第62話 秋葉原探訪(その2)

「さて、どこで買うか」

「ヨドバシもヤマダも、新しいのしかなさそうですから、中央通りを当たりましょう」

「どんな店あったっけ」

「とりあえずソフマップとか」

「そふまっぷぅぅ?」

「B子、何その嫌そうな顔」

「レンタルソフト屋で売ってる訳無いじゃないですか!」

「「れ…レンタル…ソフト…屋……だと?」」


ご主人様とA子は困惑した。


「A子……何、レンタルソフト屋って」


訊かれてA子は暫し仰ぎ、


「……えっ、と、ソフマップはPCゲームのレンタル商売から始まったと聞いたコトが」

「他にもマックスロードとかあったじゃん!」

「マックスロードって少し前に店畳んだ中古屋じゃ……」


流石のA子もやや混乱気味である。


「秋葉原にはそんなヤバイ商売の店はもう無いな」


「でもソフマップの看板があるじゃないですか! ていうか何あのデカイ建物!」

「今のソフマップは新品中古のゲームやパソコンを扱ってて、ビックカメラの傘下に入ってからは家電も扱うようになったの。アンタの知識って一体いつの話よ…」

「いつ、って…」


B子は暫し仰ぎ、


「……えっと、昭和何年だっけ今」


「もうやだこの女」


A子がさじを投げた。


「一体アンタどの時空からやってきた時をかける少女よ! 今は平成! どんだけ時間止まってるの!」


その隣でご主人様が暫し傾げ、そして何故かA子に質問する。


「なぁ、A子ってお爺さんと趣味とか気が合ってなかったか?」

「……え? どうしてその事を?」


「成る程」


一人うなずくご主人様は、B子はA子の祖父が拾ってきた事を思い出した。


(……B子、お前さんA子のお爺さんと昔ここに来ていたろ)

(あはは……)


ご主人様の心の声のツッコミにB子は苦笑いする。


(我が主が元気な時にジャンク屋巡りで付き添った頃しか知らないのよぉ……)

(そりゃ流石に古すぎるわ)

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