鈴虫 その六
今回の法会はごく内輪に女三の宮の念誦堂開きをとのつもりだったのだが、帝も山の朱雀院も聞き及んで、どちらからも布施の使いがあった。それで誦経の布施なども置き場もないほどたくさん集まり、にわかに盛大な法要に広がったのだ。六条の院でははじめに要した布施の数々も光源氏は簡素にとの考えだったが、それでも世間並みの一通りでは収まらない。ましてこうしたいっそう華々しい寄進がいろいろ加わったので、夕方退出する僧たちはテラに持ち帰っても置き場もないほどのたくさんで豪勢な布施をもらって帰っていったのだった。
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