て気味に言いながら、マキトに同意を求める。
頷きつつもマキトは思った。わざわざ妖精の住処を探す理由もないため、心配は特にいらないだろうと。
「そもそも言ったところで誰も信じないだろうけどな」
「いや、そうとも言い切れないと思いますよ? だって現にクーちゃんという妖精を連れているんですから」
「なるほど、色んな人が信じやすくなっちゃうってことだね」
妖精たちの言葉にマキトは同感していた。その考えはなかったことも加えて。
確かに普通なら適当な話だと言われて終わりだろうが、そこに本物の妖精がいるならば話は別だ。確証の有無に関係なく、実際にあり得そうだと思われれば、その瞬間に信じられてしまい、あっという間に拡散される。
例えマキトが知らない情報でも、実際に妖精を連れてるんだから知っているに違いないだろうと見なされ、欲を抱いた者が近づいてくるかもしれないのだ。
闇商人や盗賊だけではない。冒険者も例外ではないだろう。狙われる理由は決して珍しさだけではないのだと、マキトは改めて胸に刻み込むのであった。
「今後はそこのところも気をつけないとですね、マスター」
「あぁ、そうだな」
マキトとラティはニッコリと笑いあう。それを見た一匹の妖精の少女が、ため息交じりに小さな笑みを浮かべた。
「ホントに仲良いよね。流石は愛しのマスターさんと、遥か遠い地の果てまで行こうとしているだけのことはありますわ」
あからさまにからかうような物言いをする妖精の少女に、他の妖精がツッコミを入れようと口を開こうとした。
すると次の瞬間、ラティの体が急に震え出し、だらしなく笑いながら両手を頬に添えつつ、クネクネと体を揺らし始めた。
「えへへぇ~♪ 『愛しの』だなんてストレート過ぎるのですよぉ♪」
「いや、照れなくてもいいから!!」
妖精の一人が、ラティに凄まじいツッコミを入れる。他の妖精の女たちは、全員揃ってその場にズッコケてしまっていた。
ちなみに妖精の男たちはというと、殆ど全員が見事なまでに落ち込んでいた。
膝と手をついて深いため息とともにガックリしていたり、果てしなく真っ白に燃え尽きていたり、ピシッと固まって今にも崩れ落ちそうであったり、実に多彩な反応が繰り広げられていた。
その原因はもはや考えるまでもなかった。変身したラティに惚れ、口説き落とすタイミングを見計らっていたところに、ラティの今の反応が降り注いだのだ。
彼女の様子を見れば、その気持ちがどんな意味を成していて、どれほど本気であるかはすぐに分かってしまう。
彼らのとても短すぎる恋の時間が、容赦なく終わりを告げたのであった。
「く、くそっ! このまま諦めてたまるかってんだ!」
しかし、まだ諦めてない者もしっかりと存在していた。一人の妖精の男が、意を決してラティに向かう。
やめておけよ、という周囲からの制止の声を振り切りながら、堂々と真正面から自分の気持ちを打ち明ける。
しかしその結果は当然と言わんばかりに――――
「ゴメンナサイなのです。わたしはマスターのことが大好きなのですよ」
見事な惨敗だった。告白した妖精は真っ白になって崩れ落ちた。
妖精の男たちが何人かそのものに近寄り、大粒の涙を流して励まし、その勇気を褒め称えていた。今日はとことんお前に付き合ってやるぞ、これから俺たち仲良くやろうぜと、熱い友情が生まれた様子でもあった。
それを見届けたラティは、クルリとマキトのほうを振り向き、笑顔を見せる。
「マスター。わたしたちもそろそろ帰りましょうか」
「あぁ、そうするか」
そしてマキトたちは、ロズや妖精たちに別れを告げて、泉を去った。
またねー、森の神殿で会おうねー、いつか旅の話を教えてねー。そんな妖精たちからの明るい別れの言葉が贈られ、ラティがそれに笑顔で手を大きく振っていた。
そしてマキトとラティは森の中を歩いていく。
すっかり日が沈んで暗くなっていたが、空気中を漂う魔力の粒子がボンヤリと光っており、どことなく神秘的な雰囲気を醸し出していた。少なくとも不気味さはなく、問題なく神殿まで戻れそうであった。
もしかしたらこれも賢者様のおかげなのかもしれない。そう思いながらマキトが歩いていると、ラティがなんだか嬉しそうに笑っており、ルンルンと鼻歌まで歌っていることに気づく。
マキトはその様子が、何故か気になって仕方なかった。
「ラティ」
「なんですか?」
「随分楽しそうにしてるけど、寂しいとかってないのか? 結局、故郷を追い出されたような感じになっただろ?」
「あーそうですねぇ……それはまぁ、確かにそうなんですけれども……」
珍しく言い淀んだ次の瞬間、ラティは照れくさそうに笑い出す。
「やっぱり、マスターと一緒にいられるのが、一番嬉しいかなーなんて……」
マキトはその言葉に、思わず目をパチクリさせる。
そしてラティと同じように照れくさそうに笑い出しながら――。
「あぁ、そーかい」
人差し指で、彼女の小さい頭を優しく撫でるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます